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No.165から - カリフォルニアであちこち走る旅 - たった一人で行ったらどうなるかを実践した。後編 ビッグベア-グレンヘレン

ダートバイクとライディングに対する情熱は、それを共有する者にとっての共通の言語だ。ぼくはこの旅の間に経験した出会いと、そして孤独を通じて、そのことを強く実感した。それは、この旅の最大の収穫物だった。

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ビッグベア

Photos & Text : HisashiHARUKI

デザート、砂丘、森のトレイル、それにモトクロストラック。思いっきり走って、また次の場所へ。ただ思うままに走り続けるだけの日々に感じたこと、考えたこと。ダートバイク乗りの悦楽とは何か、何がそれをもたらすのか…答えはあるのだろうか。


出会いと孤独のコントラストにとまどった日。
ハイデザートの雪嵐

 グラミス、オコティロ・ウェルズと思いっきり乗りすぎて少し疲れたので2~3日身体を休めついでに、カリフォルニアとネバダの州境にあるバッファロービルズというカジノで行なわれたWORCSを観戦、その後、ビッグベアレイクというOHVトレイルに行くことにした。ビッグベアレイクは、ロサンゼルスから北東に走って90分ほどのところにあるヒスペリアという街から、さらに東へ1時間ほど山道を走ったあたりのナショナルフォレスト。砂漠・荒野という感じのオコティロ・ウェルズとはまったくタイプが違う、林道のようなトレイルである。近くには大きなスキー場もあって、2月は冬だから、当然、少し寒い。しかも、行ってみたら、けっこう雪が降ってて気温は2度ぐらいで本当に寒い。
 カリフォルニアのナショナルフォレストのトレイルを走るには、グリーンorレッドのステッカーによるパーミットのほかに「ナショナルフォレスト・アドベンチャーパス」というものが必要で、これは1日5ドル。エンジェルス、クリーブランド、ロスパドレス、そしてビッグベアも含まれるサンバーナディノで有効。これが無いことがわかると100ドルの罰金ですよ、ということになっている。現地の事務所でも買うことができるそうだが、エリアが広いので遠回りになることが多い。サンバーナディノにあるチャパラルという有名なバイクショップ(巨大なのだ)で購入できるので、ぼくはちょっとした工具やスペアパーツを購入するために立ち寄った際に、ついでに買っておいたのであった。チャパラルでは、グラミスのデイリーパスも販売していた。

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