見出し画像

G-NET2020 R3 - HINO HARD ENDURO 秋の陣

G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 第3戦
2020年10月31日~11月1日 群馬県
Report and Images:Satoru Ii(ANIMAL HOUSE)

画像1

ソフト・ウーマンクラス優勝、ミディアムクラス総合5位という好成績を納めた木下夏芽はJNCCでも活躍する大学生。今後の成長が楽しみな若手の一人。



立ちはだかる日野の「壁」
そして思わぬ伏兵が登場

 開幕戦を制した絶対王者・高橋博(ロッシ)が怪我で不在となった今シーズン、チャンピオンを争ったのは3人のライダーだった。昨年、最終戦日野でロッシを下した水上泰佑は、2010年にG-NET初代チャンピオンに輝いていて、エルズベルグロデオにも出場経験がある実力者だ。また、山本礼人は2018年にロッシと熾烈なポイント争いを繰り広げ、最終戦では「最後のヒルクライムを先に登った方がチャンピオン」というところまで追い詰めた。2020年2月には台湾の亀山ハードエンデューロで台湾と韓国の猛者を抑え、優勝している。そして、ロッシを抑えて優勝することは何度かあったが、フル参戦できないがゆえ、チャンピオンから遠ざかっていた鈴木健二が、今年こそはとフル参戦を表明。第2戦を終えランキングトップに立ち、最終戦で若手2人に立ちはだかった。
 ところが鈴木は1周目の終盤、ベータマウンテンでクラッチを焼いてしまい、早々にリタイヤを喫してしまう。優勝は水上と山本に絞られたかと思いきや、そこに鋭く切り込んできたのは、日本人唯一のルーフ・オブ・アフリカ完走者、森耕輔だった。森はトライアルIA出身で、ロッシとほぼ同世代に活躍していたライダー。怪我に苦しみ、G-NETの第一線からは遠ざかっていたが、新型コロナがなければ今年からフル参戦予定だったという。広島と日野の間にあったCROSS MISSION新居浜~シコクベルグ~では水上に次いで2位に入る走りを見せ、鮮烈な印象を残した。

画像2

日野ハードエンデューロはソフトクラス、ミディアムクラス、ハードクラス、G-NETクラスに分類される。初級クラスはこの程度の丸太越えだけで、入門レベル。

ここから先は

2,486字 / 9画像
1998年に創刊。世界のエンデューロ、ラリーのマニアックな情報をお届けしています。

BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?