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Interview ジェーン・ダニエルス 「女子チャンピオン ダカールへ」 No.248より

2023年、8戦全勝で4度目の女子エンデューロ世界タイトルを獲得したジェーン・ダニエルズはダカール2024に挑戦する。


ゴットランド島へ

 4度のエンデューロ世界選手権ウイメンズクラスチャンピオン。ISDEでも英国女子チームのエースとして活躍し、2022年にウイメンズワールドトロフィを獲得。エルズベルグロデオ、SSDT(スコティッシュ6日間トライアル)にも挑戦してきた彼女が次の目標とするのは、他でもなく、ダカールラリーのフィニッシュラインだ。
 ダカールに出場するためには、ASOが認める国際ラリーに出場して一定の成績を収める必要がある。そのためジェーン・ダニエルズは、Fanticの450Rallyとともに、チュニジア、モロッコラリーに出場。モロッコでは、初日にミスはあったものの134台中41位でフィニッシュし、ダカール2024への出場資格ラインをクリアすることができた。エントリーも完了し、新年のスタートに向けて準備が進む中、彼女はゴッドランドグランドナショナルクロスカントリーに出場するためスウェーデンに向かっている。Enduro21は、旅の途上、彼女をキャッチし、じっくりと話しを聞くことができたのだ。


120%のシーズンだった

-- ラリーマシンに初めて乗ってから約半年が経過し、その間にいくつかのラリーにも出場しましたね。エンデューロからラリーにスイッチした感じはどうですか?

JD : すごく楽しいです。まったく違うバイク、まったく違うライディング、違う世界。心底楽しいと感じています。シックスデイズで6日間を走ることは経験してきましたが、ラリーの6日間はまた違った感覚です。同じ6日間といっても違う持久力が必要な感じがします。
 私はもともとエンデューロだけが好きなわけではなく、モトクロス、トライアル、スプリントレース。それにエルズベルグもSSDTも、いろんな競技にそれぞれの魅力を感じてきました。ラリーは未経験だったので、ずっと興味を持っていたんです。

-- エンデューロにフル参戦し、ラリーへの取り組みも開始。忙しいシーズンでしたね。

JD : 今年はエンデューロ世界選手権とエンデューロ英国選手権にフル参戦していました。両方でタイトルを取ることができたのはすごくうれしいです。それだけならば少しだけ自由な時間があったのですが、ラリーに取り組むことで、スケジュールは完全に埋まってしまいました。2月までは日雇いの仕事をして生活費を得ていたのですが、それ以降は、フルタイムのレーサーになってしまいました。ENDURO GPと英国選手権でヨーロッパ中を走り回り、北アフリカにも通うことになりました。

-- ラリーのためにいろんなことを学習する必要があったのではないですか?

JD : 今年の初めに、Fanticのラリーチームの契約ライダーであるツィアーノ・インテルノと一緒にロードトレーニングをするところから始めました。それ以来、ラリーの知識はすべて彼から学んでいます。その後イタリアのラリー、チュニジアのスワンクラリーというイベントで実戦の経験を積みました。ちょうどこの2つのラリーがENDURO GPの開幕戦と第2戦の隙間にあったのはラッキーでした。その後、ラリーの練習と、450ラリーバイクのセットアップにかなりの時間を費やしてきました。
 エンデューロバイクとは全然違いますね。乗り方もポジションも違うので、すべてゼロからのスタートでした。だからイタリアとチュニジアの後は、かなり時間がかかりました。忙しかったですよ! 英国選手権の最終戦の後、すぐにモロッコに飛んで、ラリーマシンのセットアップを行い、すぐポルトガルに戻ってENDURO GPに2週間続けて参戦。チャンピオンシップを獲得したのはうれしかったですがすぐにモロッコに戻ってラリーを走ったんです。なにかミスがあったらすべてが崩れてしまうような綱渡りでした。

-- エンデューロで乗りなれたFantic XEF250から、ラリー仕様の450に乗り換えるのはどんな感じですか?

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