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連載 TIME TO RIDE  Vol.7 「ビッグマシンは酔狂か必然か」 大鶴義丹

 昭和から乗っているライダーにとっては「ビッグオフ」という響きが心地良いかもしれないが、昨今では「アドベンチャーマシン」という言葉の方が幅を利かせている感がある。
 私は1984年からDT200Rで林道デビューといった、典型的な昭和系のオフ歴なのであるが、その当時の「ビッグオフ」といえば、85年に世間を騒がせたXR600が羨望のまとであったが、昭和の高校生にとってはスーパーカーに匹敵するようなものであった。DR500S、XT600なども、神奈川県の丹沢林道などで、たまにお金持ち風の中年ライダーが乗っているのを見かけると「見せて欲しい」とお願いした記憶がある。
 またパリダカなどではR80 G/Sベースのパリダカ・レーサーが暴れていたが、それは私たち高校生林道レーサーからするとあまりに距離感があり過ぎた。また実際にその手のマシンに乗っている方と言うのはお金に余裕のある中年ばかりであったので、実際に林道で出会っても「バトル(笑)」になるということもなかったと記憶している。

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