BEST OF THE YEAR 2020 - ハードエンデューロライダー部門 - TAISUKE MIZUKAMI
2020年、台湾ハードエンデューロ出場を皮切りに、G-NET全日本ハードエンデューロ選手権にフル参戦し見事シリーズタイトル獲得。注目を集めたビッグイベント、クロスミッション・シコクベルグでも優勝。ベストオブハードエンデューロライダーは水上タイスケだ。
Text : Hisashi Haruki
Images : Satoru Ii
自信はあった、しかし
2019年は4年ぶりにレースに復帰したシーズンでした。リハビリのつもりでG-NETにスポット参戦だったんですが、その時、開幕のレースから充分イケる感じがしていました。最終戦の日野でも、2日間ともロッシ(高橋博)さんに勝てましたし。野崎さんには2日目にやられちゃいましたけどね。だから2020年は最初からタイトル狙うつもりで走ってましたよ。バイクも、2019年は125で走ってたんですが、やっぱりちょっとキツいところもあって。2020年は250のTPIになってかなりラクになりました。いいですよ、TPIは。初期のモデルは、ちょっとレブリミッターが当たるのが早くて、長いヒルクライムでツラい時があったんですが、年々良くなっていて、2020モデルではキャブに遜色ないぐらいで、高回転まで使えるようになりました。
でも、シリーズとしては最後までタイトル獲れる、っていう確信は持てなかったですよ。ポイントとしても最終戦までもつれこんで、レースが終わるまでわからなかったですね。
ギリギリのヤバいレース
だからその最終戦が一番印象に残ってますね。G-NET以外のレースでは、クロスミッションのMt.SODA高知が楽しかったです。シコクベルグじゃなくて。1周できるもんならしてみろ、って感じのレースで、こういうギリギリの難しいレースが好きなんですよ。制限時間が4時間で、もう3時間半もかかってやっとゴールの近くまでたどりついて…。雨でコンディションもヤバくなって、それがよかったんですね。最後の坂は、もう絶対登れないんですけど、一番頂上に近いヤツからクレーンでひっぱり上げるっていう…(笑)。優勝できたっていうのもあるし、楽しかったです。
最近、G-NETでも、1周できないって言うレースが少なくなってきましたよね。少し走れるほうが楽しいし、見に来た人も、スタートしたらもう誰も帰ってこないんじゃつまんないからだと思うんですが、ギリギリなヤバいレースの方が楽しいです。個人的には!
ハードレースに向かう理由
子供の頃から、どちらかというと、ハードエンデューロっぽいバイクの楽しみ方で育ってきたので、G-NETみたいなレースは、自然に入ってくるというか、しっくりきます。JECは競技の仕組みとしてもすごく好きです。中でも特に日高にはまた行きたいと思っています。
実は、エルズベルグに出場した時の怪我の影響(飛び石で眼球を負傷)で後遺症があって、ひどく視力が悪いんです。それで、スピードのある競技が向かくなって、それで自然に、ハードエンデューロに気持ちが向いているというのもあります。それともともとこういうラディングが得意だということも。
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