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人生最後の一台 - KTM350EXCF

永田邦彦 1971~2023

人生最後のバイクは、ライダーが選ぶものだと勝手に思っていたが、そうではなかった。それは、自然にそうなるのである。日高に生まれ育った永田君に選ばれ、愛されたバイク。本物のエンデューロライダーに愛用された、本物のエンデューロバイクのこと。

Text : Hisashi Haruki

 KTMのエンデューロモーターサイクルの中でも、4ストローク350エンジンを搭載したモデルは、年式を問わず人気がある。日本でいまひとつ売れ行きが良くないのは、単に車検制度があるためだ。かつては、400EXC-Rというモデルが人気だった。その後、フューエルインジェクションになってから350になった。多くのライダーが言うように、250のハンドリングと450に近いパワーが同居している。450ccエンジンに比べると、エンジンの回転は滑らかでトラクションにも優れている。KTMのEXCシリーズは、どれもユーザーを100%満足させる製品だ。性能、耐久性、信頼性。WPサスペンションの性能と、非の打ち所がない。そのなかでも350EXCFは、ウェルバランスという意味において名車といって過言ではない。

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