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「公道を走る、ルスツ2デイズより」 - エンデューロ日記 No.21

9月中旬、北海道、留寿都村で2日間エンデューロが行われた。筆者が所属している日高モーターサイクリストクラブによる主管で、同、留寿都村でビッグベアOHVパークを運営しているMOTO LIFE(MFJ公認クラブ)と共同で運営している形だ。

写真 : Bike-man photo service

MFJ全日本エンデューロ選手権の北海道ラウンドで、例年、日高町で開催されてきたが、ウイルス状況によって同町での実施が困難になり、昨年から留寿都村に開催地を移した、というか留寿都村に受け容れてもらったという経緯である。

ルスツ2デイズエンデューロ。

当然、日高での大会と同様に、一般公道を使用して、広域に展開する競技会にするべきだったが、昨年は、急遽の開催地変更であり、ビッグベアOHVパーク内で完結する、閉鎖環境での競技会にならざるを得なかった。

パーク内にふたつのスペシャルテストを持っているが、ルート(リエゾンと呼んだりもする)は5kmほどしかなく、ほぼスペシャルテストだけを走るスプリントエンデューロに近い競技だった。それが、今年は一定の準備期間があることから、各関係機関の許認可をとりつけることも可能となり、日高大会と同じように、一般道路も走る「エンデューロらしい」外観を持つ競技会として開催することができたという次第。

1周約35kmという距離は、それでもエンデューロとしてはコンパクトで、また、スペシャルテスト以外のルートは、林道や舗装路といった道路の形態を持つものがほとんどで、走り応え充分というわけにはいかなかった。日高のようにシングルトラックをたくさん走れるようになるには、本当に少しずつ少しずつ、地元の方々の理解を獲得しながら、ということになるだろう。まさしく日高の歩んできた道のように。


あるライダーの質問

競技の開始前、あるライダー(といっても選手ではなくチームライダーのサポートをしている)がこういってきた。

「タイムチェックのでサポートするために、選手と同じルートを自分のバイクで走って良いか」。

一瞬、どうしたら良いか考えたが結局、「道路を走ってタイムチェックにいくのは良いが、選手と同じルートは走らないように」と返答した。

今回、スペシャルテスト以外は基本的に一般道路である、とアナウンスしていた。一般道路なのだから、本当は誰が走っても良く、ダメ、という理由がない。一瞬、考えたのはそのためだ。


ISDEの素敵な楽しみ方


最近は、開催地によって、選手以外のライダーがルートを走ることを禁止するケースが増えているが、ISDEでも欧州各国のエンデューロでも、スペシャルテスト以外クローズされていないのは普通で、サポートライダーはもとより、観客も、それぞれ自分のバイクを持ち込み、選手と同じトレイルを走って楽しんでいる光景が普通に見られる。

トレイルを走り、スペシャルテストでは特設のレストランで食事を楽しみながら、ひいきのライダーを応援する。それを楽しみに、ヨーロッパの各地から、エンデュ―ロファンが集まる。ISDEの素敵な楽しみ方である。

「自分のバイクでルートを走っても良いか」と聞いてきたのは、何度もISDEを走り、イタリアでエンデューロを勉強してきたライダー。だから、彼の常識でも、それは不自然なことではないのである。

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