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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
1998年に創刊。世界のエンデューロ、ラリーのマニアックな情報をお届けしています。
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#モトクロス

ジャービスの TE300i ハードエンデューロ専用

2022年にRockster Enagy Husqvarnaファクトリーレーシングチームを離れ、自ら立ち上げたプライベートチーム"GOAT"を率いるグレアム・ジャービスは、しかし依然としてトップレベルの実力を維持し、そしてハードエンデューロの"象徴"としての地位を堅持し続けている。  マシンは長年の愛機であるHusqvarna TE300のフューエルインジェクション搭載モデル。彼の改造に対するスタンスは常に「シンプル」であること。虚飾を嫌い、最低限のプロテクションしかその外観

「王者は挑戦をやめない」 インタビュー スティーブ・ホルコム

2023-2024 Enduro GPシーン最も注目を集めた大型移籍。最強を誇るBetaファクトリーチームからRed Motoへ。王者スティーブ・ホルコムの真意に迫る。  2015年、Enduro GPのジュニアクラスに彗星のごとくデビュー。フル参戦ではなかったためジュニアタイトルの獲得は無かったが、シニアにステップアップした翌2016年はE3クラスで初の世界タイトルをつかむ。以来、Betaファクトリーチームのライダーとして5シーズン、排気量クラスでのタイトルを含めると9度

続・フットパスライツ

またひとつ、立ち入り禁止の砂浜が増えた。 みんなが、釣りや、散策、あるいはバイクで走って楽しんできた場所に、ある日突然、鉄柵とゲートができて、入れなくなってしまった。 風力発電所ができたからだ。 以前に書いた記事を貼っておく。

エンデューロ日記 No.49 - トレイルの文

ガレージを出て街を抜け郊外の道へ。 山野を駆け回り、しばらく走ったらまた街へ戻り、家にたどり着く。 今では、ダートバイクでそんな「普通の」楽しみ方ができる環境も貴重になってしまったが、ダートバイクの楽しみというのは、もともとはそんなものだ。 トランスポーターが必要で、モトクロスースにいかなければ走る場所もない。いや、モトクロスはモトクロスでそれはいいのだ。だが、バイクというのはそれだけの乗り物ではない。もっと広く、あらゆるところに出ていけるものであるとするならば、こんな

エンデューロ日記 No.48 - 「無冠の帝王から真の勇者へ」

これは、ミカ・アオラ - Mika Ahola というフィンランド出身のエンデューロライダーのことを書いたものです。彼は、長く、エンデューロ世界選手権と、インターナショナルシックスデイズエンデューロで活躍し、2012年1月に、練習中の負傷が原因でこの世を去りました。 文中にありますが、長く無冠の帝王と呼ばれながら、ライダーとして普通はピークを過ぎたといわれる年齢になってから、なんと5年連続で世界タイトルを獲得するに至ります。 真摯にこのスポーツに取り組む姿勢。無冠の帝王と

エンデューロ日記 No.47 - 速いマシンは美しいのか。

最近はあまり聞かなくなったが、レースに携わる人たちの間でよく使われた言葉である。レースおたくのような若者だったぼくは、RIDING SPORTS等のレース専門誌をよく読み、やはりこのフレーズによく行き当たった。そして当時は、それを額面通りに受け取り、例えばそれは機能美のようなものを指しているのだと思っていた。フォーミューラーワンのレーシングカーや、ホンダやヤマハのGP500マシンなど、いかつくも流麗な形をしていて本当に美しい。空を飛ぶ鳥の美しさも、一種の機能美といっていいかも

Factory Bike - タディのインドアウェポン - GASGAS 4T 350

エクストリームエンデューロのマエストロがFIMスーパーエンデューロとAMAエンデューロクロスという2つのインドア選手権で勝利するために作ったスーパーウェポン。フルモデルチェンジした4ストローク350マシンはどのようなコンセプトで仕上げられているのだろうか。 Text & Images : Future7Media Team 狂気のレースを戦う 異常な兵器の真実 私たちがファクトリーマシンを紹介するこのPRO-BIKEのシリーズでは、通常、パドックで撮影できそうなバイクを見

工具の世界 「第8回 整備を頼る」 No.248より

Text : 山田卓弥 プロの存在理由 工具の業界に身を置き長年にわたり工具の販売を行ってきまして「工具を販売する工具のプロ」だという自負はありますが──それでは実際に工具を使う作業、つまり整備の腕前もプロ並みなのかと言われれば全く違いまして。工具販売の仕事をしてますのでプロメカニックとも必然的に付き合いが多くなりますからプロの作業現場もたくさん見てきました。そのおかげもあって普通の人よりは少しだけ詳しいとはおもいますけど、ではプロ並みの作業が可能かと言われれば否なわけです

Parc Ferme 「エンデューロのメカニックとは?」 No.248より

Image : ISDE France2022 - Future7Media Text : Hisashi Haruki  エンデューロという競技の起源は、モーターサイクルとそれに関連するイクイップメントの性能向上、そしてモーターサイクル操縦技術の鍛錬に資する「トライアル=試験」にある。その目的を現在まで継承していることから、他のモータースポーツとは違った特徴を持っている。その大きなもののひとつが、モーターサイクル固有の信頼性を問うものであること、同時に、それを操る選手本人

日高。2023 「ザ・クラシックエンデューロ」 No.248より

1984年に苫小牧市で開催されたITDEをその源流とする伝統の2日間競技がウイルス禍による休止を経て4年ぶりに開催された。レベルアップ著しい最高峰クラスから、一度は日高を、と目標にしてきたライダーまで、国内外から240名の選手が秋の日高山脈に集まった。 JAPAN ENDURO CHAMPIONSHIP R5 MFJ全日本エンデューロ選手権 第5戦 2023年9月15~17日 北海道日高町 Images : off1.jp, Akihisa Tsukada その歴史 日高

ヒダカ - ローレンス・ハッキングの場合 「情熱を共有すること」 No.248より

ENDURO IN JAPAN - LAWRENCE HACKING ローレンス・ハッキング カナダのモーターサイクルジャーナリスト。ISDEにはカナダ代表チームでの出場も含めて何度もシルバーメダルを受ける。カナダ人初のパリダカ完走者でもあるベテラン。ENDURO GPカナダ大会を2年続けて主催した経験を持つ「エンデューロマン」だ Image : Satoru Ii モーターサイクルの醍醐味 2016年に初めて参加して以来、3度目のHTDEになりました。毎回感じること

ジャンキー稲垣が走ったヒダカ 「語り継ぐべきもの」 No.248より

取材者として見続けてきたエンデューロ。ヒダカをライダーとして走る。稲垣正倫が体験した「初めてのヒダカ」、そのモノローグ。 <クレジット> Text : Masanori Inagaki Images : Satoru Ii 「何者か」になりたい 僕はいま42歳なのだけれど、だいたい10年ほど前にとある編集講座に1年ほど通っていたことがある。僕ら編集というのはなんとも説明しがたい職業で、ざっくり言うと材料を集めてきてなんらかの形にする人だ。雑誌編集なら、立てた企画に最良なカ

ファンティックの活躍と、トライアンフの登場に見る欧州エンデューロ市場の強さ

トライアンフは新たに2024年モデルとしてエンデューロレンジのTF250Xを発表。エンデューロシーンでは、この英国ブランドが、母国ライダーのスティーブ・ホルコムを取り込むのではないかと噂されているところだ。

FIMスーパーエンデューロ2023-2024開幕

ウインターシーズンに集中して開催されるFIMのインドア選手権。2007年にFIMカップとしてシリーズがスタートし、2013年ぐらいまでは、EnduroGPのライダーたちが多く参戦する、シーズンオフのショーという感じだったが、現在は、エクストリームエンデューロ、ハードエンデューロのライダーの中でも、特別な技術を持ったライダーたちによって競われるチャンピオンシップとなっている。 現在の決勝フォーマットは、約7分間×3ヒート制。超スプリントで、しかも、1ヒート毎にスタート列が逆に