マガジンのカバー画像

BIGTANKオンライン

BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの…
1998年に創刊。世界のエンデューロ、ラリーのマニアックな情報をお届けしています。
¥740 / 月
運営しているクリエイター

#エンデューロ

カピロッシの赤、氷の顔、カンガルーの震える背中 - レゴラリータ

勝利を手にしたライダーが、それを Happy と感じるかあるいは Lucky と感じるか、そこには大きな差があるものだ。 Photo : Toshimitsu Sato - ISDE 1985 Toshi and Kayoのモーターサイクルスポーツコラム  読者の皆さんはジンクスなるものをを信じますか? 辞書で引いてみると「Jinx=勝負ごとなどで、縁起をかつぐ対象となる物事」と書いありました。  私はたっぷりかつぎます。特別ページを組んだライダーのインタビュー直前なん

「あんなものスポーツじゃない」 その言葉がやがてくれた贈り物 -  - エンデューロ日記 No.51

カレンダーは9月になった。この9月というのは、ぼくと日高に集まる仲間にとって特別な意味を持っている。ほかでもなく、もう二十年以上その運営に携わっている、日高の2日間エンデューロに、全国から、また少数だが外国からも選手を迎える日が近づているのである。

エンデューロ日記 No.50 - エンデューロは難しいのか。

エンデューロのルールは難しい。 ルールが難しいから競技人口が増えない。 そんなふうに考える人が、以前から一定数いる。 だから、ルールをもっと簡単にしたほうが良い。

北海道、路傍の野生動物 - ヒグマ、キツネなど

ラリーの試走でも本番でも、北海道ではヒグマに遭遇したことがない。足跡や爪痕、糞など濃厚な気配を感じることは多いけれど。それだけヒグマは警戒心が強く、人間との接触を避けているのである。これから北海道を走る我々は、野生動物に対してどんなスタンスを持てば良いのだろうか。

TEST RIDE BETA ENDURO MY2024 - イタリアのレース哲学、その結晶

Enduro GPの現場からフィードバックした技術をエンドユーザーに提供する、レーシングに立脚するメーカーが自信を持って送り出す最新モデルをアローザでテストする。 Text : Hisashi Haruki Images : Masanori Inagaki まさにプライスレスの価値 レーシングに立脚するイタリア企業が、レース、コンペティションを愛するライダーのために、一貫したフィロソフィーに従って開発し続ける製品群である。トライアル、エンデューロの両方で常に世界タイトル

THE MIND OF RALLY RIDERS - ライダーだけの自由な世界へ

なぜ再びラリーに向かうのか。ラリーとは旅かそれとも競走か。時間と空間、心を動かす装置としてのラリーについて。 Text : Hisashi Haruki

「ライフワークとは何か」 門永哲也 1-ON-1 Interview -

雪国に育った少年はいつしかモーターサイクルの世界に足を踏み入れ、夢と挫折の両方を経験する。自分のやっていることが、人の役に立たない無意味なことだと感じる日々もあった。再び前を向くことができたのはなぜか。人はなぜ悩みながらも生きるのか。モーターサイクルとともに歩む人生とは。 Text ; Hisashi Haruki Images : Daigo Miyazaki, Future7Media PROFILE TETSUYA KADONAGA 門永哲也 1975年愛知県に生ま

FIM E-xplorer world cup - 菅原悠花と保坂修一が参戦

電動オフロードバイクの世界選手権シリーズ、その開幕戦が大阪万博公園特設コースで開催。JMXにデビューしその性能を実証済のホンダのファクトリーマシンに注目が集まったが、BATON BIKESが輸入販売するCAOFENも2名のエンデューロライダーを擁してワイルドカード参戦を果たした。 Text : BIGTANK Images : 曲渕真介 次世代技術の開拓者たち  2月17日。FIM E-xplorer world cup(イーエクスプローラーワールドカップ)の開幕戦が、

LOOKING BACK - KTM690ENDURO-R

スパルタン - 骨太なダートバイク  KTM690ENDUROは、KTM640LC4 ENDUROの後継機種として2008年に発売されている。実際には2007年の夏頃にリリースされた。すでにダカールラリーで活躍し、スピード、信頼性ともに最高の評価を受けていたLC4エンジンも、このモデルから新しくなっている。シリル・デプレらが走らせていた、KTM690ラリーに搭載されていたエンジンと基本設計を同一にする。クロモリスチールのトレリスフレームを基本骨格とした車体構成も690ラリー

ホルコムのEnduroGPウェポン - Honda CRF250RX Enduro

-- E1マシンである4ストローク250がオーバーオールの世界タイトルを狙えるマシンであることは歴史は証明しています。また、あなたと同じように、より大きな排気量クラスから、最小排気量のE1に移籍して成功を収めたミカ・アオラが、同じくCRF250に乗っていたことは、あなたの決断にも影響を与えていると考えてよいでしょうか? Steve : 必ずしもそうではありません。E1へのスイッチによってぼくが目標にしているのは、まずはE1のタイトルです。ぼくのトロフィルームには、E1の世界

ジャービスの TE300i ハードエンデューロ専用

2022年にRockster Enagy Husqvarnaファクトリーレーシングチームを離れ、自ら立ち上げたプライベートチーム"GOAT"を率いるグレアム・ジャービスは、しかし依然としてトップレベルの実力を維持し、そしてハードエンデューロの"象徴"としての地位を堅持し続けている。  マシンは長年の愛機であるHusqvarna TE300のフューエルインジェクション搭載モデル。彼の改造に対するスタンスは常に「シンプル」であること。虚飾を嫌い、最低限のプロテクションしかその外観

「王者は挑戦をやめない」 インタビュー スティーブ・ホルコム

2023-2024 Enduro GPシーン最も注目を集めた大型移籍。最強を誇るBetaファクトリーチームからRed Motoへ。王者スティーブ・ホルコムの真意に迫る。  2015年、Enduro GPのジュニアクラスに彗星のごとくデビュー。フル参戦ではなかったためジュニアタイトルの獲得は無かったが、シニアにステップアップした翌2016年はE3クラスで初の世界タイトルをつかむ。以来、Betaファクトリーチームのライダーとして5シーズン、排気量クラスでのタイトルを含めると9度

続・フットパスライツ

またひとつ、立ち入り禁止の砂浜が増えた。 みんなが、釣りや、散策、あるいはバイクで走って楽しんできた場所に、ある日突然、鉄柵とゲートができて、入れなくなってしまった。 風力発電所ができたからだ。 以前に書いた記事を貼っておく。

エンデューロ日記 No.49 - トレイルの文

ガレージを出て街を抜け郊外の道へ。 山野を駆け回り、しばらく走ったらまた街へ戻り、家にたどり着く。 今では、ダートバイクでそんな「普通の」楽しみ方ができる環境も貴重になってしまったが、ダートバイクの楽しみというのは、もともとはそんなものだ。 トランスポーターが必要で、モトクロスースにいかなければ走る場所もない。いや、モトクロスはモトクロスでそれはいいのだ。だが、バイクというのはそれだけの乗り物ではない。もっと広く、あらゆるところに出ていけるものであるとするならば、こんな