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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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#エンデューロ

ホルコムのEnduroGPウェポン - Honda CRF250RX Enduro

-- E1マシンである4ストローク250がオーバーオールの世界タイトルを狙えるマシンであることは歴史は証明しています。また、あなたと同じように、より大きな排気量クラスから、最小排気量のE1に移籍して成功を収めたミカ・アオラが、同じくCRF250に乗っていたことは、あなたの決断にも影響を与えていると考えてよいでしょうか? Steve : 必ずしもそうではありません。E1へのスイッチによってぼくが目標にしているのは、まずはE1のタイトルです。ぼくのトロフィルームには、E1の世界

ジャービスの TE300i ハードエンデューロ専用

2022年にRockster Enagy Husqvarnaファクトリーレーシングチームを離れ、自ら立ち上げたプライベートチーム"GOAT"を率いるグレアム・ジャービスは、しかし依然としてトップレベルの実力を維持し、そしてハードエンデューロの"象徴"としての地位を堅持し続けている。  マシンは長年の愛機であるHusqvarna TE300のフューエルインジェクション搭載モデル。彼の改造に対するスタンスは常に「シンプル」であること。虚飾を嫌い、最低限のプロテクションしかその外観

「王者は挑戦をやめない」 インタビュー スティーブ・ホルコム

2023-2024 Enduro GPシーン最も注目を集めた大型移籍。最強を誇るBetaファクトリーチームからRed Motoへ。王者スティーブ・ホルコムの真意に迫る。  2015年、Enduro GPのジュニアクラスに彗星のごとくデビュー。フル参戦ではなかったためジュニアタイトルの獲得は無かったが、シニアにステップアップした翌2016年はE3クラスで初の世界タイトルをつかむ。以来、Betaファクトリーチームのライダーとして5シーズン、排気量クラスでのタイトルを含めると9度

続・フットパスライツ

またひとつ、立ち入り禁止の砂浜が増えた。 みんなが、釣りや、散策、あるいはバイクで走って楽しんできた場所に、ある日突然、鉄柵とゲートができて、入れなくなってしまった。 風力発電所ができたからだ。 以前に書いた記事を貼っておく。

エンデューロ日記 No.49 - トレイルの文

ガレージを出て街を抜け郊外の道へ。 山野を駆け回り、しばらく走ったらまた街へ戻り、家にたどり着く。 今では、ダートバイクでそんな「普通の」楽しみ方ができる環境も貴重になってしまったが、ダートバイクの楽しみというのは、もともとはそんなものだ。 トランスポーターが必要で、モトクロスースにいかなければ走る場所もない。いや、モトクロスはモトクロスでそれはいいのだ。だが、バイクというのはそれだけの乗り物ではない。もっと広く、あらゆるところに出ていけるものであるとするならば、こんな

エンデューロ日記 No.48 - 「無冠の帝王から真の勇者へ」

これは、ミカ・アオラ - Mika Ahola というフィンランド出身のエンデューロライダーのことを書いたものです。彼は、長く、エンデューロ世界選手権と、インターナショナルシックスデイズエンデューロで活躍し、2012年1月に、練習中の負傷が原因でこの世を去りました。 文中にありますが、長く無冠の帝王と呼ばれながら、ライダーとして普通はピークを過ぎたといわれる年齢になってから、なんと5年連続で世界タイトルを獲得するに至ります。 真摯にこのスポーツに取り組む姿勢。無冠の帝王と

エンデューロ日記 No.45 - 真のプライズが宿るものとは

毎年12月に東京で開催されているMFJ MOTO AWARD(モトアワード=一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会主催の年間表彰式)では、ロードレース、モトクロス、トライアル、エンデューロ、スーパーモトの全日本選手権シリーズのランキング表彰を始め、世界選手権功労賞など、多くの特別賞も併せて顕彰されるものだが、その中に、エンデューロ特別賞として「ベルナード・ホジキンス記念トロフィー」というものもある。 これは、FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ(ISD

Factory Bike - タディのインドアウェポン - GASGAS 4T 350

エクストリームエンデューロのマエストロがFIMスーパーエンデューロとAMAエンデューロクロスという2つのインドア選手権で勝利するために作ったスーパーウェポン。フルモデルチェンジした4ストローク350マシンはどのようなコンセプトで仕上げられているのだろうか。 Text & Images : Future7Media Team 狂気のレースを戦う 異常な兵器の真実 私たちがファクトリーマシンを紹介するこのPRO-BIKEのシリーズでは、通常、パドックで撮影できそうなバイクを見

Interview ジェーン・ダニエルス 「女子チャンピオン ダカールへ」 No.248より

2023年、8戦全勝で4度目の女子エンデューロ世界タイトルを獲得したジェーン・ダニエルズはダカール2024に挑戦する。 ゴットランド島へ 4度のエンデューロ世界選手権ウイメンズクラスチャンピオン。ISDEでも英国女子チームのエースとして活躍し、2022年にウイメンズワールドトロフィを獲得。エルズベルグロデオ、SSDT(スコティッシュ6日間トライアル)にも挑戦してきた彼女が次の目標とするのは、他でもなく、ダカールラリーのフィニッシュラインだ。  ダカールに出場するためには、A

工具の世界 「第8回 整備を頼る」 No.248より

Text : 山田卓弥 プロの存在理由 工具の業界に身を置き長年にわたり工具の販売を行ってきまして「工具を販売する工具のプロ」だという自負はありますが──それでは実際に工具を使う作業、つまり整備の腕前もプロ並みなのかと言われれば全く違いまして。工具販売の仕事をしてますのでプロメカニックとも必然的に付き合いが多くなりますからプロの作業現場もたくさん見てきました。そのおかげもあって普通の人よりは少しだけ詳しいとはおもいますけど、ではプロ並みの作業が可能かと言われれば否なわけです

TIME TO RIDE 大鶴義丹 「Door Of Adventure 秋の陣」 No.248より

 毎年楽しませて頂いている、人気コマ図ラリーイベント「DOOR OF ADVENTURE」の2023年秋の陣が行われた。  場所は福島県鮫川村で、ここでの開催はコロナ前から5年ぶり。当時私はアフリカツインで参加したのだが、福島の林道の奥深さに大感動した記憶が残っていた。この林道のボリュームと適度な難易度といい、福島と言うフィールドは東京からの距離を考えても、林道遊戯派には特筆すべきエリアだと思う。  昨今、本イベントの人気は凄まじく、参加チケットが初日ソールドアウトするほどに

Parc Ferme 「エンデューロのメカニックとは?」 No.248より

Image : ISDE France2022 - Future7Media Text : Hisashi Haruki  エンデューロという競技の起源は、モーターサイクルとそれに関連するイクイップメントの性能向上、そしてモーターサイクル操縦技術の鍛錬に資する「トライアル=試験」にある。その目的を現在まで継承していることから、他のモータースポーツとは違った特徴を持っている。その大きなもののひとつが、モーターサイクル固有の信頼性を問うものであること、同時に、それを操る選手本人

日高。2023 「ザ・クラシックエンデューロ」 No.248より

1984年に苫小牧市で開催されたITDEをその源流とする伝統の2日間競技がウイルス禍による休止を経て4年ぶりに開催された。レベルアップ著しい最高峰クラスから、一度は日高を、と目標にしてきたライダーまで、国内外から240名の選手が秋の日高山脈に集まった。 JAPAN ENDURO CHAMPIONSHIP R5 MFJ全日本エンデューロ選手権 第5戦 2023年9月15~17日 北海道日高町 Images : off1.jp, Akihisa Tsukada その歴史 日高

ヒダカ。「1989年以来の念願」- サイモン・ペヴィの場合 No.248より

Phoro : Satoru Ii ENDURO IN JAPAN - SIMON PAVEYサイモン・ペヴィ ラリー&アドベンチャーライダー。オーストラリア生れ、英国ウェールズ在住。ダカールラリーで8度完走。英国ヘアアンドハウンドチャンピオン。Off Road Skills Ltd主宰 ダカールライダー 私はダカールラリーを中心にラリーとアドベンチャーライディングに取り組んできました。ダカールでは8回完走しています。現在は、ラリーとオフロードスキルのためのスクールを運営