【Otonoha③】威力と可能性への感動
ついに、迎えた本番の日。
朝9時。
大人キャストだけでウォーミングアップ。
集合時間に全員は集まらなくとも、
ほとんど集まってきた。
最後のひとりも、
体調がすぐれないなか
なんとか車で迎えにいってもらって
来ることができた。
これで全員、そろった。
※ 写真:Emi, Kaho
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お昼から、子どもたちとのミュージカル。
たのしく練習をして。
子どもたちは、
普段は「特別支援」という名の枠の子もいれば、
「普通学級」という名の枠の子もいる。
でも、この場はそれがどうかだなんて関係ない。
正直、だれがどっちの枠だかわからなかった。
ダンスするよ〜ってみんなで練習してるなかで
”いや〜〜”って、ひとり寝そべって
ぬいぐるみとにらめっこしてる子。
耳がなくて聞こえにくいのか、
学校ではサインコミュニュケーションという名の
コミュニュケーション方法をとってる子
さて、大人キャストだけのステージ。
わたしは舞台に立たないから、
輝くみんなを切り撮るという勝負に挑む。
夕方5時。
お客さんも入って、いよいよ本番前。
半年前に書いた手紙。
わたしの届けたい想いは
”生きづらさを生きる美しさへ”
生きづらさを感じてるひとへ、こどもたちへ
届けたい
数年前から変わらない想い。
みんなで円陣を組んで
”bloom ourrr flowers!”
涙するキャスト、
まだこれからだよ〜〜ってまだ泣くな〜って。
ついに、大人たちのステージがはじまる。
ふたりで、おどるはずだった。
でも、もうよかった。
ひたすら、ともに踊る予定だった
アイカタの姿を撮った。
ひとりで踊ってるからこその美しさがあって。
かっこよかったよ。
大人のステージが無事おわり、
第2幕は、こどもたちとのショーがはじまる。
こどもたちは、大人キャストに
”かっこよかったよ!!”
”すごく上手だったよ!!”
そんなことばをかけてた。
なんて素敵な心の持ち主だろう。
そして、大人たちがかけていることばだから
やさしさや愛情が届いているから
返ってくるんだろうな。
わたしも、ステージに立ってたら、
こんなことばをもらえただろうか。
ちょっぴり、羨ましかった。いいな。
まぁ、いい。わたしに言ってこないのは、
ちゃんと、だれかれ構わず言ってるわけでは
ないということ。
でも、その関係性がとてつもなく美しかった。
ひととひととの間に生まれるもの。
兄弟でもない、親戚でもない、
学校の先生と生徒でもない、
複数回あっていたとしても、
この場の数日でつくられた関係。
互いがある程度ひらけていないと、
なかなか仲は深まらない。互いがとけられない。
だから。ただそれが、美しかった。
そして迎えた、こどもたちとのステージ。
♪5.キャラクター/緑黄色野菜
踊りながら歌う。
シンプルに、からだを動かして楽しかったなぁ。
こどもたちに
どれほど意味が伝わっているのかなって。
ひとりひとりが、大切で意味がある。
♪6. I believe/絢香
手話をしながら歌う。
笑顔で手話をするこどもたち。
ほんとうにまちがいないことばだも感じるし、
大切なこと、大切にして歩んでいきたいね。
♪7. If Only You Would Listen
♪8. Ola/ゆず
ほんとうに、こどもたち、
キャストのみんなに逢えてよかったなぁと
心から想って、たのしく踊りながら歌った。
♪9.自分色の花を咲かせよう
みんなで手話をしながら歌う、最後の曲。
わたしもだいすきな曲。
励まされる うた。
背中をおしてくれる ことば。
Otonohaのテーマソング。
わたし自身の経験からも
とっても共感がうまれる歌で。
Otonohaの想い出がぎゅぎゅっとつまった唄で。
今もききながら、ことばをつむぐ。
氣づけば、涙があふれていた。
大号泣だった。涙が、止まらなかった。
なぜだかわからなかった。
自分でも驚きだった。
ふりかえれば、あんな困難、こんな困難。
ここまでくるのに、決して楽ではなかった。
もがきもがき、悔しい結果となった。
それでも、今日ここの舞台にいることを
目指してきたからこそ、
ひとのあたたかさにふれた。
練習にいけなくて申し訳ない日、
”おしえられるようにがんばるね”
ってあるキャストのことばに救われた。
なかなか顔も出せてなくて、
行けたとしても、一度も集合時間に行けなかった。
そんななか、”エミー!”
って迎えてくれるキャストのみんながいたから、
ここにいていいんだって、すこし安心できた。
それで思うようにみんなとも
仲も深められていなかったし、
わるく思われてるかと大きな不安のなか、
”らぶ!”
隔たりなく接してくれる
キャストの姿勢に救われた。
場の雰囲氣から、
余計なことだったかもしれないけれど、
自分がここにいてはいけないような氣がしてた。
孤独を感じてた。
ダンスも歌もできないから。
覚えられていないから。
だから、練習に行くのも
精神的に億劫になってたんだと思う。
そんな過程を通しての、この場。
そんなことがあったからこそ、
この場が美しく感じられたんだろう。
横を向けば、キャストたちが涙していた。
みんな、精一杯の努力をしてきたんだろう。
それぞれがそれぞれ、
向き合ってきたものがあり、乗り越えてきたものがある。
だからこその涙であり、努力の結晶として
この場が創られた。
そんな仲間たちの心を想うと、
ふたたび、あとから涙があふれた。
客席には、お母さん、お父さんが、
こどもたちの輝く姿をみて涙している。
ハンカチで拭う姿がみえた。
わたし自身、家族関係がよくなくて、
けんかの耐えない日々を送っていたからこそ、
そんな親子のストーリーには弱い。
親が子を想う心、美しかった。
美しい瞬間があふれていた。
美しかった。とてつもなく。
涙が、あふれてあふれて。
想定外だった。
こんなはずじゃなかった。
1日目の午前中、この1.5日前なんて、
この場に来るか迷っていたぐらいだったのに。
見事にやられてしまった。
これが、Otonohaのすざましい威力。
感動していたんだろう。
美しい涙が、あとからあとから目からあふれた。
心も満たされていた。幸せだった。
あんなに、強いもやもやだったのに。
苦しかったのに。
すべてがほどけてしまったよう。
どうでもよくなった。
すごい、これはすごい。
ほんとうに、いろいろあったけれど、
全員がこの場に集まれて、この場を創れた。
エネルギーが集まって生まれた場。
心から感謝と喜びに、つつまれた。
普段、だれがどんなことをしてるとか、
そんなことはあまりわからないまま、
半年が一瞬で過ぎ去ったけれど。
23人でこの場を創れて、
みんなに出逢えてほんとうによかった。
改めて、ほんとうにありがとう。
出逢ってくれて、ありがとう。
”このステージを通して届けたい人はエミ”
って言ってくれたキャストがいて。
カメラを構えるわたしに、特になにも説明なく
”貸して”
とだけ声をかけられ、
カメラを向けた先はわたしだった。
驚きだったけれど、嬉しかった。
そうやってわたしを想ってくれたこと、
いまのこのわたしをのこしてくれたこと、
ぜんぶ、嬉しかった。
”消さないでね”
もちろん、消すつもりもこれっぽっちもなかった。
でも、それだけ大切だと想いをこめて撮ってくれたことを感じて、とても嬉しかった。
多くは語らなくとも、内にあたたかさがある。
なんて、あたたかい心の持ち主なんだろう。
だいすきで大切なひと。
そんなひとの想いが生まれた場所。
数年ぶりに3人集まったんだとか。
そんな瞬間に携われて、
この瞬間を撮らせてもらえて、幸せ。
やっぱり、写真が好き。
心を写す、写心が好き。
ひととひととの間に生まれるものに美しさを感じる。
そんな美しさが大好き。
この瞬間を切り撮れることが、どれほど幸せか。
この場で、感じさせてもらえた。
ありがとう。
自分が決めたことだけど、
直前の2ヶ月、病院で理学療法士のおしごと以外にOtonoha含め4つ継続的に挑戦してて。
キャパオーバーの域は優に越えてた。
心は折れて体調も優れなくて、練習も十分に行けなくて。
わたしの「生きづらさ」の部分とまた向き合って、納得いくほど努力もできなくて、何度も諦めそうになった。
正直、ほんの前日まで迷いこんでしまうくらい
強く、強く、モヤモヤしてた。
結局、ここでは自分の望む姿は叶えられなかった。
Otonohaに対しても、だいすきなひとに対しても、きらいになりそうで、このまま離れてゆくのか、不安だった。
もし、そうなったら仕方ないと諦めてた。
寂しいけれど、ごめんねを想いのこして、去ろうとおもっていた。
でも、それで終われなかった。
終わらせてくれないのが、Otonohaだった。
むしろ、もっと関わりたいと想えた。
こんなにも涙が生まれる美しい場。
大人キャストも、こどもキャストも、親御さんたち、運営、、
みんなの想いが重なって、歩んできた道があったからこそ生まれたであろう涙の数々。
可能性を感じた。
涙は人生を変える力を持っているはず。
ほんとうに、心からよかった、よかった。
ありがとう。ありがとう。
みんなのおかげでここまで来れた。
こうしてわたしの存在価値をいっぱい感じてくれて、在りたい姿で在らせてくれる、愛あふれるみんなと最後まで時間を共に創れて、ほんとうに心から幸せだった。ありがとう。
たくさん感じて、心が忙しなかった。
そんな数日が、とっても幸せでした。
Special Thanks💐
Big Love🫂❤️
心から、ありがとう。
愛をこめて。
Emi
Otonohaこどもミュージカル Vol.3 ③
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