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半月板損傷=ハムストストレッチ?

この記事は↓↓↓の過去Tweetをまとめたものになります。

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半月板損傷に対する治療といえば、

ハムストリングスのストレッチ

が代表的ではないでしょうか。

僕は学生時代にそう教わりましたし、新人時代にもそう教わりました。

実際に膝関節に生じている痛みや可動域制限に対して効果的だった経験もあります。

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では、なぜハムストリングスのストレッチが挙げられるのでしょうか。

本当にハムストリングスのストレッチでいいのでしょうか。

この記事ではその辺りを考えていきます。


膝関節と半月板

膝関節において半月板は欠かせない存在です。

欠かせない理由は膝関節の構造にもあります。

膝関節は構造的には

顆状関節

に分類されます。

顆状関節は関節窩が浅く、安定性が周辺の軟部組織に依存している関節です。

膝関節では

靭帯

半月板

がその役割を担っています。

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そして、大腿骨関節面は内外側とも凸であるのに対し、脛骨関節面は内側が凹、外側が凸となっています。

この脛骨関節面での内外側の差により外側の方が不安定な(可動性が大きい)関節となっています。

また、大腿骨顆部の弯曲の曲率半径は外側の方が小さくなっています。

このことから大腿骨顆部の動きが外側で大きくなり、屈伸時の回旋が生じます。

曲率半径についてはこちらの記事でご確認ください。


半月板の機能の一つに

関節の適合性を高める

というものがあります。

前述したように大腿骨関節窩と脛骨関節面の外側はどちらも凸となっています。

半月板が存在することで脛骨関節面の外側が凹となり、

関節面の外側での不安定性が軽減

し、膝関節では

凹の法則

に従って関節運動が生じるということになります。

ということは半月板に問題が生じると膝関節の機能障害が起きやすくなることは容易に想像できます。

半月板は辺縁1/3までは血流が豊富ですが、中心部では血流が乏しいことから手術では縫合術よりも切除術が選択されることが多いです。

切除術では術後の入院期間も短く、機能回復にも時間を要しませんが、

関節の適合性を高める

という機能に加え、

衝撃を吸収する

という機能も損なわれてしまうことから将来的に変形などの問題が生じやすくなると考えられます。

臨床でも膝OAの診断を受けた方で

若い頃に半月板の手術をしている

という方に出会うことは多い印象があります。

手術をして症状が改善するのはごく当たり前のことです。

術後のリハビリに関わる時には目先の機能のみに捉われずに将来的に生じうる問題にも目を向けつつアプローチしていきたいところです。

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半月板の可動性

半月板は膝関節の運動に伴って動きます。

関節面の外側の動きが大きいことから外側半月板は内側半月板と比べて可動性を有している必要があります。

半月板は関節包と付着していますが、

内側半月板は前方~後方まで

外側半月板は前方~中央付近まで

付着しています。

このことも外側半月板が可動性を有するために必要な構造だと考えられます。


半月板は屈伸時に

大腿骨の動きを追従するように

移動します。

OKCの場合、

屈曲時には脛骨が内旋することから

内側半月板は前方

外側半月板は後方

に移動します。

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伸展時には脛骨が外旋することから

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