買付けはつらいよ
なんか引用リポストが結構反応いただいて申し訳ないのですが、僕も1990年代の中頃には働いていた渋谷のレコード店ZESTの社長に連れられしょっちゅう買付けに行っていて、'96年とかは計算したら1年の1/3くらい海外にいた計算になっていました。
ちょうどその頃、レーベルやオーガナイズしていたDJイベントも少しだけ売れ始めたり人も入り始めた時だったので「これはもうヤバイ」と店を'97年くらいに辞めさせてもらった記憶があります。
買付けはつらいよ、と書きましたが僕は全然つらくなかったです。
なぜならばホント日本の中古盤屋さんのバイヤー(今だとセラー?)さん達は凄すぎて、僕なんて素人そのものだったからです。
Xにも書きましたが、極寒の地で鼻水凍らせながらロシア盤買ったとか、田舎でピストル突きつけられながらブラジル盤買ったといった武勇伝的な話以上に彼らの知識が凄かった。
インターネットもまともにない時代、それどこで教えてくれるの?って感じ。
同業者として尊敬しまくり僕なんて全然無理って感じでした。
ZESTは新譜屋だったので入荷していたもので廃盤になった人気盤を買い付けるパターンが基本だったし、他のレコード店さんとはちょっと違ったスタイルだったかもしれません。
店のメインがUKとヨーロッパのアーティストやバンドだったのもあるし、その当時は社長も僕も免許を持っていなかったのでアメリカは端から諦めてたので、買付けはいつもイギリスのロンドンのフラットを拠点に日帰りでブリストルやブライトン、UKで最大級のレコード・フェアがあったバーミンガムには一泊してみたいな感じでした。
当時レコード・フェアの情報はフェア自体が出す年間のスケジュールかNMEとか(あとなんだっけなー向こうに行ったら絶対買う週刊誌)に載ってる広告とかでしか知ることは出来なかったので、結構行き当たりばったりで決めてた時もありました。
ある時、イギリスに買付けに行った時にパリで大きなレコード・フェアがやっていると知り当時フレンチポップが渋谷系絡みで人気だったし行ってみたのが最初のヨーロッパ買付けでした。
ちょうどオウムによる地下鉄サリン事件があった頃でそこらじゅうのKIOSKに麻原彰晃が表紙の雑誌が並んでいた記憶があるのであれは1995年でしょう。
で、行ってみたらレコードがめちゃ高くてびっくり。
当時のイギリスだと10ポンド以上だともう高いって感じだったのが、例えばフランス・ギャルの7インチが最低一枚3,000円とか5,000円。
日本でその値段ならお買い得かもだけれども、こんなの買っても一体いくらで売るんだよとなったのだけれど、来ちゃったからもう買うしかないと買い始めたら社長も勢いついて2万円のブリジット・バルドーのレコードとか買っていて2人とも完全にバグっちゃったんですが、これが日本に持って帰ったら売れました。
結局、普段の掛け率じゃ無理だからヘタしたら倍くらいで売ったりしてたけど、単純に高いのがバンバン売れるのでコレはコレでいけるということで次回も行くぞとなり、結構パリにも何回か行きました。
今回はめちゃくちゃ適当な昔話で終わりそうですけどいいですか?
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サポート!とんでもない人だな!