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JESUS AND MARY CHAINが教えてくれた理由なき反抗


これで喰っていくことは出来ないかもしれないけれどロックスターになれるポテンシャルは持っている。なのに前作に引き続きのこの音。それがパワー。凄い。その姿勢を貫けるその理由を女子ふたりのルックスが示してる。



JAMCは彼らの2ndアルバム「Darklands」を再演するツアーを始めたらしくCRASHにJim Reidのインタビューが載っていた。「Darklands」は1st「Psychocandy」で衝撃を与えたフィードバックノイズを早くも封印していていたけれどその理由も語ってる。そしてそれは恐らく当時の誰もが思っていた理由だったけど、確かにあの時代は同じことをやることは許されなかった。フィードバックノイズが排除された「Darklands」に物足りなさを感じつつもその時期にリリースされたシングルのBサイドの曲を聴いて全てを納得し「Darklands」を愛したファンも多かったと思う。といった事もこのインタビューを読むとやはりその通り。インターネットがない時代はわかりやすくも一歩間違えると一瞬で終わる時代であり、しかしその一歩をアーティストもバンドもそして僕らも踏み出さなければならなかった。後のMy Bloody Valentineの「Loveless」を僕らが愛せなかったのは理由はそれが原因で、もちろん作品自体は誰もが認める名盤だけれども、あの当時「Loveless」に心動かされた人間は上記のトップ・オブ・ザ・ポップスの会場で踊っているような者たちか普段はU2やエルビス・コステロの素晴らしさを説いている類の人たちだったと思う。もちろん彼らが僕らより間違えてるとは思わないし、そして民主主義に於いては彼らが正義に違いないけれど、ただ1991年の東京渋谷にいた僕らが「Loveless」に心動かされることはなかったのは事実であった。


僕らと書いているのは僕だけじゃなく本当に僕らだったからで、しかし今ではその僕らみんなが「Loveless」を愛聴してると思う(笑)。め、めちゃいい...あの頃は間違いも正解でそれがカッコよかった。トップ・オブ・ザ・ポップスの彼らの態度はインタビューによると英国でも批判されるものだったらしいけれど僕らはそんな猛烈に痺れた。もちろんこれらの映像を当時観ることなんて出来なかったけれど、彼らやPrimal ScreamのBobby Gillespieが醸す姿勢や態度は僕らには十分に伝わっていて、そしてFlippers Guitarのふたりはただそれを80年代末の東京で表現した唯一の日本人だった。ただそれだけの話なのに現代の日本社会ではあの時代の彼らの態度や姿勢は過去だとしても許されないものだというのは面白い。Jim Readのインタビューを読む限り英国でも似たような感じなのかも。盗んでバイクで走り出す尾崎は褒められるのに、行く先も解らないまま暗い夜で煙草をふかしてるんだぞ。どー考えても悪い奴の方を許すのはカルチャー界においても同じかもしれない。



JAMCが良かったのはその後1998年の"Sidewalking"。大胆にダンスビートを導入しマッドチャスター・ムーブメント前夜の時代にしっかりと対応し僕らを誘った。あの一歩は本当に勇気がないと出ない一歩だったと思う。あまりこの辺は評価されないけれど当時の僕らは彼らを嫌いにならなくて済んで良かったと歓喜した一曲だった。

私の嫌いな音楽の昔話になってしまったけれど、冒頭のEmpathを聴いたり見たりするともはやあの頃のJAMCのような一歩とはまた違う一歩を選ぶべき時代になっていることがわかる。インターネットは凄いなあ。人生を2回生きたレベル。iPhoneとともに。


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