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エッセイ498. 今時のテレビ

私は昔はすごいテレビ・ヴューアーでした。

・・と書いてみて改めて、テレビを視聴する、テレビが好き、というふうに書くことが、今はなんだか古めかしいのに気づきました。

なぜに?

🤔
🤔
🤔

わかりました。
今や、テレビを持たない人も多いですね、これが一つか。
若い方を中心に、スマホかPCかタブレットでドラマその他を視聴をする。

そしてかつてのように、

・一生懸命に、「見たいテレビ」に間に合うように学校や会社から急いで帰宅
とか、
・野球や相撲のシーズンでは、お父さんと家族との間に
「テレビのチャンネル争い」が勃発する

(そもそも、チャンネルを「回す」とか、
🎵ダイヤル「回して」、手を止め、たはぁ〜🎵 
のように回すものが、激減している・・ラジオのダイヤルを回すとか・・)

・・・とか、
新聞のテレビ欄の、「見たいテレビ番組を赤ペンで囲む」
とか、
せっかく録ったビデオに、弟が他の番組を録画してしまって、
姉弟でつかみ合いの大喧嘩をする・・・

などということが、どんどん過去のものになっているのです。
というか、もう絶滅危惧行動だと思います。
確かめたわけではないが、そうだと言ったらそうなのです。

「テレビばっかり見ててお前は〜」とか、一括りにするのは もはや、雑。

映像を見るのは、お金を払うオン・デマンド、あるいは無料のTverという人が多くなり、うちのテレビは古すぎてできないのですが、ある一定期間だったら、頼まなくてもテレビそのものが、どんどん録画? でいいのかな? 録っておいて、くれるそうですね?
好きな人なんかを入れておくと、勝手に録ってくれるのもあるらしい。

また、私はTikTokをよく見ている、Youtubeをみている、というように,
年代や趣味嗜好により、棲み分けが可能になりました。

私たちはこんな過渡期にいる・・・それをmつぶさに経験できて幸せです。

私はかつて、「 NHKから国民を守る党(旧名称)」にそそのかされて、また、テレビというものを30年ぐらい全く観なかったこともあり、一瞬 NHK受信料不払い運動に参加しそうになったことがあります。

でも、ある酷暑の日のこと、一軒一軒ピンポンして訪問される 高齢の受信料徴収係員の方が我が家をも訪れました。

「今お金がないんですぅ」と(嘘を)言ったら、

「大丈夫でございます!
この機械で、この場で、クレジット払いの契約を結んでいただけます!」

と言われ、気圧され、不払い運動に乗りそうになったのと同じぐらいの軽薄さとスピードで、クレカでNHK受信料を払うことになりました。
あれは確か2018年ぐらいでした。

でも、観ていないNHKにお金払うの嫌だぁ・・と思っていたのも忘れ、
今では、NHKは朝ドラを2回観て、夜ドラを2〜3回観て(同じものをです)、
大河ドラマも2回観て、毎日頬を涙で濡らす日々を送っています。

最近のNHKドラマって(きっと前からそうだったのでしょうけれど)、
すごく良いんですよ。

私も早く、宝くじを当てて(宝くじ買ってないけど)、某国の先代の将軍様みたいに、自宅に映写室を所有し、一日10時間ぐらい、ドラマの沼に沈んでいたいです。

初めの方の私の、「30年ぐらいテレビを観なかった」というのを読み、
嘘つくんじゃない
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、本当です。

私の夫は大の映画好き。
昔は一回TSUTAYAに行くと、5本借りていました。
5本借りると激安ということもありましたので、3本は本当に見たいもの、2本は、「5本一度借り」にするために、適当に選びました。子供が大きくなり、一人1本借りるようになると、あと1本は、その日偉い人が好きなものを借りていいことになっていました。
そのときはもちろんテレビが1台。
オンデマンドはありません。
TSUTAYAに延滞料金を払うのが嫌さに、毎晩一生懸命見ましたが、5本いっぺんに返し忘れ、ということもたびたびあり、延滞料金の方がレンタル料金よりはるかに高くなり、返しに行くのが目的か、借りに行くのが目的か、定かでない時代も続きました。

当時は平日の夜も、土日も長時間、夫が映画を見ています。
会社では全て日本語で仕事をしていて、「ときどき、よくわからない」という語学の不利もあって、どっぷりと英語に浸れる読書と洋画(彼にしたら洋画ではないのか)は、彼のメンタルヘルスに有効でした。これは譲らないといかんと私も考えていて、つきあって見ているうちに、まったく日本のテレビは見なくなったのです。
結婚前は大河ドラマコメンテーター、朝ドラビューワーとして(ひとりぼっちで)ブイブイ言わせていたのですが。

そこへ、面白い番組を勧めてくれる人が現れ、お勧めに従っていろいろ見るようになったら、もう大変。
気がつけば、無料の NHKプラスにTverはしょっちゅう見ている。
さらには、Amazonプライム会員であるために、アマプラビデオが見られます。ディズニー+は次女が入っているので、お裾分けしてもらいます。
Huluはさすがにやめたけれど、Netflixは見ています。
さらに、「これだけ見たら解約ね!」と約束して入会したのに、いろいろ面白いのがあって、続けてしまっているU-nextがあります。
あと、夫が払っているので良いのですが、東西のふる〜い映画が見られるアメリカのオンデマンド、クライテリアンチャンネルというのも見ています。
普通に考えて見過ぎでしょう。

私はもともと、せめて晩御飯のときぐらい何も見ずに話しながら食べましょう、という望みがありましたが、娘らがいなくなって、それをいよいよ実行に移すときがやってきました。

そのために、
テレビはカウチのところに座っている時だけ見る!
と宣言し、食事はダイニングテーブルか、拡張した奥行き50cmもあるキッチンカウンターで食べることになりました。

ところがですよ。
そのキッチンカウンターに食事の用意ができると、やたらに長いケーブルのついた充電アダプタをiPadに繋ぎ直して二人の間に置き、

さ! 
何を観る?!

と言っているのは、私です。

本当にこの辺だけは、改善したいと思っています。

写真は、早世の消しゴム版画作家・テレビ番組評論家のナンシー関さんの「テレビ消灯時間」です。私は1巻しか読んでいないので、残りも読んでみるつもりです。
このエッセイの何が良いと言って、皆さんが今、「おじさんおばさん・おじいさんおばあさん」俳優として知っている人たちの、若い頃の活躍ぶりや、批判されぶりが、すごく面白いのです。

ナンシー画伯が今も存命なら、すごいレビューをいっぱい書いてくれていたろうと想像します。

良かったら覗いてみてください。




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