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エッセイ354.フェアリー・ゴッドマザーになっていた件

シンデレラが、私だってお城の舞踏会に行きたい・・・と意気消沈して泣いているところへ現れて、

おやおや、何を泣いているの。
舞踏会へ行きたいのね?
でもそのなりじゃあねえ・・
ちょっと待ってね?

とか言ってきて、ちちんぷいぷい、あ、これは痛いの痛いの飛んでけ、のほうでしたね、じゃなくて、ビビディバビデブー(これ、ディズーのほう)
と、髪もアップにして、灰まみれの体も綺麗にして、ドレスもガラスの靴も出してくれて、かぼちゃは・・あ、もういいですか? 
そういう親切な人が出てきますよね。
あれを、フェアリー・ゴッドマザーというそうです。
でも日本語ではたいてい、「魔法使い」になっていますね。

フェアリーは、妖精である。


で、ゴッドマザーは「名付け親」。
子供が産まれると、両親の親友とか、近い関係の人に、名前をつけてもらい、将来的にも何かと支えてもらう人のことだそうです。
(今は名前をつけたり、実際に助けたりはあまりしないと、
生徒がおしえてくれました)

妖精の・・・名付け親?

でも大体、御伽話の挿絵やアニメでは、おばあさんです。
なので、「魔法使い」と訳されているようです。

人ならぬフェアリー、妖精であって、名付け親のように、助けてくれるのがフェアリー・ゴッドマザーなのでしょうが、特に理由なく、困っている人に対して、親切だというイメージを抱いていました。

で、私も若い頃から、ずっと年上の生徒とかに、家に泊めてもらったり、遊びに行ってお世話してもらったりというのがありまして、年取った人は親切だなーとずっと思ってきました。
今でも何人かはご存命で、今朝もその一人、Fさん91才とオンラインでおしゃべりしたばかりです。初めて会ってから30年、貫禄が増して、さらにフェアリー・ゴッドマザー風になっておられます。
感無量。

なとど遠い目をしていたらですね、時移り、
気がつけば、私もすっかり、フェアリー・ゴッドマザー風になっていました。
ショックだわぁ・・。
現役を大きく退いた感じです。

娘ら大学生ぐらいまでは、私も もうちょっとギラギラしていました。
娘らの友達が泊まりにきたりすると、なんとなく、仲間に入れてもらったような錯覚を持って、呼ばれればゲームなどに入れてもらったりもしました。
そして、とても下手。なんとかの冷や水でした。
お母さんもちょっと入れてやるか、っていう若者の親切だったのだろうと、今では思います。

その私が年古りて、ゴッドマザーっぽくなったわけです。

例えば、私の生徒たちが、コロナも規制緩和ということで来日を始めています。日本に住んでいる人も、仕事で行ったり来たりの人もいます。
先生会いましょう、と言ってくれてありがたいのですが、ふと思ったのです。
一回も会わないで何年もレッスンを受けてくれていたので、日本に来たら声をかけてくれたけど、遊ぶのはやっぱり同世代がいいよねと。

で、LINEグループを一つ作りまして、声をかけたら集まりました。
同世代で一人暮らしをしているうちの次女も誘い、その友達で一時帰国している子にも声をかけ、地方在住の若者も含めて、今は総勢6人です。

今日は盛んにやりとりをして、原宿で遊んでいるみたいです。
アップされている写真を見ていると、楽しそう。
遅く合流する子がいたり、
「夏休みは東京に行くから、遊ぼう!」
「待ってるよ!」
なんて、すぐ仲良くなっていて。

私たちがいろいろ身辺整理をしたり、締めに入っていくのに対し、
若者は鯨のように、が〜っとお腹いっぱい海水を取り入れ、
取捨選択して、自分の栄養にしていく時期なんですもんね。

そしてそうなんですね、フェアリー・ゴッドマザーって、
ただ単に、頑張ってる大変な若者を助けたくなっちゃう性格だったんですね。
私もその末席に加わったみたいです。

子供は好きではないと思っていたけれど、子供や若者がどんどん好きになってきたこの20年余り。
孫なんかできた日には、私なんぞは日向のバターです。





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