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日本語教師日記35.擬声語・擬態語(1)

日本語の擬声語・擬態語はとても面白いですね。
世界の他の言葉に比べて、数が多く豊かだと言われています。
でも、日本語学習者を悩ませるのは間違いないです。

「どんどん」は、私はかなり初期に教えてしまいます。
会食などで、
「どんどん飲んでよ」
「さ、どんどん食べて!」
など、聞く機会が多いと思うからです。

太鼓の音の「ドンドン」は擬音ですが、
副詞としての「どんどん」はひらがなで書くことが多く、
そのこころは、滞ることなく、継続的に行う、
しかも、ためらわず、でしょうね。

「どんどん食べなさい」を、「たくさん食べなさい」、
量的なことであると最初は思う人がいますので、他の例文もつけます。

先生⇨生徒へ
「そこで止まらないで、どんどん入りなさい」
など。

dondonという音に過ぎないこの言葉が、まだ100%理解できないうちは、
面白い例文が飛び出します。

「昨日どんどん宿題をしたので、疲れました」

かすっていますが、ちょっと違います。

試験に出ることは少なく、教科書にも例文の中であっさり触れられていることの多い擬音語・擬態語。
質問が出れば、楽しく解説することができるので、
好きなものの一つです。


結婚してすぐ、こんなことがありました。

台所で料理をしていた夫が急に、

あいったたたたった〜!

と言いますので、(当時は新妻の私は)とんでいって、

どっどうしたの?  手でも切った?

と訊きました。

「手を切っていませんよ。油が熱かったです」

ーーーそれ、「あいったたたった〜」じゃないよ?

「じゃ、なんですか?」

教師根性が出て、

「さあなんでしょう。言ってごらんなさい」

と言うと。

ええ〜? あいたたじゃないの?
痛いんですけど。だめですか。
う〜ん・・
あ、わかった、間違えてました。
あっちゃぁ〜! ですよね?

ーーー惜しいが違います。はいもう一ついってみようか。

うーん・・
あいっちょちょちょ? だっけ?

ーーーあいっちょちょちょは、言わないなぁ。

頑張っていくつか出して来ましたが、その都度珍妙で、大笑いしました。

ーーーあいた! は、「あ、痛い」からだと思うんだけど、
あなたは今、痛いよりも、熱かった、と言いたいのでは?

「はい、そうですね」

ーーーじゃあ、次は、あっちっち! とか、あち! とか、
最低でも あつっ! あたりがいいと思います。

「・・・・なにそれ。
痛い瞬間に、切って痛いのかとか、熱くて痛いのかとか、
とっさに考えてから言ったりできませんよ」

ーーーそうだよね〜。いや、面白いから訊いただけ。
ドントワリ〜。

「なにそれ」😐


・・・・なんていうことがありました。

ちなみに義母が熱いお鍋に触ってしまったときは、

シュシュシュシュ!

と言いますし、義父はテレビを見ているときに他の人が喋ると、

ショシ!

と言っていました。

ショシ!

は、夫もよく言います。
字幕付きのNetflixのドラマを見ていると、
私は字幕を読みながら反応していろいろ喋るのですが、
夫はもちろん、現在進行形で聴きながら見ていますから、うるさいわけです。

それでしょちゅう、

ショシ!
ショーッシ!

と言われていますが、外国語で言われても実感を伴って聞こえて来ませんので、
私はやっぱりしゃべります。
黙るのは、業をにやした夫がついに日本語で、

tamadoca, う〜るさい!

と言ってからです。

オノマトペについては、また書いてみたいと思います。
読んでいただいてありがとうございました。





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