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エッセイ298.飛びつかない生活がしたい(2)立ち机生活

私がすぐ飛びつく生活をして、あまり気に入らないものを永遠に使っていたり、引っ越しの際には苦労していた陰には、「飛びつかない男」がいます。

この人、じっくり考えて、調べに調べます。私などは、Amazonnを開いて、値段を比べるぐらいで即断してしまいますが、そこがえらい違いです。夫の熟慮を尊重した場合は、普通家庭にあるもの、食器棚などが、1年ぐらい「ない」、ということもありました。

今日は、飛びつかなかったから健康にいい生活ができているというお話です。

コロナの時代が始まって、1年半以上は、夫が100%毎日在宅ワークでした。お弁当を作らないので、結構朝寝ができました。また、高いところのものを取ってもらう、自転車のタイヤに空気を入れてもらうなど、便利に使・・じゃなくて、親切にしてもらえるため、夫婦の間の愛情がぐぐっと、1割増しになりました。(推定)。

そのころ私が膝が痛くて、畳や椅子、ソファのどれに座っても横座りをしてしまい、よくないということに気がつきました。いろいろ調べてみると、まるまる1日ではないが、休み休み「スタンディング・デスク」で立って仕事をすると、とても体にいいという情報が入ってきました。

私はもう少しで買いそうになっていたのですが、夫は世界中のショップを調べ、立ちっぱなしで疲れた時に、ちょこっと腰掛ける、棒の上にクッションがついたような椅子から探し始めました。

また、「このスタンディング・デスクでなければ要らない」という、素敵な電動スタンディング・デスクを見つけたそうなのですが、

いくら?
と訊くと、よく出てくる答え、

You don't want to know.

が出ました。直訳すると「貴殿は知りたくないである」ですが、要するに、知らない方がいいYOという意味らしいです。

じゃあ、頑張ってお金貯めて、買えるといいねいつか。

と言っているうちに徐々に会社に行く日が増え、今では毎日出勤しているので、立って仕事をするという案は立ち消えになりました。

私もすっかり忘れていたのですが、今の小さなアパートに、小さなリビングに向かってカウンターというものがあります。流しでお茶碗をあらっていると、そのカウンターのある空間からテレビが見られるのです。
で、この上にごちゃごちゃ物を置くのをやめてみて、リビングの方に出て行ってカウンターの前に立つと、それがちょうど、背の低い私の胸の辺りになります。

もしかして、ここに2脚の、バーのスツールのようなものを置くと、朝ごはんぐらいはここで食べたり、食器を洗っている人と向き合って話すとか、バーみたいに並んで座って、ワインを飲むというような、シャレトンシャーな生活ができるのではないだろうか。

そう思った私が提案して、夫と二人でネットショップで探し始めましたが、適当なところで手を打とうとする私と、吟味しすぎてなかなか決められない夫の組み合わせにより、2脚のスツールはなかなか家まで辿り着けません。

そのうちに私が、仕事部屋でするほどではないが、ちょっとしたい、というような仕事や、家計簿をつけるとか、宅配便の伝票を書くようなことを、このキッチンから飛び出した板の上でやるようになりました。

それをしてみると、カウンターの前に何もないほうが、良いような気がしてきたのです。二脚あれば、使っていない方へ私のバッグを置き、脱いだジャケットを置き、そこに座ろうとする人が、それをソファに移し、ということはありそうです。また、「足置き」の必要な高さになりますので、私のほうは
あ、どっこいしょ
と言いながら座ることになるのは目に見えています。
そこまでして座りたいのだろうか。

今、リビングは、本棚と、ソファと座卓とテレビ台まではいいとしても、台所に入らない食器棚と結構大きい冷凍庫までもが置いてあります。ちょっと立って仕事してみたい、ぐらいの思いつきで、スツール2点を入れてしまったら、きっとごちゃついたことでしょう。

危ない危ない。

飛びつかない生活をしたいと思っているのに、すぐこれでした。

この先も気を引き締め、思いつきで飛んでかないように気をつけようと思います。

・・・以上も、台所から突き出している板に向かい、仁王立ちになったまま書き終わりました。側弯気味です、と レントゲンを撮るたびに言われる私の背骨や、ポンコツな背筋、きちんと立って、良い方向に行きたいと思います。

こんなカウンターです。


ところで、箱・板愛好家の私は、戸棚類を捨てるときも、扉や棚板を保管してキャスターをつけたり、別の棚を作るのですが、このカウンター下に立て掛けてある板は、丸いテーブルで仕事をしていたら、肘が「すこっ」とすべってがっくりくるのが嫌で、ホームセンターで買ったものです。何に使えばいいでしょうね。

続きそうです。

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