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エッセイその58. 小さなタイムカプセル(3)

お昼ご飯を出そうと階下に降りて行きましたら、夫が得意顔をしています。
掃除をしていたら、iPodが出てきて、ステレオにくっつけると、いまだにちゃんと音楽が聴けるのだそうです。

15年前ぐらいに入れ込んでいった音楽だそうで、写真も見られます。
娘たちが小学生ぐらいのものや、遠くなってしまった昔の生徒などの姿を見ることができます。

SADE、ジェシー・ジェイ、ビヨンセ、坂本みゆき。
2007〜2009年ぐらいの音楽だそうです。
その頃までに聞いていたCDを全部入れ込んだとか。
それまで、CD200枚ぐらいを入れられる機械にCDを入れて、
聴こうとすると、なんか透き通った本体の中のCDがぐるぐる回り、
昔人間の私は、「・・・・ジューク・・ボックス・・・?」と言って、
家族に引かれたのを思い出しました。

そういえば今また、レコードやカセットテープが人気を盛り返し、
レディ・ガガが新譜をカセットで出すそうですね。
その昔の男子が気取って、「君の好きそうな曲だよ」と、
編集してくれて、迷惑がられていたあれ。
カセットテレコ、と言っても、もはや誰にも通じなかったのに。


あとレコードね。
実家の私のレコードは、ビートルズならほぼ日本発売のものは全て。
あと、ケイト・ブッシュとか、まあ年齢のバレるものがいっぱいですが、
かけてみると、プツプツ雑音が入ってしまって、聴けるものではないです。
しかし、DVDやレーザーディスクでしか持っていないものを、
ネット上で簡単に観て、聴ける。
いい時代になったものですのう〜・・・・ゴホッゴホッ・・・👵

さて、買うこともなくなり、しまいこんで、
とんと聴かなくなったCDの音楽が、今ステレオから流れていると、
ココロはすぐに、昔に飛んでいってしまいます。

今日は私も、タイムカプセルが開いたので、夫に見せるものがありました。

iPodを掘り出した昨日の夫の大掃除ですが、そのあと、床にメモが一枚。

何気なく手にとってのけぞりました。



4月28日との日付がありますが、1995年に書かれたものです。

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このメモの左肩の穴は、分厚いメモの、鉛筆を挿すようになっているもの。
5センチ高のメモのサイドは赤く彩色してあり、夫のイギリス土産です。

1995年1月15日、我々夫婦は結婚式を終えて日本に帰りました。
その翌日、16日には夫がイギリスに就活に行き、
翌17日に阪神淡路島大震災が起きました。
NZの親戚が心配して、たくさん電話をよこしました。
夫のいたイギリスもニュージーランドもテレビ報道が錯綜し、
どこがいつ、どうなっているのもわからず、
夫はもうおしまいだなと思ったそうです。

その年の3月には、夫の会社が倒産しそうになり、
YAのつく自由業の方が社屋に出入りするようになったということで、
夫は会社を辞めました。
そのとき、誘ってくれた会社が2、3あったのですが、
夫が、

子供が小さいときは(まだできてないんですけれども)
できるだけ育児をしたいが、日本企業では難しそうなので、
ハウスハズバンドをやりたいのですが、いいですか?

と訊いてきました。

私も今よりたくさん仕事をしていましたし、
なんか妊娠中から楽! ができそうに踏んで、賛成しました。

夫の主夫時代は長女が1歳半になるまで続いたのですが、
その間に、伝統的な日本的な役割分担の始まる余地はなく、
また、長女も次女も父親が大好きな子供になりましたので、よかったです。


しかし、♪ふ〜たり〜でひ〜と〜つ💓♪ は、いいことですが、
収入の面では二人で一人分は少し、よくないことになりました。

そこで、夫と相談をし、経験を活用して、地元で英語を教えては、
ということになりました。

くだんのメモは、地元千歳烏山駅前の、今は三菱UFJ銀行になってしまった、
三和銀行に、誰にでも使える掲示板がありましたので、
生徒募集の張り紙を出させてもらうお願いに行ったときのもの。
夫が一人で行きますと言うので、一応私が、書いて渡したものです。
夫はずっと日本企業で働いていましたので、必要なかったのですが。

それを見て、平日の昼間に英語を習いにきてくれたFさんとは、
今は年賀状のおつきあいになりましたが、
コロナが終息して東京に行くことになりましたら、ぜひお会いしたいです。

Fさんが「今の携帯は、写真が撮れるんですよ」と言って、
私たち親子3人の写真を撮ってくれまして、びっくり仰天したこと。
アンテナを引き出すもので、紺色の携帯でした。
Fさんは、Moon Bearという絵本と、絵と同じテディベアを長女に下さって、
読み聞かせをしていると、娘が回らない舌で最後の1行を、

Moon Bear loves the moon......
A~~~~~ll the time!

 と、抑揚も「溜めっぷり」も父親そっくりに言い、
3人で拍手〜!
というのが毎回であったのを、懐かしく今、思い出したところです。

私的な長いつぶやきを読んでいただいて、ありがとうございました。


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