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エッセイ390.らんまにすとな人びと(3)

今まで私たちの槍玉に上がった登場人物はたくさんいらっしゃいます。
その一人は、薩摩藩出身の政府高官、高藤さんです。

あ、話を進める前に。
今更すみませんが、私はこれを書くにあたり、ドラマを見直したり、Mさんとの会話を、メッセージアプリ開いてコロコロとスクロールしながら探して再現してはおりません。
思い出せる限り、セリフも入れていますが、方言の部分はもちろん、
全てが結構怪しいので、お詫びしておきますね。

あと、Mさんがここで「口数が少ない」のは、
実は対面で話している時は私が喋りまくることが多いから。
それはあります。
でも、字になると、Mさんも全然私に負けてはいません。
ただ、自分の書いたこと・言ったことはだいたい思い出せるけれど、
人のそれは、間違って書いてはいけないと思うため、抑制されてしまいます。
それで、私がいっぱい発言しているようになっています。

さて、高藤さんです。

私:高藤さんの薩摩弁、高低激しすぎるよね。

M:そうね。最初大阪弁かと思ったけど、違ってた。

私:それはいいんだけど、
『寿恵子さん、あなたを早く横浜にお連れしたい』
って言ったけど、考えてみたら、一回も正式に申し込んでないよね?
自分は既婚者だがあなたを妾にして世話をさせてほしいとは。

M:え〜、申し込んでなかったっけ。
       さすがに言ったんじゃない?

私:なかったと思う。

さっき(さっきではないが、その回を見た直後だったのでそう言う)、

「寿恵子さん あなたを、おいどんの上司の養女にしてもらいます。
そうすれば菓子屋の娘で母親も妾だったという経歴が消えます」

「そうじゃそうじゃ、わっはっは(上司) これで安心じゃ」

みたいになっていたでしょ?

あの時点では、妾プロポーズはされてないと思うんだよね。
そこは、こんな光栄なことを断るわけはない、
というあの頃の考えがあったのかね?

Mさん:おお、確かに〜   そうかもね。

私:いつ申し込むのかなと思ってマークしてたんだけど、
養女話の出る前には申し込んでなかった気がするの。
「雰囲気からして、承知していただいているものと、
てっきりおいどんは思っちょった」
みたいに思っていたとか。

M:そうなんだろうか。

私:まあ、私が見逃した回で、ちゃんと申し込んでいたかもしれないけど。
      それにしても、相手の意向を問わずに養女話も進めて、
     なんか高藤、女をなめてるよね。

M:なめてるよね〜。許せないよね〜高藤。
奥さんめっちゃ怖そうだから、寿恵子を好きになるのもわかるけど。
『あれは女と思っちょらん』なんて酷いよね。
『つまらない女じゃ』とか。

私:よく言うよね。女の敵だよね。

・・・延々とこき下ろされて、高藤さんも可哀想。



さて、順風満帆だった高遠の日々に、すごいケチのつく時がやってきました。

満を持したダンス練習の結果発表会で、おいどんは気持ちよく寿恵子と踊っていたのに、そのあと述べた自説で地雷を踏み、クララ先生には抗議され、寿恵子にはきっぱり非難されて、その場から出て行かれてしまう。

次いでご自分の奥様にも、自覚していない部分を鋭く指摘され、啖呵切られて二の句が継げず。

すると、居並ぶ他の高官の奥様方にも、そうですわそうですわと、夫人と一緒に出て行かれてしまい、

さらに、日本語がわからないはずの、外国の奥様たちも何故か、日本の夫人たちにくっついて、出ていってしまい、
(ここ、笑った)

要には愉快そうに笑われて、立つ瀬がなすぎて、高遠は涙目になってしまったのでした。
(これを、らんまにすとたちの間では、「高藤の公開処刑」と読んでいる)


私:あの頃のセレブな男としては普通のことをやってただけで、あそこまでコテンパンにやられちゃって

M:さすがに可哀想だよね。でもスカッとしたよね。

私:したした。
今こうなってみると、今日のこの「スカッとする」のために、
高藤のキャラは、バカ・男尊女卑・いい気なもん、
というふうに作り込まれてきた気がするんだよね。

Mさん、あ、確かに〜。私たちも乗せられてたわね〜。
     高藤、なんかかわいそうだよね?

私:かわいそうだよね?  

(私は長年テレビを見る習慣がなくて知らなかったのですが、この高藤を演じた俳優さんは、伊礼彼方さんという、アルゼンチン人のお母さん、日本人のお父さんとのミックスで、すごいミュージカルにいろいろ出演されていたのですね)


このように、悪役も悪い一方ではなく、評価が上がったり下がったりするというこの、重層的な作りが「らんまん」の憎いところです。


今日で終わりにしようと思っていましたが、あと1回だけ続きます。

(えー・・)

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