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エッセイ187.遥かなる家電の黄昏(上)

ストッキングというものを履かなくなって久しいですが
ストッキングが、しばらくはいい調子でいても、ある朝突然ツツー、と伝線し、慌てて他のを履いても穴が開いている、次もツツー、となっていた・・というふうに、いくつもが一斉にだめになっているということがありました。
ありませんでしたか?

我が家では、それの家電版が急に起きている最中で、とても大変です。

今朝お弁当を作っていたら、冷蔵庫に「一気製氷」サインがついて、しかも点滅しています。点滅して見せられると、何かをしなければいけないような気持ちになりますが、それを「普通」に切り替えても、また1分もしないうちに点滅を始めています。

そう、冷蔵庫君は、私が特にお願いしていないのに、そして寒いのに、

マダム! 自分は一気に氷を作りますよ!

と言っているわけです。

また、庫内には、ピコなんとかと言って、ナノの力で清潔を保つとかなんとかいう部分がありまして、そこにも赤い電気が点き、マニュアル通りに新しくそこに水を満たしても、またすぐに赤く点灯します。

この時点で、「なんか冷蔵庫が変?」と気づいてよさそうなものなのに、そういうふうには思わなかった私。
初動の遅れが問題を大きくしたようです。

午後になって娘が氷を取ろうとして、氷が溶けていると言い出しました。冷凍庫を見てみると、中のものが全て露を帯び、庫内の温度が上がっているのは一目瞭然。冷蔵庫内も、何も冷えていません。ビールも「檸檬堂・定番」も、室温です。幸いに、独立した冷凍庫がありますので、慌てて、なんとなく流れで冷凍していたもの(お正月で余ったお餅とか)を出しました。だって、お刺身とかお肉とか、冷食がどんどん常温になっていくのです。
すまない、長芋よ、大根おろしよ、もらいすぎて軽く茹でて冷凍した里芋よ。
やっぱり身分としては生鮮食品の方が、貴公らより上なのである。

普段から市販の冷食や、冷凍のお肉・お魚からは
「再冷凍は不味くなるからやめてください」
とは言われていますが、こうなってはしかたがありません。
なんとなく柔らかくなっている冷凍食品を、独立の方の冷凍庫に詰め込みました。
さしもの大容量の冷凍庫もパンパンになりましたし、壊れて常温になっている冷蔵庫の野菜室や冷蔵室にもまだまだ、結構色々入っています。

しかも、発酵愛好家の私の冷蔵庫には、自分で育てているヨーグルト、塩麹、コンブチャ(昆布茶じゃないじゃないほうのやつ)、醤油麹、野菜の発酵漬け、キムチが入っていて、真冬でないなら、かなりいい感じで発酵が進みそうです。
夏だったら大爆発ですね。家庭内大爆発。よかった、乙種危険物取扱者の資格を取っていて。嘘ですけど。

あっ!
明日は生協の配達日。どうしたらいいの。
1週間分の食品が届きます。

夫に連絡を取って、その晩のうちに家電量販店に行くこととなって、一応ネットで営業時間を確かめたところ、コロナのために閉まる時間が早いところが多いです。
もう、開いているお店に駆け込みむしかありません。
また、その晩のうちにに冷蔵庫を選んだとしても、そのまま担いで帰るわけにもいきません。
冷蔵庫が届くのが数日後になる可能性もあるということです。
寒い季節で良かったというものの、諦めて冷凍庫から出してみた食品を見て、心底がっくりきました。

6時半となり、残業続きが普通の夫が駆け込んできて、すぐに家電量販店に行きました。
決まるのはさっさと決まりました。
シャープの両開きドアのを買うのが一生の夢だったと夫が言い、シャープの冷蔵庫はそんなにたくさんはなかったからです。
夫の一生の夢を叶えることができて、本当に良かったです。

やっぱり配達は2日後だそうです。

帰宅して、パックが薄いために解凍してしまっていたマグロのたたきとサーモンを出し、時ならぬ手巻き寿司。


途中で気づきました、




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日本地図みたいになっていました。
天才でしょうか。


まあ、そこまで日本ではなかったですね。


それにしても夏でなくて良かったです。
なんならもっともっと寒くても、今日明日明後日まで限定ですが、
私は大丈夫です。


続きます。



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