エッセイ551.嬉しい誤算(1)ルンバごめんね
だいぶ前に、新しく導入したルンバについて、誤解に基づく「物言い」を入れたnote記事を書いて投稿してしまいました。
自分の間違いに気づくことができたのは、ひとえに、
辛抱強く私の誤解を解いてくれた夫と、
どんなに私に辛く当たられても、決して挫けることなく黙々と床をきれいにしてくれていたルンバのおかげです。
2代目のルンバは、この春 終の住処に引っ越してから、家具は買わない・物は捨てるという夫婦の合意下においても、夫がぜひ欲しいと言った家電でした。
機械ものは夫の管理に任せている私は、せっせと働いてくれる夫に
たまには飴を舐め・・じゃなくて、報いるために、
いいんじゃない?
とぬるく賛成して、家に迎え入れました。
新しいルンバは、初代と比べると音が静か。
どこかにぶつかった時に立てる音や響きも小さいです。
また、渋い黒と茶の箱型のお家が一緒についてきて、なんと、溜まったゴミは、そこに帰ってきてかがヴォーン! と言いながら、勝手に外に出してくれるのです。
さらに、床拭き用のモップロボットが欲しいなあと思っていた私は、ルンバは掃いて吸い取るだけではなく、水を含ませた三日月型のモップで拭いてくれるという、その点にノックアウトされました。
さて最初の頃、掃除中のルンバからちょっと違う音がするので見てみると、ルンバが ロボットらしく、その床拭き用の固い布のついた部分を頭の上に持ち上げたり、また下げたり、トランスフォームをしている!
のを見ました。
ここで私は激しく、大きな誤解をしました。
ルンバが、「拭きたい部分」を探知すると、そこで立ち止まって頭についている(ルンバは全部が頭、みたいな形ですが)布を床によっこらしょと落として、そこだけちょこっと拭いて、また吸い込み掃除にかかる、と思ってしまったのです。
通った後に、水分が帯状に残っているのを見て、
その昔、教室の床に数名で並んで雑巾掛けレースをした昭和っ子の私から見ると、
「しっかり絞らんかい!」
的な気持ちになってしまうのも否めないところでした。
ウィーンというたびに振りかえると、ルンバが頭から雑巾?をおろしたり戻したりするのを見てしまうため、そこで必ず、
え〜
床全面を拭いてほしいのに
と思ってしまい、
「ルンバって、二代目もダメなやつ」認定
をしてしまったのです。
で、根本的な問題=ルンバは椅子とかバッグとか、床にあるものを持ち上げてはくれないので、
「掃除前にはいろいろ、床にあるものを上に
(=カウチとかテーブルに)載せないといけない」
という面倒くささも手伝って、自分ではほぼ全く、ルンバを使わなくなってしまいました。
土日両方、夫がやってくれますので、そのときは掃き残しはあるものの、本当にきれいになります。
でも、一日中家、しかも1階にしかいない私は、床が汚れているとそれは、私が汚したわけで、そうなると、日に一回は掃除機をかけたいところ。
で、スティック型のコードレスの強力な掃除機を片手に、ゴミ箱や椅子をずらしてテーブルの下や、ルンバの通らない、バー・スツール(一般家庭なのに我が家には素敵なバー・スツールが2脚あります)をどかして、などして10分もかからず、掃除ができてしまいます。
拭き掃除もお任せください。
私には、壁のシミを取ろうとして買ったけど、シミは取れなかった「電解水」と、古いタオルを挟んでぐいぐい床を拭けるモップがあります。
そこでスティック型掃除機にしっかり充電をし、なんならゴミカップからゴミを出してから掃除機をかけ、次に雑巾モップに持ち替え、左手に持った電解水をスプレーしながら床を拭く。
うん、綺麗になります。
ある日、それをやっていたら夫が帰宅して、
君なにしてんの?
ルンバは?
ルンバアプリ、ダウンロードしたじゃない?
外からだってルンバに掃除してもらえるんだよ?
と言ってきました。
言いますよねそりゃ。
そこで私は、
ルンバにやり残しがあって、結局あとでスティック型掃除機を使ってルンバのお手伝いをしていること、
ルンバは外国人なので(多分)、素足でツルツルの床を歩みたい私たち日本人の気持ちはわからず、拭き掃除はしてくれるものの、
ときどき立ち止まってちょこっと拭いてくれるだけなので、私と相性が合わないこと、
を、述べました。
夫は、
いやいや、そんなちょこっとではないですよ?
吸い込むのと同時に、拭き掃除をずーーーっとやっていますよルンバは。
と反撃。
私もたちまちむかっと来て(沸点低い)、
だって、ウィーンて言うから見てみると、
頭の上から三日月型の雑巾をおろして、
また頭に載せて、すぐ次に行っちゃうよ?
全然、全体を拭いてくれてないよ?
ーー拭いてますよ?
拭いてませんよ?
ーー君、マニュアル読んだ?
「私はマニュアル読みません。
マニュアル読まないのが家訓ですから」
我ながら、どんどん支離滅裂に・・。
「それに、ちゃんと拭き取らないで、水の跡が残っているよ」
と言いますと、夫は
「それはモップ部分が使いすぎで硬化していて、
よく水を吸い取らないからではないでしょうか」
「モップ部分は、ルンバを買って以来、満遍なく床を拭きまくっているので、
ふかふか部分が摩耗して、新しいモップの買い時ではないでしょうか」
と、とんでもないことを言い出すではありませんか。
私は、モップ部分が立派なので、使い捨てだとは思っていませんでした。
夫、その拭くためのきれっぱし、それいくら?
ーー1枚200円ですよ。
「ルンバが5月末にうちに来てから、2枚のモップを掃除のつどに替えながら、
一体あのきれっぱしを、何回使ったことだろうか」
と、夫は慨嘆するのでした。
私は自説がすごく揺らぐのを感じ、
「わかりました、少し私に時間をください」
と言いました。
翌日一人の時、いろんなものを上に上げるというところを省き、1F部分の障壁となるドアは開け放して戻ってこないようになんとかし、ルンバにお掃除を頼みました。
するとなんということでしょう、ルンバが頭の上にモップを載せたりおろしたりは、夫の言う通り水分の補給であって、見ていると進行方向の前の部分でブラシを忙しく回転させながらゴミを掻き取っては吸い込のその後ろで、その間ずっと、モップは小さいながら床を拭き続けていたのでした。
さぼっている、あるいは、適当な仕事をしていると決めつけていたのは、
私の大きな考え違い。
マニュアルを読むのも拒み、音がしたときだけちらっと目をやり、
(あんたはダメなロボット)とずっと思ってきたのでした。
ルンバほんとごめん。
拭き掃除用マットも、1枚200円を数枚買っておけば、結構保つことがわかり、
ある日帰宅した夫に私は、
I owe you an apology
(お詫びすることがあります)
と謝ったのでした。
やり残しと言っても、ルンバを持っているみなさんにはわかりますが、ルンバは同じところをしつこいまでに繰り返し、動き回って掃除をします。
入っていけない狭いところが掃除できないのは当たり前。
ユーザーが一番やってはいけないのは、「ちゃんとやってるか」と監視したくなって、ルンバの掃除っぷりを じっと見ていることです。
というのは、見ていると、ちょっと先にゴミが落ちていても、ルンバはくるっと反対方向を向いて、去っていくことが割とあるからです。
外出前にお掃除をお願いをしておけば、床は90%はツルッツルになっています。
私はとうとう、クイックルワイパーの棒1本、雑巾モップの棒1本、なんとなく溜まっていったクイックルワイパーのドライシート・ウェットシートを捨てることを決めたのでした。
あと、密かにAmazonの「買いたいかもしれないもの」のところにしまっておいた、棒の部分にくっついているタンクに水などを入れて片手でときどきシュッシュしながら床を拭けるモップ、を削除いたしました。
これからはたまにはマニュアル読みます。
サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。