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エッセイその126.何もない日のはずだった(上)

コロナ禍の生活が始まる前は、私は土日はきっちり休んでいました。
季節ごとにいろいろなところに行きました。

名古屋にもやってくるオクトバー・フェスト。
高いよ高いよと言いながら、何回もプラスチックのコインを買い足して、
ドイツビールをがぶがぶ飲みました。
膝小僧を出したおじさんたちと、昔若いお姉さんだった女性のヴォーカルが出てきて、手を引っ張りに来るものですから、
イヤイヤながら、ジェンカみたいなのを踊らされました。

おじさんたちの名前は、ハンスとか、ゲオルグとか言うんだろうかね、

と夫と話しながらアイスバインやソーセージをたくさん食べました。

そのあとやってくる、ベルギー・ビール・ウィークエンド。
年毎に、赤・青・黄色・・と色の変わるグラスを買い、
「オクトバー・フェストより安い目だよね」
「でも、やっぱり高いよね」
と言いながら、グラス濯ぎマシンと、ビールのカウンターの間をたくさん往復しました。

7月8月9月は、郡上踊りにたくさん通いました。
踊り免状私6枚、夫4枚。
私はコンプリートまであと1枚です。
残念ながら今年も去年に続き、中止が発表されました。
今年の浴衣は、今年の下駄は・・と選ぶ楽しみも2年のお預け。

でも仕方ありません。
みんな頑張って我慢しています。
それどころではない人が、たくさんいらっしゃいます。

さて、この時代になって一番変わったのは、土日も働くようになったことです。

前は、生徒も遠慮しながら、

土曜日は・・日曜日は先生、働きませんよね?

と言ってきたものですが、去年の早いうちから私も、

いいですよ。家にいるし。

すいません、私も家にいますのでよろしく。

と言う感じで、曜日の区切りなく働いているのです。

オンラインの仕事が増えたのは、本当にこの異常事態ゆえなので、
いつまでもこんなことはないはずです。
なので、働かせてもらえるうちは、元気なうちは、働こうと思います。


でもその代わり、自分でルールを決めました。

・夜は仕事しません。
・朝早いのは かなり早くても引き受けます。
・その日の仕事は2時までに終えます。

その生活が回り始めて、私はすっかり朝方になりました。
時間のかかることは 午後に楽しくやっています。

そうして、私はたびたび、高野文子さんの
「るきさん」

を思い出しています。

るきさんと、お友達の ゆるくてぬるい交流についてのこの漫画、
しみじみといいのです。
よかったら手に取ってみてください。


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途中まで明かされないのですが、るきさんの仕事は、保険点数の計算です。
設定では、すごく電卓を叩くのが早いため、在宅仕事ですが、月に数日で一ヶ月分の仕事を終え、あとはず〜っと遊んでいるのです。

そんな、ありえないでしょう。
でも るきさんなら、あるかも。
いいな〜 るきさん・・

と思いながら、何度も何度も読み返しました。

今は、私も もしかすると、一ヶ月の最初の方に、
2時までで仕事やめますとか言っていないで、
朝の6時から夜の10時までぎっしり教えるのを1週間やったら、
あとの3週間何もしないで、るきさん状態になれるかもしれません。
かなり可能性高いです。
もっとも、絶対に無理。

なぜなら、週に1回1時間 私から習って、次の週には二歩下がっている人や、
全てが「初耳です」になる人は結構多いです。
また、生徒をおんぶして一歩一歩山を登っていくようなレッスンや、
どんどん生徒を追い詰めて(?)、7月に迫るJLPT(日本語能力試験)の準備をしなければならないケースも結構あります。

教師からすれば週一は少ないけれども、週に1回、キャンセルなしでやってくれるから、上手になってくれるのですよね。
こっちがるきさんになりたいからって、無茶なことは考えることさえふとどきなのでした。

でも、気分は「るきさん」で、なるべくマイペースでやっていきたいなぁ。

で、件名なのですが、今日は珍しく、日曜日の仕事が全部土曜日や月曜日に変更になり、朝は起きなくていいし、昼間から、飲もうと思えば飲んでいい日になったのです。
本当の日曜日です。
これはとても嬉しかった。

さぁ何をしよう。
チョコレートゼリーを作ろう。ピザのクラストを作ろう。
古くなりそうなリンゴをみんな煮てしまおう。
手紙を書こう。
漫画を描こう。
いやいや、1日かけて掃除をしよう。

朝からアドレナリンが出て お弁当を作らなくていい日なのに、5時には目が覚めてしまいました。



♪ 朝の歌
朝はどこから来るかしら あの山越えて海越えて
光の国から来るかしら
いえいえそうではありません
それは明るい家庭から
朝は来る来る 朝は来る
おはよう おはよう ♪

(以下略)
子供の頃に歌った変な歌を思い出しました。




・・・ところがそれをひっくり返す悲劇が起きたのです。
このあと、急転直下の展開をします。
しっかりつかまっていてくださいね!

その前の話なのですが、先日のこと、
根菜だからと油断して外に出していた二十日大根にハダニが大発生しました。
水道で丁寧に洗い落として(もちろん鳥肌立つ!)
そのあと「ピリカレ薄め液」をスプレーしていたのです。

ところが、それ以来用心して室内で育て、
葉っぱに穴も開いていなかった方の別のケースの野菜を、
今朝ふと見たら、なんと、葉裏に驚異的な数のハダニがくっついていました。

おのれ!

と思ったのですが、先日の、水道だけでは流しきれなかったものが、
近くにあったトレイに引っ越したことも考えられそうなので、
今日はどんなことをしても、退治しなければなりません。

私はセロテープ、ゴミ用の袋、ピリカレスプレーを用意し、
長時間の勝負になりそうなので、椅子も台所のシンクに運び、

うううぅぅぅ〜わぁぁぁ〜〜

と、小さく叫びながら、捕獲にかかりました。
もう相当慣れたはずなのに、「やつらの密生部分」が見つかると、
やっぱり鳥肌が立ち、腕や頭が急に痒くなるのでした。

セロテープで 根本から茎から、葉っぱの裏から表から、しっかりと取り、
そのセロテープをしっかりと専用のゴミ袋に落とし込み、
葉の裏と表と茎に、ピリカレスプレーしつこく吹きかけ、
ついでにパーライトを補充して、ふらふらしてる茎に喝を入れました。

それが終わったのが1時。

遅くなってしまった昼ごはんを夫と食べ、このあと何もなければ、
さあ〜、いよいよ るきさんだ!
と、るきさんモードで、なんでもできたはずなんですが、
そうはイカのてんぷら!

野菜を育てるのは好きだが、虫は人並みに嫌いな私に、
更なる試練が待っていたのです。

きっと、お聞きになりたくないことでしょう。
明日どんな話になってしまうかは、トップ写真の、
しっかり梱包された野菜から想像していただくしかありません。

鳥肌立てながら、続くとします。
ちなみに、頭も痒くてしかたありません。
死なないなら、自分を煮沸消毒したいぐらいです。

サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。