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老親の謎 7.姉よあなたは偉い(2)

実家家族との紛争は、物心ついてから私を離れたことはありません。
遠くても近くてもそれなりに厄介でした。

自分の今の家族との間でも、問題がないわけはないのですが、
自分が生まれ育ってきた家庭に比べれば天国。
風に乗ってふら〜りふらりしているようなうちの旦那ですが、
私にとっては「劇的ビフォー・アフター」をもたらした、命の恩人です。
白馬の王子なのです。
もちろん今では白馬を降り、白髪の元王子(アラカン)になりましたが、
私が旦那に感謝しないことは、この先もないでしょう。

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もともと、こういう投稿は、読んでいただいて、楽しくないといけません。
親元を遅く離れ、やっと生まれ直し、この先楽しく生きていこうと決めたので、
ネガティブなことは書かないことにしていました。

それがあるとき、親ストレスで、喉に異常ができて飲み込みが悪くなったり、
一瞬心臓に来たりして、さすがに心療内科に行ってきました。
わかりやすい体質で、ツムラの半夏厚朴湯というのをいただいたら、
数日ですっかり治りました。

このとき、

これはあれだな、もう、書いて昇華、書いてデトックスだな🤔

と思いまして、最近ちょこちょこ、親のことを書くことにしました。

これまでは、「老親に学ぶこと」として、
「エッセイ」の枠内で数投稿してみたのでしたが、
やっぱり、ごちゃついて読みにくくなりました。
あと、考えてみたらあまり、何も学んでいませんでした。
どちらかというと、性格が意地悪になりつつあります。
それで、題名も変えました。

これからは、読みたいと思ってくださるみなさんと、
そんなの読みたくない、気持ちが暗くなる、と思われる向きと、
はっきり分かれるのではなかろうかと思いますので、
介護投稿ジャンルを作ってみたわけです。

マガジンも一つにまとめたので、
私と一緒に親に、ついて愚痴りたい思いをお持ちの方などは、
よろしかったら読んでいただき、そうでない大多数の方は、
飛ばしてくださるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


今日のお題は、「やっぱり姉は、ちょっと偉かった」というものです。

私の姉は真面目で一生懸命な人ですが、天然ぶりは私以上です。

東京駅のToraya Tokyoでおいしいコーヒーを飲みながら。

妹:ねえ姉、姉はさぁ、今みたいな生活になってどのぐらい?

姉:そうねぇ・・。最初にめまいがするから家にいてくれと言われて、
社員旅行に行かなかったのがあのときだから・・20年ちょっとかな。

妹:旅行は、以来・・

姉:行ってないかな。出かけてから電話がかかって来ると思うと、嫌なのよね。

妹:若い頃からさんざんかまされてきたけどさ、
どこかで「もう知らん!」って、
爆発すればよかったんだよね、私たち。

姉:そうね〜。でもそのエネルギーがなかったかな。

妹:そうだね。精神的に搾取されてからね。
もう、ずっとカスカスだよね、私たち。
ちょっとでも逆らうと、一家を巻き込んで何日も荒れるからね。
あれが嫌だったよね。

姉:あの大騒ぎは、あれよあれよと、見てるしかなかったよね。

妹:だって、死ぬ死ぬって言って何日も布団から出てこないけどさ、
高血圧で半身が痺れてきた、このままだと脳の血管が切れて死ぬんだ、
ってやつでしょ?

姉:救急車呼ぶと言うと、「まだそれほどではない、まだいい」だからね。

妹:介護保険申請は無理だよ、放っておこうよ。
この前は騙して、入院先で取っちゃったけどさ
もう申請し直しをしなくちゃいけないし。
誰が訪問してくれても、追い返してしまうからね。

姉:介護の「かの字」も言ったら許さん、て。

妹:かの字もかぁ・・・。じゃ、世話いらんのかって言うと、
人の世話は要らんが、うちには娘がいるんだから、だもんね。
お姉ちゃん、もう、放っておこう。
姉がいない間に具合悪くなることもあるだろうけど、
姉に携帯入れられるから、救急車も呼べるって。

姉:そうね。放っておくわ。
このごろね、朝になっても2人で布団の中、
昼になっても出てこない、だから・・

あるとき見に行ったら、あ、死んでた、みたいになる気がするのよ。

妹:うーん、それ、あるかもね。私もそう言う気がしてきた。
まあそれは仕方ないけど・・・いつまでこれが、と思うとやりきれないよね。
父母、デイサービスに週に1回だけでも行ってくれると、
姉が休めるんだけどね。

姉:そうなんだよね。

妹:家にいる限りは、いつ呼ばれるかわからないから、本当に休めないんだよね。

1日でもいいから、全く親のことを心配しない、考えない、
そういう日が必要なんだけどねぇ・・・

と、ここで姉は、ちょっと遠い目をしました。


姉:・・・・そう思うと私の仕事はねぇ・・・

妹:うん。

姉:・・・私が仕事に行くのは・・

妹:行くのは?

姉:私がデイサービスに行ってるってことだよね。

妹:えっ?! 親が行ってくれないだけに?

姉:そう。

妹:あはははは! まさに! うまいこと言うね!


いまどき、「座布団やっとくれ」って言う人は少ないと思うけど、
姉のこの、精神の健康さには常々、感服しております。

サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。