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Foodies! 88. 「深夜食堂」と生徒

「先生は、ミッドナイト・ダイナーのドラマを知っていますか?」

と、おでんの中で卵が一番好きな人が言いましたので、盛り上がりました。

Netflixの広がりとともに、世界中の遠くにいる人と、同じドラマや映画を観たり、お勧めを教え合ったり。いい時代になりましたね。

「ミッドナイト・ダイナーは、日本語でなんですか?」
「深夜食堂ですよ」
「私はタイトルロールの歌が大好きです。先生は?」
「大好きですよ。あれ、なんか、アイルランドの民謡なんですって」
「そうなんですか! 日本的なメロディだと思っていました」
「そうですよね。あのドラマにぴったりですよね。じゃ、歌います」
「あっそうですか、はいどうぞ。お願いします」
「行きますよ。♬君が吐いた白い息が・・・♬
    ・・・・・・あとなんだっけ? 🤔」

それから、
ドラマの最初の方に出てくるのは、あれは何を作っているのか
ということも訊かれました。

この食堂では、お酒の本数も決まっているし、壁に短冊が張ってあるのは、確か豚汁定食ぐらいみたいです。
なので、最初に豚バラや野菜を、ジャッジャッと炒めているのは、豚汁を作っているのだと思います。

「先生、私は豚汁は好きです。今も家で作ります」
「私も好きです。でもあれ見ていると、一回に作る量が少ないですよね」
「そうですよね。結構頼む人いますのに」

あと先生。
はい?

なぜ大将が、「なんとか、かい?」って言うのですか?

という質問が来ました。そうですね、
「そうかい」とか、
「そりゃあ、まずいんじゃないかい」
って、確かに言っていますね。

私はこれは、江戸弁だと思います。

今の標準語は、明治政府の肝入りで人工的に整えたものですが、
元になったのが、革命政府の位置した帝都・東京の「東京言葉」ではあったとしても、「江戸弁」ではないそうです。


一番それに近いのが、江戸落語の中の話し方だと聞いています。

するってぇと、なにかい?
これほど俺が頼んでるってぇのに、きけねぇって、こう言うのかい?」

てやんでぇ、唐変木め! そんなこと聞けてたまるけぇ!

へぇぇ〜、そうかいそうかい! それじゃ頼まねぇ!

っていうような話し方かな?

「Nさんね、私はあれは、東京の古い言葉、江戸弁だと思いますね。
確認したわけじゃないのですが、でもあの喋り方は、
ちょっとこう、粋というか、鯔背いなせな感じを受けるんですよね」

話が脱線しまして、

「江戸から明治へ時代が変わる時にですね、
江戸城の無血開城というのの立役者になった、勝海舟という人がいまして、
その人が、そういう江戸弁を話したそうです。
今でも彼がドラマに出てくると、そういう喋り方ですよ。
彼をインタビューしたのをまとめた本があって、
その中に彼の話し振りも出ているそうなので、ちょっと調べておきますね」


こちらです。

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ちなみに、さっきちょっと書きました、「粋でいなせな」は、丁髷ちょんまげの、頭のてっぺんの剃り上げた月代さかやきにのっける毛束が、暴れん坊将軍みたいにきっちりまっすぐだと、かっこよくなくて、それをちょっと曲げて、のっけるのが流行ったのだそうです。町火消し、魚河岸に努める者(一心太助とか)、板前さんなど、勇み肌の、カッコ付けのお兄ちゃんたちの好んだ髪型だったそうですよ。

名前の由来は、その、曲がっているのが、泳いでいるときの「いな(鯔)」の背中に似ているからなんですって。


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こう言う感じみたいですね。


ところで、コケた韓国ドラマの一つに、「深夜食堂 from Seoul 」というのがあるそうです。日本のドラマから、韓国版「花男」とか、いろいろヒットしたのに、これは残念ですね。大将が若くてカッコ良すぎるかな。

韓国では、小林薫大将みたいな、

「食べたいものがあったら言ってくれよ、できるものならたいてい作るぜ」

というのは、韓国料理の伝統にそぐわないので、ピンとこなかったらしいという批評も、読みました。

でも見てみますね。またご報告します。


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こちらの皆さんも、よくあるように、顔演技が過剰なような気はします。








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