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エッセイその108.マスクと私たち(2)目だけの知り合い

マスクの時代に入ったあとで知り合った場合、友達でないと、その人の顔の半分しか知らないままだということがあります。通い始めた歯医者さんなどです。
そのことに気づいてから私は、初めてのお医者さんでは、

「ずっと目だけもあれなので、ちょっと失礼します。
これからもどうぞよろしくお願いいたします」

と言って、一瞬マスクを取って、ご挨拶するようになりました。
先生方も、必ずと言っていいほど、マスクを取って、

「いやいやこちらこそ、どうぞよろしくお願いします」

と言ってくださいます。

さて 先週末、友人のやっている劇団の公演に行きました。
このコロナ禍、市松模様着席で、それでも客席はいっぱいです。
お芝居は素晴らしく、とても濃くて幸せな時間を過ごすことができました。

さて、開演前に 座席に座ってうつむいてチラシを読んでいたら、後ろから、
tamaちゃん
と声をかけてもらいました。
後ろからでもわかるんだ。
頭大きいのかな。

終演後、アンケート用紙の四隅どれかを折って意見を表現する部分があり、
その「よかった」を折っていたら、

tamaちゃん、久しぶり

とまた、何人かに気がついてもらえました。

1年とか、ひょっとするとそれ以上も会っていない皆さんでした。
すごいなぁ、マスクして、目しか出てないのに。

その中に申し訳ないことに、マスクのままだと誰かわからない人がいました。
おしゃれなフレームの眼鏡に、明るくてふわっとした髪の若い女性です。

眼鏡と髪型から見て、あの人かなと思い、でもちょっと見ると全然違う。

こんばんは、え〜と。

と困っていても、その人はニコニコしています。

「・・・ℹ︎ちゃん・・? じゃないよね?」

と言うと、ニコニコと首を振って、マスクを取ってくれました。
あ、この美人はBBちゃん

ごめんBBちゃん・・!
マスクで、でも・・ほんとごめんなさい。

美人の顔というのは 左右対称であり、また、
たくさんの人の美しいところを全部混ぜてから、
その人数で割ったような、受け入れやすい美を持った人だ、
と聞いたことがあります。

もしかすると私たちが美人と思う人は、
美しいのはもちろん前提で、その上で、安定感のある、
美人としての平均点的な顔をされているのかしら。

そうすると、眼鏡やヘアスタイル・マスクで、
意外に簡単に変装ができて、群衆に紛れてしまうことも?
そんなことはないのか。



こちらが、2年前にしょっちゅう会っていたその彼女です。




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このお方が、眼鏡とマスクと少々の髪型変更だけで、
このような感じになり、私はわからなくなってしまいました。



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目だけでわかってよさそうなものなのに・・。

ちなみに、この似顔絵、いつものようにコピーペーストをし、変えたのは、
ヘアスタイルだけで、あとは眼鏡とマスクを加えました。

並べてみましょう。



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目を見ればわかるのに・・・



蛇足ですが、それに比べてこの日の私、
何をどうしても、全く元のままであったようで、
1年ぶり、2年ぶり、3年ぶりに会っても、迷うことなく私だったようです。

一応私だって、眼鏡フレーム変えたし、
たいてい一つに結んでいる髪も、10cmは切っていましたし、
大きなマスクもかけていたのです。



気持ち悪いほど似ていると言われる自画像を使い、検証します。



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・・・・・・・同じでした。


自分が 変装ができないたちだと確認しましので、
タコ帽子かぶって悪いことするの、やめておきます。



BBちゃん、断りもなしに書いてしまってごめんなさい。
あのときは、「え〜と、ℹ︎ちゃん?」も言ってしまい、すみませんでした。
もう焼きが回っているので、許してください。


サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。