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エッセイ214.2022年のラプソディー(14) あっというまに、二人に。

思い出すと長女は、1年近く就職浪人をした後で急に仕事が決まり、
翌週にはアパートの内見、2週間後には出ていきました。
23歳と半年のことです。

今回の次女は、就職浪人こそしませんでしたが、留学は中止。
そうなるまでに、いくらかでも自分で費用を貯めようと休学して働いていたので、5年かけて、1年下の子たちと一緒に卒業することになりました。

就職が決まったのは卒業式の13日前。
翌週にはアパートを決め、今週末には東京へ引っ越していきました。
これまた23歳とちょうど半年。
おそろな猿シスターズです。

姉妹は保育園から大学まで一緒で、体育系の吹奏楽部も一緒でした。
一緒に歩いていたところから、一人ずつ抜けていきます。
集合して盛り上がり、やがて流れ解散ですね。


Day3

箱だらけのアパートで、正座して夫が一生懸命仕事をしています。
次女と、その辺のお店を把握するため、昼少し前に歩いてみました。
アパートから10分もしないで、昔お世話になった久我山病院、そこから久我山駅まではすぐです。
名古屋の家では、自転車で1分のところにコンビニ2軒、5分で行けるスーパーが3軒もあります。このアパートからは歩いて10分ぐらいは何もないです。商店街を通って帰って来られるのが幸いでした。
二人で駅まで行って、サミットを確認して持てるだけの食料を買い、ドラッグストアで不足していた品を買い、気になっていたベーグルとお弁当を買って帰りました。

2時にIKEAからすごく大きくて重い梱包物が五つぐらいと、マットレスを筒に巻いたもの2つが届きました。夫がじっくりと開封し、組み立て順に並べていきます。あんなにいろいろな物で散らかった狭い部屋で、あんなに数えきれないほどの部品やネジがあって、よく挫けないものです。二人は楽しそうに組み立て始めました。

ここのネジはこれではなく、こっちのような気がする。
これは今すっかり打ち込んでしまわないで、
半分まで打ち込んでから試しにこう、差し込んだほうがいいのではないか。

声を掛け合い、投げ出すこともなく、続いた作業はなんと、4時間半。
とても楽しいのだそうです。

夕方、昨日届くはずだった冷蔵庫が大幅に遅れて届きました。
そこで私は、大きいバックパックを空にし、最大のエコバッグを2個持って、
歩いて一番近い「まいばすけっと」へ買い出しにいきました。
バスケット一個だけと制限をかけていたのに、
見ればあれもこれもと手が伸び、結構買い込んでしまいました。
帰り道が大変で、手すりのないアパートの急な外階段が難所でした。疲れていた私は、まるでフロド・バギンズがモルドールの山に、
死にそうになりながら這って登っていったぐらいな悲壮な感じで帰って来ました。





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🔥フロド・バギンズ。モルドールの炎に指輪を投げ入れる直前🔥

今までは、次女が食べないキノコはあまり食べないということがあったり、
逆に自分が食べなくても、あれば喜ぶと思うものはつい買っていました。子供はいてもいなくても、いつもいて、重低音になっていて、
今日の買い物のチョイスは、それが恥ずかしいほどに反映していました。
それももう終わりです。

一人暮らしにしては立派な冷凍冷蔵庫に、1週間ぐらいはなんとかなりそうな感じに、食べ物が詰め込まれたのでした。


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4時に引き上げる予定が、IKEAのベッドに時間がかかって、もう7時半です。
親子三人で、マットレスを設置したり、カバーをかけたりしました。


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父親:これ分解したり運ぶの嫌だから、絶対引っ越さないでください。
ごもっともです。

下の部分を引き出しごと引っ張り出し、同じサイズのマットレスを置くと、たちまちベッド2台になります。ただ、宣伝の動画に出てくるマットレスはかなり薄く、次女が自分で別売りで買ったマットレスは、その3倍の厚さでした。なので、
重ねて座ろうとしたら、高いところへよじのぼる感じ。私だと、踏み台がないと登れません。日中はソファ(たくさんクッションを並べる)、夜はベッド、お客さんが来たらダブルベッド、というコンセプトなのですが、マットレスの2枚重ねは高すぎて無理。高いところに座っている次女は、「牢名主」みたいになりました。結局マットレスの1つは、ベッドと壁の間にいれました。
戦い済んで日が暮れて、部屋には届いた品物の段ボールや梱包材だらけです。
みんなで分解したり畳んだり紐で縛ったりを終え、
昼前に買って食べることのできなかったお弁当を、新しい電子レンジを開封して温めて食べました。

なおもビニール袋を丸めて、どうやったら小さくして捨てられるかな、とゴソゴソしていた私に次女が、

おかんもういいから。
遅くなるから帰りな。

と言い、私と夫は荷物をまとめました。



あっという間に二人になりました。

家族でなくなるわけではないけれども、
オリジナル家族として暮らした20年ちょっとは、
娘たちの中では、光の速さで後ろへ飛んで去っていくでしょうね。





そしてね、





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一度の休憩も取らず夫がレッドブルを飲みながら頑張り
名古屋の家には4時間半で着きました。


あと、大ごとはほとんどなくて、前倒しの母のの四十九日を残すだけとなりました



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