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エッセイ212. 2022年のラプソディー(12)生協君も旅立ち

毎週水曜日の午前11時半ごろは、生協の配達品が届けられます。
スーパーとあまり値段の変わらない感じの消耗品の他、我が家の食品の6割ぐらいは生協で頼んでいると思います。

初めて生協の野菜を食べた時、美味しいのに驚きました。以来、ファンです。
収穫期はどんどん安くなり、季節外れにはきっぱり、カタログに載らなくなります。いつでもなんでもある、スーパーの野菜より、自然を感じるような気がします。

野菜といえば、いつかPodcastで、野菜ソムリエの人の話を聞いて目からウロコだったことがありました。

1)一番美味しい野菜は、一番安い野菜。
   一斉に収穫して、量も多く、どんどん安くなっていくそうです。季節外れでハウスで無理させて作った野菜は、高くもあるし、味もそれなりなのだそうです。
「野菜は、一番安いときが一番美味しい」
なるほどと思いました。

2)野菜は基本的に、一度も洗っていない。
たまに、「洗わずに食べられます」というリーフものがありますが、それ以外は野菜は一度も洗っていないと思ってください、とのことでした。なるほど、水気を含んだ時から、野菜は一気に劣化はすすみますよね。

さて我が家では、子供たちが生まれた頃から、生協にお世話になっています。
無農薬はさすがに不可能ですが、減農薬の基準をクリアした野菜が多くて嬉しいですし、生産者さんの記事もふんだんに注文カタログに載っています。
加工品も、できるだけ食品添加物の少ないものをと思って、生協を使っていました。

東京時代は、パルシステムで、今は、コープあいちの会員です。
牛乳は美濃から。産地を見ても近県のものが多く、地産自消というのでしたっけ、その隅っこで協力しているような気分になります。

四人家族が揃っていたときは、今よりずっと多くの肉・魚・野菜・雑貨が届きました。
不在の時など、玄関前に積み重ねられて置いて行ってくれた箱が、壮観でした。子供たちが大学までは、四人分のお弁当も作っていましたので、そのぐらいの量にはなったのです。

2年前に長女が家を離れ、次女はお弁当をだんだん持って行かなくなり、またバイトや友達付き合いで家にあまりいませんでしたので、生協食糧のの注文量は半分ぐらいになったと思います。

さて、今まで2年お世話になった担当者さんは、爽やかな若い衆でした。
息子がいたらこんな感じかな。

1月終わり頃でしたが、

「ぼく、3月いっぱいで生協をやめるので・・・お世話になりました。
有給休暇を消化したり、3月も全部は来られないのですが」

と教えてくれました。

その後、3月以来のバタバタで名古屋に居られないことが増えてきて、
前の週に注文した生協の食料をキャンセルさせてもらうこともありました。
生協君には、次に会えたら最後かもしれないと思い、
心ばかりのものを用意していました。

先週の配達日、ピンポンに応えて玄関のドアを開けると、
見知らぬ人の後ろに、生協君がかしこまっていました。

「今日まで長いあいだ、お世話になりました」

ーーえ、来週が最後じゃなかったんですね?
今日、家にいてよかったです。
こちらこそ、本当にお世話になりました。

彼の次の職業に関係のある、カップケーキの形の容器に入った
Amazonのギフトカードを渡しました。

Amazonが付けてくれるメッセージカードに、印字してもらっていました。

「いつも明るい笑顔で届けてくださって ありがとうございました。
新しいステージでも輝いてください」


・・・私やっぱり気障きざですわ。


息子のような爽やかな生協君も、今日から一人暮らしを始める次女も。

経験と失敗を積んで、優しい素敵な大人になってください。

2022年の春は狂詩曲ラプソディーであります。
もうちょっと続きそうです。

思えば 自分の若い頃は、自分が何回も出発し、出発し直しました。
今では見送る側ですね。

みんな頑張れ!
東京の桜は満開です。



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