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エッセイ303.今度は玄関が開きません

どっちかというと、上の過去記事の方が(少しは)面白いかもしれませんので、最初に貼り付けておきますね。


さて・・。

今年の3月に母が亡くなった時、父が寝たきり、姉も腰椎圧迫骨折でまあまあ要安静となっていました。
それで、葬儀やそのあとの手続きは、区役所や年金事務所や銀行や・・と、外を回ることばかりですので、私が担当することになりました。

そのときは、秋に東京に戻るなどとは夢にも思わず、名古屋から毎週実家に通って、いろいろな手続きをしていたのでした。

そういうのは初めてで、慣れないところから、姉の委任状を忘れて出直すとか、一緒に住んでいない家族(私)は、これはできないし、あれもできない、ということがありまして、うっき〜! 🙉となったり、もうてんやわんやでした。

それでも、一回、一通りやれば、いい練習になって、次のとき(と言ったら父に悪いですが)は、楽だろう。・・・と思っていました。

はい、楽です。
楽ではありますが、一応私、週に一度も休みのない仕事をやっていますし、実家までは片道90分。やっぱり、疲れたり、やることがいろいろあり、いろんな人とアポを取ろうと、スケジュールを捻り回すので、なんだか芯が疲れます。

そんな先週のある日。
まあ、数日前のことなのですが、実家に訪ねてくれた弔問客の相手をし、次に、父の携帯の「死後解約」というのをやりに行くために、姉と二人で実家を出たわけです。

私が門を開けていると、なにやら姉が背後で、必死の様子。

ん? 🙄

と思って行ってみると、玄関の鍵が、鍵穴の中に刺さったまま、奥に行かないという事態になっていました。引っ張れば、鍵は抜けますが、いつものように奥まで差し込んで、回すと言うことができないのだそうです。

二人で押したり引っ張ったりしているうちに、前々から予約を取っていた、携帯ショップとの約束の時間が迫ってきました。

幸いというか、帰ってきた時に家には入れないでしょうが、一応、留守にしても「施錠はされている」状態です。今日行かないと、またいつになってしまうかわかりません。そのために実家にやってきたのですから、行かないわけにはいかない。遅れそうになって焦りながら、バスに乗って最寄駅に行き、駅前の携帯ショップで手続きを済ませました。私はこの日はそのままJRに乗って帰宅するはずでしたが、姉と二人で実家まで戻ります。

帰りのバスの中で、「こういう【鍵の110番は危ない!】」というような記事を読んで、不安にはなってしまったのですが、「見積もり以上はいただきません」と書いてある会社から(みんな、そうは書いているのですが)、検索上位の方の一社を選んで、来てもらうことになりました。

30分で来てくれるといいます。すごいですね。そして、需要があるんですね。

「温かい場所でお休みになっていてください」と、電話の方が言いますので、実家から歩いて1分の、姉とよく行く居酒屋に行きました。寒くても、疲れている時の生ビールは、鳴呼、旨い・・・旨いけれども、手間のかかりそうな料理は、できた途端に鍵屋さんから電話がありそうな気がするので、頼めません。生だけをぐいぐい飲んでいたら、その決断は正解で、生を飲み終えた時点で、「今到着しました」という電話が。

二人で顔をそろえて、寒いところで問題解決を見守っていてもあまり意味はないので、姉にはそのまま飲んでいてもらい、自分は実家に戻りました。

鍵屋さんから来た人は、壊れていた鍵を切って? 壊してくれます。壊れ切っていましたので、その後、まるっと錠から何から交換することになりました。人が亡くなると、お金がかかるものですが、これはなかなか、泣き面に蜂系の出費となりました。

わが実家の玄関は、西洋式のドアではなくて、重い金属の重厚な引き戸でして、壊してみますと、扉は閉まっていても、長年の間にずれて歪んでいるのがわかりました。扉を閉めても重ならない部分は、機械を使って、ぴったり重なる形にまで削らないといけないそうです。

なんだか大ごとになってしまいましたが、ようやく直った時は夜の9時。今度の鍵はディンプル錠で、どっち方向に回しても、「すた!」と言いながら元に戻ります。とても快適な廻し心地です。姉が気の毒がって、バス停まで送ってくれました。

ところで私は、実家に行くには小田急線か、京王線の2駅が使えるのですが、この日はそんなに遅くならないつもりでいたので、小田急線の方の駅に自転車で行って、駐輪場に自転車を停めていました。ところが、京王線の方の駅は、実家の最寄駅から乗り換えなしで行けるため、よく使っています。そのためか、疲れていて頭が回らなかったのか、私は何も考えずに、京王線の駅から帰ろうとしてしまったのです。とほほです。途中で気がついて、電車を降り、2駅戻り、もう一回乗り換えて、という、すごくめんどくさいことをやってしまいました。苦手な「夜の自転車走行」を、暗い裏道を拾いながら、へ〜こら漕いで家に着きました。

この前実家で封じ込めに遭ったのは、室内で、母がなんか言いたいのかな〜と思いました。
それが今度は、家に入れないし、寒いし、鍵屋さんは呼ぶしで、なんかもう泣きたい。

これはあれかしら、まだ四十九日まで間がありますので、父の魂というか霊・・いうと怖いな、じゃああれだ、霊魂か。いや霊魂も怖いですけど、お骨がありますからね。なにか父が、言いたいことがあって、鍵を壊したのかしら。なんてね。

もう今年は、疲れることは本当に、お腹いっぱいなので、要らないです。

これに先立ち、「喪中ハガキを3回注文し直した件」については、また今度・・。



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