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エッセイ554.日本のいいところ(2)トイレが綺麗

題名の通り、日本のいいところを言ってくださいと海外からやってきた人に訊くと、前投稿の食べ物と並んで、トイレがとても綺麗です、という人が多いです。

「テルマエ・ロマエ」でも、浴場設計技師ルシウス・モデストゥスが、現代日本にやってきて、このシャワートイレを体験し、恍惚とします。
彼は再びタイムスリップをして古代ローマに帰ると、早速シャワートイレットを作っていました。


 日本のトイレを絶賛してくれた人に、
「ウォシュレットが良いのですか」
と訊くと、それはもちろん良いのですが、ウォシュレットは自分の国にはあまりないので、それはもう最初から諦めているそうです。

それよりも、日本のトイレを経験してしまうと、自国のそれが、綺麗、清潔とはあまり言えない、それが辛いのだと言う人に何人も会いました。


あと先生!

ーーはい。

アメリカのトイレは、床からこのぐらい(と、手で示し)、空いています。

ーーあ、そうですね。

そればかりでなく、上も空いていますね。

ーー私は小さいから頭はドアの上から出ませんが、
そういうトイレだと、あまりプライバシーはなさそうですね。

ーーそうなんです。
日本旅行の3週間で、ものすごく綺麗なトイレとウォシュレットを知り、
またドアの上下が空いていないという安心感を経験してしまうと、
もう国のトイレは辛いですね。

ーー辛いですか。

はい、とても辛いです。


このような会話を、つい最近複数の人と交わしました。

私は外国へは、夫の帰省についていくだけで、割と都会しか経験していませんが、古いものが多いと思ったことはあっても、そこまであれなことは、まだありません。

先生、ああいうトイレで良いことは、ほんの少ししかありません。

ーー何ですか? おしえてください。

そうですね・・・。良いことの一つは、
自分の個室のトイレットペーパーが切れている時、隣室の人に乞うて、
少しペーパーをもらうことができます。

ーーあ、その、横の隔壁の下で手を延べあって、渡してもらうわけですか?

そうです。

ーーでも、一回もらってから、同じ人に、すみませんもっとください、って言いにくくないですか?

それは、言いにくいです。でもみなさん、自分にだってありうることですから、それはそれは多めにくれますよ。

ーーそれを聞いて安心しました。

と、それまで隣に座って黙っていた、無口なSさんが口を開きました。

先生、もう一つ、上下が空いているトイレで困ることがあります。

ーーなんでしょうか。

小さい子供が、ドアの下から顔を出して、こっちを覗きます。

・・・・・・・・・それはちょっと嫌ですね。


座ったままで、子供に、

「やめてください」

って言うのでしょうね。
なんだか情けない感じになってしまいますね。

それから私には、昔からとても不思議なことがあります。
二つあります。

一つは、「トイレの個室で親交を深める人たち」が出てくることです。
外国映画の中で、レストランやバーで意気投合した男女。
先に女性が席を立って、ちらっと相手の男性に流し目をします。
男性の方は、ある程度の時間を置いてから、女性のあとを追って行き、女性の入っている個室に入って行きます。
🩷🩷です。
でも、後から入ってきた人に対して、なんだか恥ずかしくないのでしょうか。
大きなトイレの中に小さな個室が6つぐらい並んでいれば良いかもしれませんが、
廊下に直接1つだけ個室がある場合などは、入る時も出る時も、ものすごく気を遣わなければならないのではないか。
あるいは、中で待っていた女性が外からコンコンとされて、彼かと思って中からドアを開けた時に、たまたま他の女性あるいは男性が外にいた場合、何と言うのでしょうか。
後にしてくださいとか言うのでしょうか。
そういうシーンは、私の妄想ではなくて本当に何度も見たので、不思議です。
ただ、まだ誰にも、これが本当によくあることなのかは、訊いたことはありません。

もう一つですが、やはり外国映画で、登場人物たちが「トイレの床に座る」ということはよくします。
ツルピカのホテルの綺麗なトイレも、普通のトイレも、
どっちかというとつま先だって歩きたいような感じのトイレでも、座ります。
嫌ではないのでしょうか。

嫌なことがあって、ガックリ、ぺたりと床に座り、壁にもたれてうなだれるとか、友達同士で床に座って話したり、慰め合ったり、いろいろやっています。
これも、アメリカとかヨーロッパの人に、訊いたことはありません。
なんだか訊くのも失礼なような気がするのです。

よく一緒に映画を見ている夫とも、たまたまそういう場面がなかったのか、やはり話したことはありませんが、こんなところで不思議がっていないで、近々、夫に聞いてみまして、その意見をまたどこかで述べたいと思います。

なんだかとても(駄)な感じになってしまいましたが、終わりますね。



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