エッセイその60. うちに住んでる外人の人(1)早く言っての巻
うちの夫は、日本にワーキングホリデイビザを利用してやって来て、
2年のつもりが、30年以上日本に住んでいます。
見慣れてしまったせいか、自分の目からは、
特に外国人のように見えませんが、
結婚した当時は、
「外人さんと結婚したんですね!」
ということで、多くの人から同じような質問を受けました。
家では何語で喋っているのか。
やっぱりお肉が好きなのか。
お箸は使えるのか。
納豆とか なま物は食べられるのか。
あと、例外なく、
優しいでしょう。
いいなぁ。
は、言っていただきました。
いやいや、普通普通。
それから、
「英会話を教えていただけませんか、友達値段で」
も、若い頃はよくありました。
全部引き受けていると時間が足りないので、
リーマンになってからはやめています。
コロナがやってくるとは知らず、
去年は呑気に東京で、銀婚式を祝って暴飲暴食しました。
私にそっくりの、日本人にしか見えない長女はその後すぐ独立し、
夫にそっくりな次女ももうじき、独立するでしょう。
26年経って、始まった時と同じ、
二人に帰る・・
と思うと、それなりに感無量です。
実は、別のところで夫のことは散々ネタにしています。
ツッコミどころが満載だからです。
人のことは言えませんが。
今日からときどき、ずっと昔に書いたことの中で、
ちょっと面白いなと思っていること、もう一度書きます。
「ごめんねね」の巻。
付き合い始めてすぐ、「ごめんねね」と言うのに気づきました。
ふざけてるのかと思っていたら、違いました。
「ごめんね」という一つの言葉があると思っていたので、
もひとつおまけに、「ね」をつけていたのでした。
面白いのでしばらく黙っていましたが、
やっと誰かが教えてくれて、言わなくなりました。
「早く言ってよ」の巻
京王新線千歳烏山駅前、
六番街の外れにあるお蕎麦屋さん、長寿庵で、
天ざるを頼んで食べていたときのことです。
私が夫に、「外人あるある話」をしていました。
「この天ざるって、お蕎麦の水気を溜めない、って言う感じで、
枠にこの簾みたいなのが載っていて、下はまる空きじゃない?
私の生徒の一人が、お蕎麦屋さんに入って天ザル頼んで、
底抜けだとは知らないで、
蕎麦つゆを だぁ〜、って、上からかけちゃったんだって。
んもう、テーブルも床も大騒ぎ。
その話が出たとき、教室にいた生徒の3人ぐらいが、
僕もやりました!
私もやりました!
と言い出したので、笑っちゃった。
知らないって、そういうことなんだねぇ・・」
こう話しますと、夫はワッハッハと笑って、
「馬鹿だねぇ〜!
外人てしょうがないなもう! (自分もですが?)
・・ところで、さっきから待っているんだけど、
天つゆが来ないね。声かけてみる?」
と申します。
・・・はい?
「天ぷらをどぷっと入れる、あの天つゆはいつ来るの?」
夫よ。
この、蕎麦つゆが、天つゆを兼ねていますが?
「・・・・えっ、そうなの?」
そうだよ。
じゃ、天ぷらは・・
「天つゆをずっと待っていて、食べていません」
お蕎麦も天ぷらも、これつけて食べるんだよ?
知らなかったの?
「知りませんでした。・・・・早く言ってよもう!」
知らないって、そういうことなんですね。
(駄)で、失礼いたしました。
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