エッセイその38. 夫婦は違うからいいのかも:たたむの章


夫婦は似たもの同士が良いと言われます。
また、違うからこそ良いということも聞きます。
私は、どちらもその通りかなと思っています。

我が家の場合は、二人は性格や好み、行動までことごとく違います。
同じなのは、飲む・読む・食べる、散歩するのが好きなことと、
理屈っぽいのと、おしゃべりなことぐらいです。
喧嘩も多いですが、足りないところを補うこともあり、
まあまあ平穏に暮らしています。

さて、コロナの時代が長く続いている中、子供の一人は独立し、
もう一人はアルバイトやリモート講義で忙しく、下宿人状態。
夫は月2回ほどの出勤の他は、常に家にいるようになりました。

最初は急に増えた二人の時間がストレスになり、
よく夫婦喧嘩をしていました。

しかしこれは、まだ気力や忍耐力があるうちに、
老後の生活のリハーサルをせよ という天の声に思えます。

徐々に家事の分担も決まってきて、今は落ち着くところに落ち着きました。

食料の準備と炊事、片付け、掃除は私。
布団を敷く、しまうと、洗濯は夫。
夫のタスクはそのほか、私がやってと言うことの全てです。
これがバカになりません。
夫よいつもありがとう。
靴磨きやアイロンは、自分のだけやります。
どうですか、楽そうではないですか?
めちゃくちゃ楽です。

こうなる前の話ですが、洗濯は、私が自分のやり方に固執したため、
任せようとしかけては 取り戻すことが、ずっと続いていました。

私は、乾くように干すのと(これが夫には当たり前ではない)
畳じわがなるべくできない畳み方をするのが好きです。

世に、ジーンズ用や、大きいバスタオル用の洗濯物干し、
というのがありますよね。
うまく考えられているなぁと感心します。
けれど、そういう便利グッズに心は惹かれても、
物が増えるのは嫌なので、導入は見合わせてきました。

天気の良い日に大物や厚物を洗い、
小物はちょこちょこ室内干しをし、
ソックスの畳み方は決まっていて、
タオルや布巾はできるだけシメトリーにたたむ、それが私。

トップスは、真ん中に皺ができるのが嫌なあまり、
自分の上半身を「畳み台」にして、引っ張りながら、
ブティック畳みをいたします。

それが、私以外の家族は、たたんだという事実が大切なので、
どこに何本シワができるかは、全く気にかけません。
豪快なものです。
Youtubeなどに目を向けたまま、はい縦、はい横、
と、全て2動作で畳みまして、
袖などは、あ、ついていたんだね?
ぐらいの対応をしているようです。

私はずっと家にいますし、
g.u.のワゴンやしまむらで買ったTシャツが
たとえ、縦横斜めにシワがあっても、
そんなのいいじゃないかというところです。
んが、そこを譲れなかったばっかりに、
親切な夫から何度申し出られても、
洗濯を任せることができませんでした。

夫は、昔のキウイの伝統、
18とか大学に入るタイミングで家を出て、
数人で一軒家を借りて住むというのをやっていて、
日本でも一人暮らしが長かったですので、
家事一般、全部できますし、嫌がりません。

さて、コロナの時代になってから、
夫が洗濯省の大臣になりました。

天気などを毎日確認してから、
今日は急ぎの洗濯をして、それを室内干しとし、
それ以外は水曜日にやろうと思いますが、如何。
と言いにきます。
言いに来なくていいです、存分にやってください。

こだわりを捨てた私は、小鳥のように自由です。
どうしてもシワが嫌なトップスは、(でも、しまむら)、
特にお願いをして、ハンガーにかけっぱなし収納、
にしてもらったので、全く問題なしです。

(多分私が、自分ができなくなるまではしがみつくのは、
料理だけだと思います)


さて、私は昔、夫が洗濯物を干したところを見て、

あなたはあれか、ちゃんと乾くように干したら
逮捕される国から来たわけ?!

と叫んで爆笑されたことがあります。

それほどに、どうしても乾かすものか!
みたいな干し方をしていたんですよね。

具体的にいうと、クリーニング屋のへなちょこハンガーに、
無造作に四つ折りにした自分のジーンズをそのまま掛け、
その上に、合気道の道着の上を掛けていたのでした。
これでは2日かけても乾かないことでしょう。

今朝私が一人でたたみ直しながら笑ったのはお弁当風呂敷。
まさに、綺麗に畳んだら逮捕される国から人なのか。

角が合わないなんていうのは 全然いいのですが、
どうすればここまで 難しく畳めるのでしょうか。


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工夫の賜物レベルというか、私にはここまではできません。

お弁当風呂敷は、バンダナも含め、
四つ折りにしてからさらに三つ折りにすると
(上の方の女の人の絵のものの畳み方が、それです)、
ちょうど、お弁当部の部室に収まるんですよね。

部室で出番を待つ、部員の皆さん。
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毎日4人分のお弁当を作っていた時代は終わり、
今では作るのは、月に何回か出社する親父弁当だけになりました。
こんなにたくさんお弁当風呂敷も要らないのですが、
どうも処分することができないでいます。

夫には得意なことがたくさんありますが、
例外的に、布をたたむことは少し苦手のようです。

金子みすずではないですが、

「みんな違ってみんな良い」

これをときどき思い出せば、家庭は平和かも。
強引にそういうことにして、終わらせますね。

ちょっと続きます。

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