見出し画像

【感想】打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

どうも大妖精です。
なんか初地上波放送だとか。
Twitterの反応が気になったのでぼんやり書いてみる

Twitterの言葉

とりあえずTwitterで脚本や演出や声優などにメジャーな人を持ってきて滑った作品のような扱いを受けてて驚いたんだけどこの作品の評価ってどんな感じなんだろうか?と気になりました。

リプを見ててもあまり作品の擁護コメントがなくて、「君の名はの二番煎じではない」とか「それなりに興業としては成功している」という事実を補正するようなコメントが見られたくらいです。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

アニメをどうこういうよりも原点である映画を見てるかどうかというのも大きいかなって思います。
みんな知らないでしょ?

元々はドラマ→映画という流れだったかと思いますが岩井俊二監督作品でこの映画は何度か見てる。
ドラマと映画を混同してる感じがする。映画を見ててあれ?なんか話が飛んだなというところもあったので編集でカットされたのだろう。ということはドラマも見てたように思う。

当時の印象は正直「奥菜恵が可愛いな」としか記憶がなかった。
あと岩井俊二ブームがあったので彼の作品をまとめて見てた世代なので全体的にちょっと何言ってるか分からない状態でもあった。

大人になって見た感想

映画を見返して見たのだがとても良かった。
これは大人になると視点がグッと変わるんですね。
子どもの頃は山崎裕太視点でしか見てなかったわけです。なので作品は少年の心の中の気がかりな事件だけでしかなかった。
山崎裕太が奥菜恵に振り回されて

「なんだよ、アイツ…」

って思う。
それくらいの出来事。

しかし大人になってみると山崎裕太にモゾモゾするね。そこは行っとけよ!とかもう、なんというかモゾモゾする。
まだ思春期を迎える前の少年に訪れた恋の予感。
それが恋なのかどうなのかも気付かず何も受け止められない。まだまだ友人と遊ぶことが楽しい時期だもの。
これには踏み出せない男の弱さとか意気地無さとか、こっぱずかしい思い出を思い出した時に
「あーーーー!」
と叫び出したくなる思いに駆られるのです。

少年期から青年期で経験するであろう淡い思い出に、その当時の自分を重ね合わせて、胸がつかえるような思いがするのです。
それをうまく映像化しているなという作品だと思います。

アニメ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

さて問題のアニメなのですがアニメ化が決まってから難産だったように思います。発表からかなり時間が経ってからのような気がする。

脚本を務めた大根仁さんのインタビューを見たことがあるのですが天才の呼び声高き岩井俊二さんが完成させた映画をわざわざアニメ化するというのはとても大変だったことでしょう。だいたい映画の尺が50分ですから加筆が必要になるわけですよ。
それはそれは大変だったことでしょう。
時代の変化もありますからそこの修正もあるし、だいぶ違う作品になったのは仕方ないことかと思います。

アニメ感想

正直この作品で良いなと思ったのは
◎わかりやすくなったこと
◎『打上花火』という楽曲が素晴らしいこと
です。

残念に思うのは
◎わかりやすくなったこと

です。

私の勝手な憶測にはなるのですが、この作品に関わっているとあるプロデューサーが絡む作品の『わかりやすさ』という部分が私は好きではありません。
岩井俊二作品は少し癖のある部分があってそれがアクセントや臭みとなる。パクチーとまでは言わないけど好きな人に取ってはたまらない部分なのです。

今回のアニメではここ嫌いな人いるんだから違う食材で行こうよと。

それは違うよ!となるわけです。
パクチーが好きな人には物足りないのです。
あの臭みがよかったんだよ!って。

原作からすると蛇足な部分が多いように感じてしまい物足りない。
単に冗長になった印象を受けました。

ただ音楽がいい。
米津玄師さんとdaokoさんの打上花火がとてもいい。ずーっと聞き続けたい。
ということで音楽ずーっと聞いてる時期がありました。

リメイク作品として画もキレイだし過去の名作に触れる機会としては良い機会だなと思いました。

まとめ

『わかりやすさ』という価値観は大事だと思うけど、わかりやすい作品が必ずしも良い作品ではありません。
映像作品において素晴らしいのは言葉で伝わらないことを視覚や聴覚など読書や絵画では伝わらない何かを伝えられることだと思います。
なのでモヤモヤした何かを心で感じることが一番大事で、岩井俊二という人はそれがとても上手な人だと思います。

あら?なんかアニメにはやっぱり批判的な感想になったかも…
でもね一度は見てもいいと思います。
そして映画もぜひ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
よろしければフォローお願いします。

なんか書き手の意欲が上がるというボタンです。 押していただくと感謝と意欲が上がることでしょう。