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宿題軽減・塾禁止の中国の本音

中国政府が2021年7月下旬に
発表した「双減」と呼ばれる通知が、
中国国内で衝撃を与えている


小中学生の宿題を軽減し、
学習塾など学外教育の負担を
軽減するというものだ


中国では1979年から
急激に増えてきた
人口増加の抑制を目的に


一人っ子政策を
続けた結果、人口構造が
いびつになり


2016年から2人っ子政策を
打ち出すも効果が少なく


2021.5月に3人っ子政策を
打ち出した


一人っ子政策を解除すれば
すぐに出生児が増えると
読んでいたのだろうけれど


時すでに遅しだったのかも
しれない


私が中国上海に住んでいた
2011年時点では、


人件費も2桁アップしていたが
それ以上に住宅の価格の値上がりが
半端なく高騰していた


中国では土地は国のもので
購入も賃貸も基本的に
約50年の定期借地権付き物件だ


当時でも駅近2LDKだと
賃貸で25万円、購入で1億円超え


毎年のように
賃上げの要求を突きつけられ
嫌なら出ていかないと
いけない状況だった


中国では基本夫婦共働きだが
一人は家賃支払いのため、
もう一人は子供の教育費用に
追われていた


その後二人っ子政策に
なったからといって
どちらも削るわけにはいかず


もう一人欲しいけれども
実質的には困難だと言っていた


上海から500km内陸にある
安徽省合肥市にあった
お客さんも悩んでいた


合肥は今ではEV自動車の
開発、生産拠点として有名だが
当時、近々新幹線の
2つ目の駅ができ


飛行場や地下鉄も
できるとこだったが
同様に住宅価格の暴騰で


日系企業の社長さんが
嘆いていた


従業員が会社を辞めて
田舎に帰ると言って
困っているとのこと


中国では当時、結婚するには
住宅と自動車を持っていなくては
嫁さんが来てくれないという
習慣があった


必ずではなかったかと
思うが、上海でもそう
言われていた。


中国でも高度成長とともに
大学進学率も増え続け
今だと50%近いのではないだろうか


6月にある大学受験テスト1回で
行ける大学は決まってしまうため


子供への教育もどんどん加熱


3年ほど前に大連に行った時
夜8時ころ、高校の前にずらりと
並んだ高級車は、


遅くまで勉強している子供を
迎えに来た親が待機しているのだという


定かではないが
高校は朝の8時から夜の8時まで
やっているところも多数
あったようだし


中高一貫の私立で
年間1000万円授業料の学校も
あったと聞いて驚いたのを
今も覚えている


こうした教育加熱を冷やして
子供を増やしていくために
宿題の軽減や、塾の禁止に
政府は踏み込もうとしているが


マズローの5段階欲求の
最高レベルである
自己実現欲求を目指す


昔の日本ではないが
高度成長を続けている
今の中国では簡単なことでは
なさそうにみえる

(写真はフリー画像から取ったもので、
文章内容と直接関係するものではありません)

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