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星を見つめて涙を流す お姫様症候群

働き始めて4年が経つ。それなりに色々慣れたこともある、未だに慣れないこともある。恐らくこの時期になると誰しもが、このままでいいのだろうかと考える。僕もその一人である。僕の人生のあらすじにおおよその見当がついたからであろう。どのぐらいの給料を貰って、どのぐらいの年齢で結婚して、どのぐらいの幸福感を得るのか、大方想像ができてしまった。その想像が正しいのか、正しく無いのかは別の話でありどうでも良い。ただ想像できてしまったというだけである。

そんな生活の中でも、なるべく幸せを積み重ねたいと思っている。仕事も真面目にするし、趣味もそれなりにある。これでいいのだと納得できる時もある。でもやはり何かに期待をしている。自分にはもっとふさわしい、運命の出会いがあるはずだと思っている。仕事でたまにやりがいを感じたとき「いけない、これは偽りのやりがいだ。ぼくは餌を釣られた馬だ、目を覚ませ」と言い聞かせている。「この環境でいることに喜びを感じ、その達成感を享受したならば、お前の予想は正しいものになるよ」と恐怖感が僕に耳打ちするからだろう。その達成感を手放しで受け入れられたらどれほど楽だろうか。僕は馬鹿野郎である。

いまだにここは自分の運命の場所では無い、他にもっと自分にぴったりの場所があるはずだと駄々をこねているだけである。これはさながら、王子様を待つ姫のようである。やりがい・生きがい・人生の意味という名の王子様を待つ姫である。そんな王子は一向に現れない、姫がするべきことは、今自分ができることをすることである。そうと分かっていても、石造りの塔のてっぺんの窓際から、星を見つめがならホロリと涙を流すお姫様症候群を今日も元気に発症している。

ほろり

よい曲を作り続けます