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ビッグバンドにおける「高い・速い・デカイ」について。某国営放送のお笑い番組のオープニング曲、ボクシング映画のテーマ曲等々、ビッグバンド以外にも通じる魅力についていくつか紹介します。

はい、ビッグバンドファンです。今日はビッグバンドの「高い・速い・デカイ」について話していきたいと思います。

「高い」は高い音域の演奏

まず「高い」、これはビッグバンドではトランペットの高音、ハイノートなんて言われます。余談ですが、その昔、学生の頃ですが後輩にハイノートと言って話していたら、何を勘違いしたかその後輩が「ハイの音」と認識していたらしく、「ハイってどういう音なんですか?」と聞かれたことがありましてね、以来気を付けるようにしています。ハイノート、英語です。ハイは高い、ノートは実は音符とか音といった意味がありまして、そのまま「高い音」という意味になります。さて、このハイノート、特にビッグバンドだとトランペットセクションが担当することが多いですが、これがねビッグバンドでは一つの華ではあるんですね。バトルジャズビッグバンドに限らずですが、トランペットは一般的に曲の中でバンド全体が盛り上がってくる箇所、トゥッティなんて言ったりしますが、その部分に差し掛かると大抵音域が上がります。まぁ、ポップスとかでもサビの部分に来ると上がりますよね?昨年レコ大とった紅蓮華なんかも、Lisaさんね、サビすごい高い音域いきますし、イメージとしてはまさにポップスのサビのイメージです。そう考えると高い音がバシバシ出てくる曲ってポップスにしろビッグバンドにしろテンション上がりやすいっていうのはイメージしやすいかと思います。

「速い」はテンポが速い、アップテンポ

次に「速い」です。曲のテンポですね、これが速い。これもビッグバンドに限らず、いわゆるアップテンポの曲というのはテンション上がりやすい、なんとなくイメージしやすいですよね。ただ、ポップスとか他のジャンルに比べてビッグバンドのアップテンポというのはちょっと単位が違っていたりします。四分音符指定でテンポ300とかね、そういうのが出てくる世界ですね。今時の野球界といえばいいんですかね?160キロ超なんて、今や大谷選手とか佐々木選手とか、出しますからね。インパクトとしてはテンポ300超えてくると、野球の球速で言うと150キロ超というんですかね、そんな感じです。あとは単純なテンポだけでなく、ラテン系のビートを絡めるなどして、速く感じさせるというパターンもあります。ビッグバンドジャズの曲、色々ありますが、オーソドックスなパターンに「4ビート」というのがあります。12341234と刻む、そういうパターンです。これを早く刻むことでアップテンポにするという方法、これが一番シンプルです。ただ、そうではなく早く感じやすいパターンを採用するという方法もあるという話ですね。あとは曲途中でのテンポチェンジ。ゆっくりなテンポから速いテンポにという変化があるとよりアップテンポを効果的に聞かせられます。これも野球なんかで言われますよね。速いストレートのあとのチェンジアップとか、その逆とか、実際の球速以上に速く見えるという。体感として速いと感じさせる。音楽としては疾走感とかそういうものにも繋がってきます。

「デカイ」は音量が大きい、華やか

そして3つめの「デカイ」。いわゆる爆音と言われるヤツですね。これもビッグバンドに限らず、他のジャンルの音楽でも音のシャワーを浴びるとかそういう表現で魅力とされますよね。ビッグバンドの場合、シンプルに人数が多いので単純に音量ボリュームの面で大きいというのもありますが、音数や音質という面でも華やかになるという傾向があります。それこそポップスのアレンジでも同じ曲なのに曲想が変わってくる、最近はテレビの音楽番組も少なくなったので目にする機会が限られますが、年末の紅白歌合戦やレコード大賞などを見ると発表された音源とは違う、オーケストラやビッグバンドがバックで演奏するというシーンが見られると思います。これを元の音源と比べてみるとやっぱり華やかだなぁと感じられると思います。この3つが揃っている曲を聞くとテンションが上がりますよね。元気になれる。

バトルジャズビッグバンドについて

では、ビッグバンドでこの3つを前面に押し出しているバンド、結構沢山ありますが、日本では「バトルジャズビッグバンド」さん、これが分かりやすいかなと思います。名前からしてインパクトありますよね、バトルジャズ!!バトルは戦うですからね、戦うジャズですよ。その名の通り、サックスプレイヤー、そして作編曲家としても活躍されている吉田治さんがリーダーとなって結成されたビッグバンドで、高速チューンばかりを集めたコンピレーションアルバム「BATTLE JAZZ ~ ビッグバンド・アルティメット高速チューン 1&2」を2006年、2007年にそれぞれ発売したことをキッカケに2008年、3作目の発売にあたり実際にビッグバンドを編成、そのレコーディングがきっかけとなって結成され、その後も2009年に4th、2010年に5thとアルバムを発表、2012年にもライブを行っています。最近ふと耳に入ってきたのが、NHKで毎週土曜日の10時10分からやっている「有田Pおもてなす」これのオープニングですね。かなり派手なフレーズで始まりますが、あれは「Battle Of The Bop Brothers」という曲です。Matt Cattingubという方の曲になりますが、バトルジャズビッグバンドでも演奏しています。

Buddy Richさんについて

あとはバトルジャズビッグバンドさんのアルバムの中でも取り上げられていますが、バディリッチさんのビッグバンドですね。余談ですが、私、学生時代、受験等の大切なイベントのある朝は必ずこのバディリッチさんの曲をかけてました。特にTime Checkという曲、これはまさに先程述べた「高い・速い・デカイ」の3拍子が揃っているので、テンションガチ上がりします。あとは文字通り「Good News」という曲ですね。テンポそのものは速いわけでないのですが、バディリッチさんのドラムワークによってバンド全体が疾走感をもって演奏している、聞くと自然とテンションが上がる、そんな曲です。バディリッチさん、YouTubeにも動画、中にはテレビ番組の面白企画みたいな動画もありますが、色々上がってますので是非見てもらえたらなと思います。

Maynard Fergusonさんについて

それからメイナードファーガソンさんのバンドですね。スタートレックのテーマ、ロッキーのテーマ、セサミストリートのテーマ等々有名なテレビ番組や映画のテーマ曲を取り上げるなど、ビッグバンドやジャズという枠を超えて魅力を発信されてきた方です。ファーガソンさん自身はトランペッターで、先程言った3要素の一つ「高い」、この魅力を存分に味わうことが出来る方です。ただ、この人の演奏は正直音源で聞くよりライブで聞きたかったなぁ、と思うんですよ。残念ながら2006年8月にお亡くなりになられてるんです。どうしても音源で聞くと、このファーガソンさんの音が高すぎるというのもあると思うのですが、それぐらい凄まじい音域で演奏する人なんですけど、最近のメディアでは高周波の部分がカットされてしまうのでその影響か少し音がチープに聞こえるんですよね。絶対ライブの音はこんなじゃなかったんだろうなぁ、と思うんですよ。

エリック宮城さんについて

なので、今日本でライブで同じようにトランペットのハイノートを堪能出来る、となるとやはりエリック宮城さんになるんだろうと思います。Blue Note Tokyo All Star Jazz Orchestraのリーダーとして活躍されるだけではなく、ご自身のバンド「EMバンド」も1995年結成以来継続的にライブもされていますので、「高い」を堪能したい方はライブで楽しまれるのが良いかと思います。あとはメイナードファーガソン氏はとてもミュージシャンに愛されていた方で、動画見ても分かりますが、例えばソロで演奏するプレイヤーを丁寧に招いて、演奏が終わったあとにお辞儀されていたり、これは愛されるわけだと思うシーンが見られます。ということでトリビュートバンドというのが日本でもアメリカでもあります。やはりそこでもメイナードファーガソン役のトランぺッターがハイノートを響かせる、そういうシーンが出てきますので堪能出来るんじゃないかと思います。

Stan Kentonさんについて

それから少し古いですが、スタンケントンさんという方も紹介しておきます。今申し上げたメイナードファーガソン氏が若い頃に在籍されていたバンドとしても有名で、先程の3拍子揃った曲を結構取り上げていたりします。バトルジャズビッグバンドでもSamba de Hapsという曲が取り上げられてますね。ちょっと変わり種としては「Malaguena」という曲、原曲はビッグバンドやジャズという枠だけでなく、幅広いジャンルで演奏されている曲ですが、これを「高い・速い・デカイ」アレンジでスタンケントンバンドが演奏してまして、まぁとにかく派手です。あとビッグバンドではないですがBlastというマーチングバンドのパフォーマンスを極めたステージが魅力のグループがありまして、「Malaguena」を演奏してます。派手さという意味では同じように演奏していますので、公式YouTubeチャンネルもありますので、興味ありましたら見てもらえたらと思います。
ということで、今日はビッグバンドの「高い・速い・デカイ」について取り上げてみました。ここまでお聞き頂きありがとうございます。ご興味お持ち頂けましたらチャンネル登録して頂けたらと思います。以上、ビッグバンドファンでした。ばいばい~

Buddy Richさんの紹介(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81

Maynard Fergusonさんの紹介(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%B3

エリック宮城さんの公式サイト
http://www.ericmiyashiro.com/

Stan Kentonさんの紹介(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3

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