のて 56

夏だ。具体的には夏の顔だ。

0701
昨日はぱぱが定年退職するラスト出勤日。朝6時「あちー」と特別でもなんでもない顔でドアを押すぱぱを、ママや弟と一緒に「いってらっしゃい」とお見送りしました。

推しのソロ曲の歌詞に「責任の肌触りを 繰り返す日々の意味を 何より誰かの為に生きる難しさを」という一節があって。
ふと思い出しながら、自分の為だけじゃなくわたしたちっていう責任と覚悟を背負って働いてくれてたんだなと。ぱりっとアイロンも虚しく、出勤前すでに汗でくたりのシャツを見て、思いました。


弟もわたしも私立の高校大学に通わせてもらったし、おばあちゃん含めた家族5人の生活を何十年も守ってきてくれたぱぱには、心から感謝してます。

決して裕福だー!とはいえなかったし、短い期間とはいえリストラにあったりもしたし。でも、「じゃあどこから節約しよっか!」「こんなに安くてこんなにいっぱい入ってるのいいね!」と日々を一緒にたのしめるままがいてくれたので本当にただの1度も苦に思ったことはないし、ぱぱにも不満持ったことはないです。

むしろ、今回も家のローン(引越し前に住んでいた部屋を所有していたので)を売ることで完済しきって、わたしたちに残したくないものを無くしてくれたり。ご時世を考えても再就職しないとだったり。まだまだ「お父さん」の顔を頑張ってくれていて、本当に頭があがらないや。


我が家は小さいころから仲が"良すぎる"と周囲のヒトから小ばかにされてきたし実際に過保護ではあったと思いますが、今もそれを恥じてないし感謝こそすれ、と感じてます。(かといって我が家以外をおかしいとか間違ってると思ったこともないですが)

家族といえど結局はヒトとヒトのコミュニティで、我が家はたまたま相性がとてもよかっただけだと思います。まあ、歩み寄りポイントは、どちらかといえばマイナスよりかもしれないし……

だからこそこれからも わたしは自分のたいせつなヒトとの関係性、コミュニティも大切に丁寧に育てていきたいなと感じていて。つくるんじゃなくて、一緒にはぐくむ感覚。いやなことが起きた時も たのしいことが起きた時も 一緒に考えて感じて日々の色を共有しあえたら、この上ない幸せなんだろうなって思います。

スーパーカーに乗りたいわけじゃないし
プール付きの豪邸に住みたいわけじゃない
毎日キラキラの生活を送りたいわけでもなければ
夜景の見えるホテルでプロポーズされたいわけでもない

一緒にいるヒトのいろを大切に、日常の延長線上を愛していけたらいいな。

って、両親を見ていて思いました。
本当に感謝です。ありがとうございます。


婚約解消してからは結婚についてより深く考えるようになったけど、自分と相手がなるべくありのままでいられることや隠し事を"しなくていい"距離感はやっぱり大事にしたいと思います。なんでもすぐに言い過ぎなのは自覚しているけど、後から知ったり後から言うことが現状以上に好転するパターンってほぼないと考えているので(個人の意見です)

その核って決して"言わなきゃ"じゃなく、あくまでも"伝えたい"っていう共有したい感覚で。
「そうなんだへー」でも、
「わかる!」でも、
「それは違くない?」でも
感じることはなんだっていい。
共感することが最重要ではなくて、日常が在ってその一部にすきなヒトがいるから伝えたい。
そういうことなんです。



0717
この日は定年退職のお祝いに、お昼家族でご飯を食べに。本当はおばあちゃんも一緒の予定だったけど、急増するコロナを懸念してお家にいることを選択してました。お祝いの席だから少し残念だったけど、かえってゆっくりとできてよかったのかもな、と思っちゃったり。

ポケモンGOコミュニティデイのためにぱぱとままははやめに出て、後から弟と2人で出発。独特の、我が家の姉弟にしか流れない空気をまとって「今後どんな仕事につくのか」だとかそんな話をしながらちゃっかりと遅刻しました。

コースにプラスした鮎の塩焼きや天ぷら盛り合わせ、海老のおつまみを含め、すべてが美味しかったし、久しぶりに日本酒も飲めて楽しかったな。ベテランで何度もお会いしたことがあるおば様店員さんはもちろん、新人と思しき初々しい男の子も一生懸命おもてなししようと頑張ってお仕事してくれていて、感謝に満ちた空間でした。

「何十年もありがとうございました」と言いながらおいしいおいしいって本人より喜ぶままを、動画におさめながら「幸せそうだなー」と言うぱぱ。素敵だったし努力でなれる関係・空気ではないだろうなって今一度、しみじみと染みました。わたしもいつか自分と相手だけの大切な空気をつくれるのかな、とか。


気分があがって浮かれた帰り道だったので
ままの分まで服を買ったりだとか、まだ買い物があるというのに7冊も本を買ったりだとか、久しぶりに後先考えず思いのままに動きました。童心は忘れない方がいい!

すきなヒトと電話して、少しのずれをかちりと緩やかにはめていくような時間もとれて、やりたいことすきなことワクワクしちゃう全部を詰め込んだおもちゃ箱みたいな1日でした。


0722
お互いがやるべきコトに向き合い忙しくしてる「今」のひと隙間、短かったけど自分のままでフフをこぼせる時間が取れて、うれしかったです。(取ってくれて、と書こうとしたし事実そう感じていたけれど、意識的にやめておきます)


0726
自分のよくないところ込込整理するための、余白ができる瞬間みたいなものを識る日でした。
無駄・不要?の"じゃなくても説"から抜け出せないままの脳内くるくるの乱反射も、ほんのちょっぴりの余裕で違った入射角になるなと感じたり。


0729
ヒトは水だと、改めて深く実感するそんな月でした。
濁っても混じっても、波紋で揺れる日を含めてゆっくりと流れていくんだと思います。

むしむしとアスファルトが照り返し歪む夏の顔で、蛇口を捻る腕に浮かぶ汗とアクエリアス。そんな8月が来るといいなと思います。
マーブル色だってわけ合える、そんな延長線上で。


おわり

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