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誰も知らない裏話!DVD動画「牛を一撃で倒した男 大山倍達」に隠された秘話

今回のお話は、格闘技ファンにとっては非常に興味深い内容になるかと思います。

それは伝説の空手家、大山倍達と猛牛の対決に隠された裏話です。

この情報は私が独自に入手したものなので、世にはほとんど知られていないと思います。

それでは、さっそく話を始めていきましょう。

猛牛と闘った大山倍達

私が子供時代を過ごした1970年代というのは、ちょうど格闘技ブームの幕開けの時期でもありました。

その大きな火付け役となった1人が、極真空手の館長こと大山倍達であったのは言うまでもありません。

当時のテレビで放映されたアニメ「空手バカ一代」は大山倍達の半生を描いており、それを観て空手を始めた人も多かったのではないでしょうか。

そのアニメの中で、子供心に私の印象に強く残っていたのは、大山倍達と猛牛の決闘シーンです。

猛牛は雷電号と呼ばれていたのですが、実はこの闘いは実際に行われたものだったのです。

時は1956年11月11日、闘いの舞台は田園コロシアムでした。

事前に配られたビラには、世紀の決斗、猛牛対大山七段、日本最初の空手試合、といった文言が明記され、人々の大きな関心を寄せました。

しかもこのイベントは、現在のTBSで放映も決まっていたようです。

大山倍達はこの猛牛との対決に備え、事前の8月に入ると3人の弟子を引き連れて2カ月の合宿を行ったと言われています。

何しろ、このイベントは空手を世に広めるための大きなチャンスでもありましたから、絶対に負ける訳にはいきません。

そこで、大山倍達は入念な下準備を行いながら対決の日を待ったのです。

さて決闘の当日、日刊スポーツではテレビ欄に別枠で特集記事を掲載するほどの盛り上がりを見せていました。

ただし、動物愛護協会からの圧力もあり、警察庁には牛を殴らない、殺さないという名目で興業許可を取っていたそうです。

そして、テレビ中継の時間が迫り、遂に猛牛の雷電号が会場に姿を現しました。

体重は562kgで、角の長さは55cmという堂々たる風貌は、観客を魅了するには十分過ぎる程でした。

続いて大山倍達が姿を現します。

そして、20m四方の木柵で囲った決戦場で、大山倍達と雷電号が相見えたのです。

大山は両手を掲げて雷電号を待ち構えるものの、相手は柵の入り口付近で動きません。

これでは猛牛とは名ばかりで、観客も拍子抜けです。

業を煮やした大山は自ら牛に歩み寄り、その角をつかんで力一杯に首を捻り上げました。

雷電号は必死に抵抗するものの、遂に引き倒されて大山に押さえ付けられてしまいます。

ここで、叫ぶような場内アナウンスが流れました。

「これ以上、牛を締め付けると気絶しますので中止します」

時間にして、9分50秒の出来事でした。

そして、この呆気ない幕切れに場内は唖然とします。

大山倍達自身は牛の角を折りたかったのですが、それは動物愛護の問題で断念せざるを得ませんでした。

空手バカ一代に見る猛牛との対決シーンには、こんな実話が秘められていた訳です。

遂に動画を公開!大山倍達vs猛牛

さて、子供時代に空手バカ一代をご覧になった方の多くは、私と同様にこんな事を考えていた筈です。

”大山倍達と猛牛との実際の対決シーンを見てみたい”

しかし、当時はそんな動画が出回っている訳ではありませんでした。

そして少し後になってから、ようやく格闘技雑誌などを通じて写真を見る事が出来る様になったのが実際のところだったと思います。

ただ写真ではなく、その動画を見てみたいという私の強い願望が消える事はありませんでした。

そんな中で、1990年にある1本のビデオがレンタル開始となったのです。

それは、「最強神話、直伝!牛殺し 大山倍達」というタイトルのビデオです。

私自身は見ていないのですが、そのビデオには大山倍達と牛の決闘シーンが僅かに20秒ほど収録されていたようです。

もし私が見ていたとすれば、おそらく消化不良を起こしていたに違いありません。

20秒というのは、余りにも短すぎる訳です。

その後2007年になり、今度はこんなDVD動画が発売となっている事を私は知ったのです。

「牛を一撃で倒した男 大山倍達」

この動画は先のレンタルビデオをDVD化したものですが、注目すべき点は、牛との対決の未公開動画が2分10秒の追加となっている事でした。

”遂に、ちゃんとした動画が見れる!”

私は直ぐにこのDVDを注文し、その到着を待ちました。

何しろ30年越しの思いが実現する訳ですから、私はワクワクしながら数日を過ごしました。

そして遂に、大山倍達と猛牛の決闘シーンを目撃する事になったのです。

既にご覧になっている方も多いと思いますが、動画の内容を簡単に説明するとこうなります。

時は1954年1月14日、決闘の場所は千葉県館山市の八幡海岸です。

まず初めに、身長173cm、体重82kgの鍛え抜かれた大山倍達の肉体が映し出されます。

対する牛は体重450kg、角の太さは9cmで、その長さは40cmあります。

決闘が始まると、角を掴んで押し倒そうとする大山に対して牛が必死に抵抗していました。

そうしているうちに、牛の首が捻り上げられそうになった時、一瞬の牛の抵抗によって大山の脇腹が角で一文字に切られてしまいます。

大山は意識が遠のいた様子を見せましたが、何とか牛に食らえつきました。

そして、遂に牛を押し倒して戦意を喪失させたのです。

その後、弱った牛が立ち上がろうとした時に、大山は角の付け根に手刀で一撃を浴びせました。

すると、根元から折れた角が地面に転がり、それを大山倍達が拾い上げてラストシーンとなりました。

この決闘は30分近く続いたそうですが、DVDに収録されていた動画は僅かに2分30秒程度です。

動画を見終わった私の率直な感想はこうでした。

”出来る事ならノーカットで見たい”

その願望を叶えるべく、私はある事を思い付きました。

制作者から直接聞いた、DVD動画の裏話!

私はこの動画の制作・販売元に直接電話をかけ、大山倍達と牛との決闘シーンをノーカットでDVDに収録して欲しいと直談判してみる事にしたのです。

さっそく電話をかけてみると、応対したのは運よく動画の制作に加わった人でした。

以下、その時のやり取りを、約10数年前のメモと記憶を頼りに再現してみます。

このやり取りを見てもらえれば、あの牛との決闘の裏話が見えてくると思います。

私:「今回、大山倍達と牛の決闘DVDを購入したのですが、少しお聞きしたい事があります」

制作者:「ご購入、ありがとうございます。何をお聞きになりたいのですか?」

私:「この決闘の映像は、当時テレビで流されたのですか?」

制作者:「動画の一部が、ニュースとして流されただけです」

私:「決闘のノーカット動画は誰が所有しているのですか?」

制作者:「裏で一部の極真関係者の手に回っている可能性が高いと思います」

私:「最初のビデオでは20秒だった決闘シーンが、今回は2分30秒に伸びたのはなぜですか?」

制作者:「生前の大山倍達氏に頼んで、何とか実現したのです」

私:「残りの未公開シーンについては無理だったのですか?」

制作者:「内容に納得が出来ないという理由で、大山氏の許可が下りなかったのです」

私:「元の動画は30分くらいあるのですか?」

制作者:「いえ、10分くらいだったと思います」

私:「では、あなたは元の動画をノーカットで見ているのですか」

制作者:「はい、編集の過程で見る事が出来ました」

私:「その動画をノーカットでDVD化する事は可能ですか?」

制作者:「それは親族の許可がなければ無理です」(大山倍達は既に1994年に死去している)

私:「それは残念です。ではあなたの記憶の範囲で、未公開シーンについて教えて頂けませんか?」

制作者:「余り言いたくありません」

私:「何か理由があるのですか?」

制作者:「大山倍達のイメージにも関わる事なので、言いたくないのです」

私:「話せる範囲で、少しだけでも教えて頂きませんか?」

制作者:「大山氏が牛に反撃されている部分もあったというか...」

この時の電話で聞き出す事が出来たのは、この辺が限界でした。

ですから、残りの未公開シーンについては、永久に一般公開される事はないでしょう。

視聴者としては、大山氏が途中で牛に反撃されながらも、最後には牛を倒すという一連の流れが映っていた方が、より見応えがあったのではと思います。

そうは言っても、カットされた部分については、自分の想像を膨らませて楽しむより他はありません。

いずれにしても、大山倍達が空手界に残した功績は、非常に大きなものである事は確かです。

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