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”未完成の旅”でもあり、”力いっぱい”生きることこそがアート~n・a・n・l⑨

私が『no art, no life』で出会って圧倒されたのはアート作品だけではありません。

作品を作っている人の考え方に圧倒された場面もありました。


生きるというのはアートそのものであり、その人生とは・・・・

”未完成の旅”でもあり、”力いっぱい”生きることである


やばい!そっか、ゴールなんて必要ない、いまここを一生懸命に生きる、追求し続けることが本来の人間らしさなのかもしれない。

ゴールにたどり着くこと、完成させることが人生ではない、そんなものを目指すのはつまらないって!

なるほど!自分がやりたいことを深く追求する、力いっぱい創って行くことが、”見える”ためのヒントとなるのではないか?

見えていない人の多くはゴールや完成を目標に生きている、だから”見えてこない”わけなのか・・・

それでは、そう考えたきっかけを与えてくれた2人をご紹介したいと思います。




尾澤佑貴さん(放送当時は中学2年生)


厚紙を切り接着剤でつなぎ合わせて作るのは昔懐かしいクラシックカー。特に国産車がお気に入りのようです。しかも、車を作るだけでなく、ジオラマっぽい、修理工場も作り始めたという尾澤さん。

NHK番組『朝までno art, no life』
NHK番組『朝までno art, no life』

いつでもどこでも創作意欲が止まらない尾澤さん。そんな尾澤さんがおっしゃったことがとっても印象的です。

尾澤佑貴さん
「なんか完成があるとか、説明書があるのが嫌いなんで。なんか奥深く追及してこそ工作なのに、なにかゴールがあるって嫌なんですよね。”未完成の旅”。」

NHK番組『朝までno art, no life』


東健次さん


1人の陶芸家が人生をかけた作り続けた楽園、陶芸空間『虹の泉』。

『虹の泉』に来た方々からも「B級スポットとして有名」、「びっくり、なんか不思議な感じ」と感想されているこの作品、さらに、番組出演者からも「独特」「異様」という感想が出ていた「虹の泉」は、制作に35年の年月を費やしたが、2021年、「虹の泉」が完成することもなく東さんはこの世をさられています。この「虹の泉」は東さんとその奥さんが共に作った作品。

東さんの奥さん
(東さんが生前中におっしゃっていたことについて)
「自分の中にあるものを芸術という形で出して、みんなにこの場を提供しよう。だからこの作品は皆さんにささげる花束だって。」
「祈るような気持ちで作ったというか、それが主人の芸術の世界。東健次の理想郷というか。」
「私は芸術の奴隷ですよ。35年間、全く自分が無い人生だったけど、振り返ってみればやっぱり、これほど・・・楽しいときは2度とないだろうなぁって、人生の中で。」

NHK番組『朝までno art, no life』

生前の東さんの日記に繰り返し繰り返し書かれていた言葉がある、

「1日、力いっぱい」。

NHK番組『朝までno art, no life』

奥さんがおっしゃるには東さんは「力いっぱい生きた」ということのようです。

「創ることが生きることだった」

そのものが東健次さんのアート作品は、東さんはあえて未完成のままの状態がある意味、理想郷なのではないかということを、考えさせられるものでした。

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