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米株最高値更新に湧く中で 、リスクオンポジションを全て解消した一日。その理由は。

"CHINA COMMERCE MINISTRY SAYS CHINA AND U.S. HAVE AGREED TO CANCEL EXISTING TARIFFS IN DIFFERENT PHASES (関税を引き下げることで合意)というヘッドラインで株、為替、金利ともに大きくリスクオン。また米国時間には "U.S. SAYS CHINA TRADE DEAL WOULD INCLUDE TARIFF ROLLBACK (米関係者によるとフェーズ1に関税の巻き戻しが入る)といったヘッドラインもあり一段とリスクオンとなった(その後、政権内部で意見が割れているとのヘッドラインで上げ幅を縮小させている)。今週に入ってからこのブログでは“ここからは上昇相場が幸福とともに消えかどうかを測る時間帯”と位置づけてきたが、本日がまさにその頂点だと考えており、これまでのリスクオンポジションを全てクローズしている。

まず、本日明らかになったことを整理すると、以下のようになる。

<中国サイド>
・中国の重要な条件として、フェーズ1の合意が成立した場合、合意の内容に応じて関税を巻き戻す必要がある。(中国商務省の公式記者会見)
・過去二週間で建設的な議論を行い、合意の進行に伴い段階的に関税を巻き戻すことに合意。(中国商務省の公式記者会見)

<米国サイド>
・ライトハイザーやロスといった交渉担当者からの公式な発言は無く、以下は全てロイターなどのメディアベースのもの。
・フェーズ1の合意に関税撤回が含まれる。(ロイター、 本日 NY午前の記事)
・フェーズ1で既存関税を巻き戻す合意について内部で強い反発がある。関税巻き戻しはそもそも10月の閣僚級会議の議題ではなかった。(ロイター、本日 NY午後の記事)

既存関税の巻き戻しが、9月に米国が引き上げた1100億ドルの余計な分のことを指すのか、それ以前にかかっている2500億ドルの分を指すのかは明確になっていない。本日、米国のロスやライトハイザーといったオフィシャルな筋からコメントが出なかったことを
踏まえると、政権内でも既存関税を巻き戻すかどうかは、まだ意見が割れていると考えるのが自然だと考えている。

確かに2500億ドルの分まで巻き戻されれば大きな話であるが、ポイントになるのはマーケットのポジショニングだと考えており、その観点からは降りどころと判断。特にまだ米政権内で意見が割れていることも気がかりで、ここは一旦冷静になる必要がありそう。
一旦、スクエアにして様子を見ている。

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