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米中ヘッドラインで株が大きく動いた一日。原油は地政学リスクで全戻し

引き続き米中のヘッドラインで相場は右往左往しており、本日話題になったのは、「フェーズ1の合意は来年以降になる見通し」とのロイター記事と、「フェーズ1の合意に同けて引き続き交渉を続けている」というFOX記者からのツイートであった。

ただ、昨日も述べたように米国メディアの記事はどこまでトランプ政権の意向を示しているか定かではない。より重要なのは本日の中国商務省による定例記者会見(東京4時)になるだろう。

NY市場の印象としてはネガティブなヘッドラインに対する株の反応が大きく、ドル円は限定的な動きであった。値動きからはコストの高い株のロングとドル円のショートが溜まっていると推察される。

FOMC議事録はノーイベント。敢えて注目ポイントを挙げるとすれば、今後の金融政策の枠組みでマイナス金利は米国に必要ないといった意見や、日本のように長期金利の誘導目標をつける枠組みに多くの参加者が懐疑的であるといったところか。全体としては最近の当局者の発言と反するところは無く、次の利下げは遠い印象を受ける。

11/7にこれまでのリスクオンサイドのポジションをスクエアにして様子を見てきたが、そのときの主要プロダクトの水準は、10年金利 1.917%、日経先物 23360円、 S&P3085、人民元円 15.67であった。
米金利については11/7から今日までに 18bps も下落しており、来年の利下げ見通しも1.5回弱まで増えてきていることから更なる金利低下は限定的と感じ始めている。一方、日経は多少下がったものの米株については下がらなかったことを踏まえると、本日の中国商務省の会見がこれまでと変わってネガティブなものとなれば、下げるときの値幅は株が大きくなりそう。

マーケットが大きく動いたのは原油市場で、昨日はロシアが減産に消極的な発言をしたことで3%超下落したが、本日はその下げ幅を全て埋めている。話題になったのは予想よりも少ない原油在庫や、サウジアラビアでの情勢不安(イエメンからの攻撃)、そしてイランのデモである。特にイランデモについては死者が数百人とも言われているが、革命防衛隊によるかなり過激な鎮圧となっているようで、欧米からの制裁の可能性もあるだろう。

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