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強いISM非製造業でも株は下落。それが意味する事

1. FTや WSJの記事をきっかけに、米中協議のフェーズ1に既存関税(9月に発動された分)の巻き戻しが含まれるのではという期待が入ってきているが、株については上値が重たくなってきている印象を受ける。特に ISM 非製造業が予想を上回り、内容も申し分ない強さだったにも関わらず下落して始まったことから、ロングポジションを落す動きがあったと思われる。米国のようにサービス業がGDP の大半を占める国において ISM 非製造業は非常に重要。その数字が良かったにも関わらず株が下落したことは、株のポジションやマーケットの地合いが変わりつつある重要な節目と見ている。また、セクタ一別に見ても不動産や電力といった金利に敏感なセクターが下落しており、金利の上昇が株の上値を抑え始めた印象も出てきた。来年の利下げ折込みが、ピークの3回から1回を割り込む程度まで剥がれてきていることが主な背景。

2.米中の部分的合意の中に既存関税の巻き戻しが含まれれば、中国は人民元安を修正するだろうという思惑で人民元が節目の7.0を割り込んで買われている。元々、一部では既存関税巻き戻しを予想する声もあったが、少数派でありこれがフェーズ1に含まれるのであれば、もう少しこのリスクオン相場が続くかもしれない。しかし、昨日の記事の例で言えば既にマーケットは“幸福とともに消えていく”時間帯に入ったと考えていることに変わりは無く、 リスクオンポジションの降りどころを探す時間帯と考えている。

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