見出し画像

女子スキージャンプ選手紹介ドイツ編

ドイツについて

もう説明する必要のない程のウィンタースポーツ強豪国なので詳しい説明は省く。

スキージャンプに関してもWW2以前から強かった。近年であるとスヴェン・ハンナバルト、マルティン・シュミット、セベリン・フロイント、リヒャルト・フライターク、アンドレアス・ウェリンガーなどが有名で、それぞれ甘いマスクの持ち主であるため世界中のファンの魅了した。故、我が国でもドイツファンは非常に多い。因みに筆者は10年以上FCバイエルンのファンを続けているのでサッカーのマンシャフトは贔屓チームである。

女子チームに関しては黎明期においてはウルリケ・グレッスラー(現在は独ユーロスポーツ解説者)、メラニー・ファイストなどの選手が引っ張っていた。男子同様、この国には非常に高い飛型でジャンプをする選手が多いため選手の怪我が絶えない。

現HCはお馴染みマキシミリアン・メヒラー。女子W杯創設当時から2021年3月まではアンドレアス・バウアーが指揮をとっており18/19シーズンなどは栄華を誇った。

Katharina Althaus カタリーナ・アルトハウス (1996)

オーベルストドルフ出身。女子スキージャンプ界を代表する選手。オリンピックの個人メダルは2つで共に銀。(2018,2022)

サッツの力強さ、タイミングが一級品で完了も速く飛型も安定、まさにお手本の様なジャンプをしてくる選手。

女子W杯がスタートした11/12シーズンから活躍しており2015年ファルン世界選手権混合団体では金メダルを獲得。2017年2月のヒンツェンバッハで初表彰台に立つと翌週のリュブノでも3位。(この試合は世界選手権直前であり総合1、2位の高梨、伊藤は欠場) 勢いそのままにラハティ世界選手権混合団体でも金メダルを獲得した。

翌17/18シーズンでは開幕2戦目で初優勝を飾ると勢いそのままにシーズン総合2位。前述の通り平昌オリンピックでも個人NH銀メダルに輝いた。

18/19シーズンも好調をキープ。12月のリレハンメルGame3からプレマノンの2試合を3連勝で飾り、ゼーフェルトでの世界選手権では女子団体、混合団体を共に金メダル、個人NH銀メダルと大活躍。シーズン通して3勝13表彰台、総合も2位と強さを発揮した。

19/20シーズンは勝利無し、表彰台2回の総合5位。20/21シーズンは地元開催の世界選手権混合団体で金メダルを獲得するもW杯の表彰台はなく総合9位で若干苦戦したが21/22シーズンに見事復活。2月末に例のアレに感染するまで総合優勝争いに絡みオリンピックの個人NHでは銀メダルを獲得した。しかしオリンピック混合団体ではスーツ違反でDSQとなってしまった。

“失格になったという事実を受け入れる事、あの日(MIX戦当日)に何があったのかを理解する事は難しい。(WM、五輪では)これまで一度も失格になったことがなかったため(失格を通告された直後)悪夢の様に感じられた。悪い夢から目覚めることを願った。ただ誰も私を責めることがなく、そして支えとなってくれたチームメイトには感謝している。” 独ユーロスポーツのインタビューにて 

MIX直後は引退を考える程落ち込んでいたがシーズン最終シリーズオーバーホフでは表彰台に立つなど並々ならぬ精神力の強さを我々に見せてくれた。

W杯終了後、カナダへ飛びウィスラーでのコンチネンタルカップに参加し連勝した。

兄のダニエルもスキージャンプ選手でカタリーナが6歳の頃、彼女をジャンプ台に連れて行きそこから彼女のキャリアが始まった。

2020年春、例のアレが世界中で大流行し各地でロックダウンをせざるおえなくなっている状況で、彼女は友人や医療従事者のためにマスクを1日10個以上作り続けた。そのことによりバイエルン州健康大臣より表彰を受けている。

画像1

趣味は料理とフリューゲルホルンの演奏。マイ楽器を持っている写真をよく自身のインスタグラムにアップしている。(フリューゲルホルンってのはオケ、吹奏楽経験者ならわかると思うがほぼトランペットみたいなもので形と音色が違う奴。音色が柔らかいからコラールやゆったりした曲で使いますね)

ホームページでオートグラフカードを受け付けているので郵便局で国際返信切手を買いさいすれば彼女のサインが貰えるはず。自分は小、中学生の頃よくブンデスリーガのチームにオートグラフカードの要求をしてたなあ(懐かしい)

画像2


出典 and  photo citation from

Instagram https://instagram.com/katharina_althaus?utm_medium=copy_link

ホームページ 

Juliane Seyfarth ユリアネ・ザイファルト (1990)

ドイツ中部、作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハが生まれた小さな町アイゼナッハ出身で祖父、父共にスキージャンパーの家系に生まれた。

古参の選手でコンチネンタルカップ初出場は2004年のパークシティ(13位)。女子ジャンプW杯創設時から参加しており18/19シーズンは3勝12表彰台と大爆発、RawAir、OVR総合共に3位と世界選手権個人NH銅メダル、女子団体、混合団体金メダル、ブルーバード総合優勝を掴み取った。

ドイツ特有の高い飛行曲線からのジャンプが特徴的。着地後カメラに向けてポーズを取る際、よくゴーグルを外し素顔でリアクションを取ってくれる。ファン対応も非常に良く、サインには🍀マークを書いてくれて、その上オートグラフカードまで頂いた。美貌故に日本でもファンが非常に多い。

2021年3月、彼女は雑誌“プレイボーイ”ドイツ版の表紙を飾った。どの様な写真でかと言うとフルヌードの写真である。女子スキージャンプに対する世間の興味関心を上げるための行動である。彼女は自身のヌード写真について、“スキージャンプ同様芸術であり、自由の感情を自分に与えてくれる。”と語った。そして2022年3月、ウィスラーでコンチネンタルカップに出場する側、新たにヌード写真をプレイボーイ上で公開した。

慈善活動も熱心でありロシアによるウクライナ侵攻後、彼女が北京オリンピックで使用したビブをオークションにかけ、売上金をウクライナへ寄付した。

哲学は“毎回のジャンプで可能な限り遠くへ飛ぶ

寝る事、田舎へ行く事、写真を撮る事が好きで犬より猫派、そして山より海派(意外!)。夢はフライングヒルを飛ぶ事。

出典は本人のインスタグラムの投稿より

Instagram

画像6

画像7

画像9

Carina Vogt カリーナ・フォクト (1992)

大舞台に滅法強い選手。ソチ五輪、2015年ファルン世界選手権、2017年ラハティ世界選手権個人NHのチャンピオン。本業は警察官であり昇進試験などの影響で若干パフォーマンスが落ちることも過去にあった。五輪、世界選手権などはトライアルジャンプが多いので恐らく対応力が高いのであろう。アプローチスピードが速い事が特徴である。

女子W杯創設2季目の12/13シーズンに総合7位に入ると、13/14、14/15シーズンはそれぞれ総合2、3位。9位に入った18/19シーズンまで常に上位争いに絡んでくる選手だったが2019年7月に前十字靭帯を故障し19/20シーズン全休。また2020年7月にも故障を経験。10月に復帰をするも再度故障に見舞われ現在はコンチネンタルカップを中心に出場している。

4歳の頃テレビにてスキージャンプと出会い、競技を始めたのは6歳の頃。元々アルペンスキーなどをやっていた。他にも様々なスポーツを経験しジャンプに絞ったのは13歳。14歳の頃ナショナルチームに招集された。14or15歳の頃、競技に集中するため全寮制の学校へ入学する。しかし入学直後にジャンプを辞めようと考えた時期があった。

高校卒業後はドイツ連邦警察に入隊、現代に至る。

日本に来る際はよくラーメンを食べている。

私の知り合いが蔵王W杯の時リーダーズボードの前で観戦していたら突然カリーナに絡まれていてっ笑ってしまった。ボード前で一緒に写真を撮っていたw

Instagram 

https://instagram.com/carina_vogt?utm_medium=copy_link

ホームページ 出典の大部分はここ

画像3

Pauline Hessler パウリーネ・へスラー (1998)

ドイツ中部、ノイハウス・アム・レンビーク出身で現状のドイツの2番手。172cmの長身から繰り出される力強い飛び出しは一級品

13/14シーズンにW杯デビューを果たし、初めてW杯でポイントを獲得したのは2015年の1月。2013、15、17年の世界選手権女子団体戦ではメダルを獲得、そのうち15、17年のものは金メダルである。Aチームメンバーに定着したのは21/22シーズンから。そのシーズンで複数試合欠場があったものの総合25位に入った。PBは2022年3月のオーバーホフでの10位。

マイ“儀式(custom)”は“何事も左側から始める事”(靴を左足から履くとかかなあ??)で憧れはカミル・ストッフ。趣味は買い物と読書で総合優勝とオリンピックの金メダルがキャリアの目標。

愛犬の名はゲルド。彼専用のインスタグラムのアカウントもある。↓

出典は本人のインスタグラムの投稿から

Instagram 

Selina Freitag セリナ・フライターク (2001)

ドイツ東部、旧東ドイツのブライテンブルン出身でスキージャンパー一族の家系に生まれた。父親は1980年代のドイツAチームで活躍したホルガー・フライタークで兄は2010年代のW杯を代表する選手であるリヒャルト・フライターク。兄、リヒャルトの引退セレモニー(オーベFH)では涙を見せ彼に抱きついた。現在はオーバーヴィーゼンタールにある冬季スポーツ選手養成学校、冬はオーベルストドルフの寄宿学校に通っている。フライターク家はオーバーヴィーゼンタールで宿を営んでいる。

W杯初出場は2019年2月のオーベルストドルフ!19/20シーズンは総合26位。21/22シーズンは総合28位とW杯の試合では20位台が多い。2022年のビリンゲンでは着地に失敗しクラッシュしてしまったが翌週の北京オリンピックには無事出場、個人NH、混合団体戦共に出場した。

世界ジュニアの女子団体、混合団体では何回も表彰台に上がっている選手で、家系のこともありドイツ国内の期待、注目度は共に高い。2022年1月には彼女を取り上げたドキュメンタリー番組も放送された。

将来的に女子も年末年始に男子と同じ会場で4HTの試合をしたいと望んでいる。

憧れはカミル・ストッフで影響を受けた人物は兄。趣味は歌う事とギターの演奏。(後者はにいちゃんの影響かな)

Instagram https://www.instagram.com/freitagselina/

画像4

画像8

Luisa Görlich ルイーザ・ゲーリッヒ (1998)

ドイツ南部、ゾンネベルクで生まれる。三姉妹の長女であり他2人もスキージャンパーである。21/22シーズンのコンチネンタルカップ総合優勝者。

W杯初ポイントは2016年1月。その後はAチームに招集されたりコンチネンタルカップに回ったりを繰り返していたが2018年3月前十字靭帯断裂の大怪我をしてしまった。18/19シーズンは全休、翌19/20シーズンは札幌で10位に入るなど総合20位でフィニッシュ。21/22シーズンは調子が上がらず北京オリンピックを逃してしまったがRaw Airリレハンメルでは19位に入りウィスラーのコンチネンタルカップでは連続2位といい形でシーズンを終えた。LH向きな気がする。

Instagram

https://www.instagram.com/luisa.goerlich/

画像5

Anna Rupprecht アンナ・ルプレヒト (1996)

ドイツ南部、サッカーでお馴染みシュトゥッツガルト州東部シュヴェービッシュ・グミュント出身。

13/14シーズンからW杯に参戦している古参であり本業は警察官。16/17シーズン開幕戦のリレハンメルでは高梨沙羅、伊藤有希に続き3位に入るも直後に怪我をしてしまいシーズン終了となってしまった。2019年夏にも怪我があり中々満足のいく結果を出せずにいたが2021年オーベルストドルフの世界選手権混合団体ではアルトハウス、フロイント、アイゼンビヒラーと共に金メダルを獲得した。21/22シーズンはポイントを取りきれず北京オリンピックのメンバーに名を連ねる事はできなかった。

6歳でジャンプを始め10歳でドイツ国内選手権17位に立つと10代前半からコンチネンタルカップで経験を積んだ。2010年のドイツ国内選手権では弱冠14歳でグレッスラーなどを抑え優勝に輝いた。

Instagram https://www.instagram.com/annarupprecht_studio/?hl=ja

Josephin Laue ヨセフィン・ラウエ (2001)

旧東ドイツザクセン州、音楽の都であり現在はサッカーの街としても知られるライプツィヒ近郊、ザーレ出身。現在はクリンゲンタールを拠点に活動しているドイツ期待の若手。

2019世界ジュニア女子団体銀メダル、2020世界ジュニア女子団体銅メダリストの為、世界ジュニアを追っていた方は名前をご存知であろう。

双子の姉であり妹もスキージャンパーである。

14歳までは複合をやっていたがスキージャンプ一本に今は絞っている。

アルペンカップ、FISカップ、コンチネンタルカップで経験を積み、2022年2月のヒンツェンバッハでついにW杯ポイントを獲得した。

Instagram

https://www.instagram.com/lauejosephin/?hl=ja

あとがき

飛行曲線上怪我が絶えない国。やはり女子選手にあの高さは負担が大きい。男子ですら怪我するのだから。シュトラウプは昨年春に引退を発表、複合に行ったヴュルトは今季かなり苦戦してますね。

リヒャルト引退なので次はセリナの番ですね。さあメヒラー頑張れ。

ドイツはアイゼンビヒラーなんかがお巡りさんで複合チームのコーチをやっていたアッカーマンは兵隊ですよね。公務員として競技を続ける環境がよく整っているんでしょう。

メラニー好きだったんだけどすぐ引退してしまった...引退直後、彼女が結構大胆な事をしてて当時小学生の私はびっくりした記憶が。今は弟のマヌエル・ファイスト(複合選手)を応援してます。この間の五輪で団体のメダル取れてよかったー!。そしてグレッスラーは2018年の蔵王に来てくれたのに(五輪直前でアルトハウス、フォクトが国内調整)サインを貰いそびれたのが本当に心残り。

ドイツ、野球だとマックス・ケプラー(MIN)がいますね。大谷が去年爆発するまで北中南米以外の選手だとケプラーがMLBシーズン最多HR記録保持者でしたね。てかミネソタにコレアくるだね...?中地区だとデトロイトだと思ってたんだがねえ。。。7年前に野球日本代表と欧州選抜が試合をやっていたがドイツで結構センスあるヤツいたなあ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?