相手のため、とはどういうことか/230719
先月から猫の調子が悪い。
何回か病院に連れて行って検査してもらうも特に異常はなく、とにかく食べない飲まない、食べても吐いてしまっていつのまにか2kg以上も痩せていた。
私は転職したばかりで家にいないのと、自分で精一杯で全くかまってあげられなかったけれど、本気でここまで両親がダメな人間だとは思わなかった。
とにかく信じられない行動言動が連発されて、心無いそれらは幼い頃の自分がされたことに重なってすごく辛かった。
山ほどの信じられない行動言動はもう置いておいて、昨日から突然食べ始めて飲んで、吐くのも止まった。
おとといの夜はもう死ぬかなというほど具合悪そうだったので「結局なんだったんだ?」と思いつつもまだまだ様子見の今。
数時間前に猫がリビングのテーブルの上で横になっていた。
夜だしクーラーの下だし、お水も置いてあるし、元気そうではないけど居心地良さそうなのでダイニングテーブルでスキンケアしながら「可愛いなぁ」と思っていた。
私は猫の方が好きで、それはお互いあんまり近寄らなくても分かり合えるというか、「かまってかまって」も苦手だし、言うことを聞いてほしいわけでもない。
お互い好きなことをできるのは犬より猫だなと思う。
そこに元祖犬好きな母親がわざわざ自分の部屋からのしのし歩いてきた。
犬好きはどこか服従させたい、支配したい、そういうものを母親から感じざるを得ない。
だけど一方でわかりやすく愛し愛されるものを求めている気もする。
なので愛情深いのは犬好きなのかなとか思う。
母親はテーブルの猫の横に座って猫を案じた。
おとといの夜は心配で眠れなかったと言うし、それに同調しながらも直後に爆睡した私よりはやはり愛情深い。
なんなら父親の命がかかった9時間にも及ぶ、胃と脾臓の全摘手術でさえ待機室でいびきをかいて3時間以上爆睡した私なので、母親の愛情深さはとても尊敬している。
そしてずっとずっとその心無き私の爆睡を責められるけど、我ながらそうだと思うので苦笑いしかできぬ。
猫の横に座った母親が、目を疑う行動をしたのは次の瞬間。
横になっている猫を無理矢理押しのけて無理矢理テーブルから落とした。
低いから怪我はしないけど、本気で理解に苦しんだ。
意味がわからぬ。
「ちょっと!」と言った瞬間に数々の記憶とシナプスが繋がったのだ。
こういうことよくある。
先日は「食べないから」という理由なだけで無理矢理食べさせて吐いた。
しかもその後、再び吐いた時は血を吐いた。
吐きすぎて喉が切れたのだ。
その時もいつでも意味不明だった行動が、テーブルから猫が落ちた瞬間に繋がったのだ。
母親は自分の心配を、無理矢理相手にさせることで自分を安心させたかったのだとわかった。
気持ちはわかるけどとてもじゃないけれど共感できない。
それは自分勝手以外なんでもない身勝手すぎる行動だからだ。
そして私自身も数々の私に対する過去の行動言動からそれが深く理解できた。
その後、猫が少し気が向いたらしく餌皿に向かった。
うちの猫は繊細で餌皿もお水も、前に行ってから食べるまでとても時間がかかる。
昔からそうだから私は「そういう子なんだなこの子は」と待っていた。
そこに再び母親が来た。
「食べろ!食べろ!」と言いながら圧をかけて見て急かす。
昔の私だなぁと思いながら見ていると、ずっと圧をかける。
「食べるのに時間かかるなんて昔からじゃん。
暇なんだから待ってなよ。
時間なんて死ぬほどあるじゃん。
自分が具合悪くてそう言われて食べたくなる?
相手の立場に立って考えてよ。
食べたらそれでいいし、嫌ならどこか行くから。
もう二度と無理矢理させないで。
何も無理矢理させないで。
それはお母さんが安心したいだけじゃん。
銀太(猫)のことを考えてるとは言えない。
自分勝手だよ、可哀想じゃん」
まぁ私も過去の自分のためにやっているだけだから同じなんだけど。
私は銀太が可愛いからこそ銀太に任せたいし、いつでも後悔しないように「めんどくさいから」とかで怠りたくない。
その代わり助けを求められたら助ける。
それ以外は好きにしていればいい。
情緒ゼロの両親は私も銀太も具合が悪くなると責めた。
そして病院には連れて行かなかった。
それは「めんどくさいから」。
具合が悪くなれば私も銀太も「タイミング悪い、空気読めない」と言われる。
そんなもんどこにもねーよ。
両親は過去に飼ってきた犬も鳥も猫もハムスターも自らの落ち度で殺してきている。
それらについても反省せず、なんなら何も悪くなかった、運が悪かった、くらいにしか思っていない。
もしかして私の、強すぎる感受性と、その対極にあるサイコパシーは両親から受け継いでいるのかなと今思った。
でもそれでも両親は私も銀太も愛している。
それはもう理解している。
ただ、何かが致命的に欠けているということだけだろう。
あれから私がお風呂に入っている間に銀太はご飯を食べてお水をたくさん飲んだらしい。
今、母親の部屋の床でうとうとしている。
何をされても結局は母親の隣で眠る銀太は、やはり私と同じだ。
死ぬほど嫌な時もあれば、この人が母親で良かったと思うこともある。
そんなもんだ。
それとこれともあれだけど、やはり早く家を出たい。
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