パブコメへの意見出しの発意

これまで自転車に関連する計画のパブコメに複数回意見を出してきましたが、一蹴されることばかりで、自分自身及び受け取って処理する事務方双方の時間の無駄な消費になるだけという思いに囚われ、今回の東京都のパブコメも当初は気合が入っていませんでした。

しかし、PCに残っていた過去の資料の中に警察庁が自転車の一方通行標識を設定する際のパブコメ(平成23年7~8月)への意見がありました。

パブコメの概要・結果はこれです(10年前の資料がこうやって取り出せるいい時代になりました)。

これに対しての私の意見は下記の通りでした。

パブリックコメント「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」に対する意見

1.設置場所
 自転車は原則車道を走行することとされています(自転車安全利用五則)。かつ、自転車は「自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。」とされており、歩道の通行は限定的な条件にのみ認められています。
 よって、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」にある設置箇所について
現在案:歩道、自転車道又は自転車歩行者道の区間の・・・

変更案:自転車道の区間の・・・
に修正することを求めます(歩道、自転車歩行者道に関して規制標識を設定し、規制効果を高めるために自転車利用者・歩行者に認知されやすい場所・数の設置がなされることで、本来限定的な条件、対象者にのみ認められる道路にもかかわらず通行が一般的・普遍的に可能であるかの錯誤を招く)。

2.標識設定に関する全国統一基準の周知
 当該命令が公布された後、道路管理者又は各都道府県の公安委員会により標識の設置がなされますが、走行方向の指定について、「自転車の交錯による事故の危険性を減少させ、自転車の通行を整序化する」観点で「当該自転車道が面する車道の走行方向と同一とする」ことを政府(警察庁・国土交通省)において明確にし、道路管理者及び各都道府県公安委員会に対して公布と同時に周知することを求めます。

【参考要望意見】
3.必要な周知・指導・取り締まりの永続的な実践
 標識設置により利用者が直ちに規制に従った自転車走行をするものとは思われません。設置後にその趣旨が浸透するよう、必要な周知・指導・取り締まりを一過性に終わらせず継続することを求めます。

4.歩道・自転車歩行者道の自転車通行が限定的であることの周知、本来走行すべき車道・自転車道の整備及び安全な車道走行のための自動車運転者への周知・指導・取り締まりの推進
 「自転車の交錯による事故の危険性」は、原則車道を走るべき自転車が、歩道・自転車歩行者道の通行可制度により、歩行者と同様に無秩序に(通行でなく)走行していいとの勘違いを与えていることが解決を遅らせていると感じています。
 これを抜本的に改めるため、政府(国土交通省・警察庁)において、
① 自転車安全利用五則の徹底
② 自転車が安全に走行できる車道・自転車道の整備及び必要な規制の積極的推進(自転車専用通行帯指定、駐車・駐停車禁止規制の徹底、パーキングメーターの廃止、自転車専用信号(先行して青点灯)の導入等)
③ 自動車運転者に対して自転車と道路を共用していることの周知、並走する自転車に対する危険行為の禁止等、自転車が車道を安全に走行するための自動車運転者に対する義務・禁止行為のルール化
等を総合的・戦略的に取り組んでいただきたい。
 
5.路側帯の設定されている道路の自転車走行方法の法定化
 現在の法体系で路側帯の自転車は走行方向が定められておらず、現行の一方通行標識においてもその指定はできないものと解されます。この状況は今回命令の標識の対象外のため、今回命令の趣旨である「自転車の交錯による事故の危険性を減少」からも、できるだけすみやかに「路側帯の存する道路における自転車の左側走行」を道路交通法に位置づけすることを求めます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ーーーーーーーー


ここで上げた意見本体(1・2)が採用されたわけではありませんが、参考意見で上げた(必要性の乏しい)パーキングメーターの廃止については同年10月25日付の通達に明記されています(現在すでに効力を失っていると聞き、残念に思っているところです)。

https://www.npa.go.jp/pdc/notification/koutuu/kouki/kouki20111025.pdf

路側帯の自転車走行方法については平成25年12月の法改正により是正されています。


なので、事務局に思いが伝わる可能性を信じて、今回はまとめ切りたいと思っています。





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