「使える通訳は35歳から」

子供の頃「使える通訳は35歳からだ」と言われた。
当時は、何のことだかさっぱりわからなかった。
若くても、バイリンガルなら年齢なんて関係ないのではないだろう、と思っていた。
今ではその言葉の意味がわかる。

つまりは、語彙数と分析能力の問題なのだ。
語彙数というのは、そのままである。
どれだけの言葉を知っているかどうかであり、どれだけの表現を知っているかである。
若くて語彙数の多い人は意外と少ないのだ。(と言っても、いい歳になっても語彙数の少ない大人も多く存在する)

分析能力というのは、その台詞や文の解釈の仕方のことである。
以前も書いたが(誤訳の正体)英語は同じ文面でも文脈によっては意味が変わることがある。
その状況や話の内容によって変わる意味を、正しく解釈しなければならない。
直訳を避けるために両方の言語の文化を理解し、その状況にあった訳を選ばないといけないのだ。

どちらの文化もしっかりと学ばなければならない。
本や映画、あらゆるタイプの人が使う言葉を吸収しつつ、パッと使えるようになるのは、ある程度歳を重ねてからである、ということなのだろう。

若くして使える通訳になりたい方は、選り好みせずに、あらゆる媒体を見て聞いて読んでいくと良いのだろう。
しかし、通訳になりたいわけではない、英語が少し話せるようになりたい方も、あらゆるタイプの英語を見て聞くのが良いことがお分かりいただけるだろう。


It’s not always about the age; just how much knowledge you have.

必ずしも年齢の問題ではなく、どの位知識があるかである。



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