私を構成する5つのマンガ

 図書館がずっと閉まっているので、世界史シリーズの続きがなかなか書けない。ようやくちょっと文章を書ける時間ができたと言うのに。
 そこでnoteのお題に挑戦してみることにする。

 さて私を構成する5つのマンガということである。「私を構成する」である。オススメのマンガ、面白いマンガということなら山のようにある。その中にはかなり思い入れの強いマンガもあるのだが、それが自分の中でどのように消化されていったかということを考えると、それを語れる作品というのは必ずしも多くはないようだ。
 まずは地肉となっているのはやはり活字の本の方が多くて、マンガはエンターテイメントとして消費する傾向にあるようだ。またそのように自分の根本を形作っている作品というからには、若い頃どころか幼い頃に読んだものであって、本当は強く影響を受けているのに存在自体は忘却の彼方というケースもありそうだ。
 それでも5作品だとどれを削るか悩むくらいにはピックアップできたので、もしご興味あればご一読いただければ幸いである。

1・ドラえもん
 アニメ版は日本人なら影響を受けていない人を探すことが困難なくらいだろうが、マンガ版についてもかなり多くの人が読んだことがあるだろう。幼い頃に知識や常識について、正しいものも片寄ったものも教えてくれたマンガである。少なくとも僕が男性なのに「~かしら」という語尾をつけるのに抵抗がないのは確実にマンガ版ドラえもんの影響である。

2・学研まんがひみつシリーズ
 僕と同年輩の方ならこのシリーズで知識を得ることの面白さを知った人も多いのではないだろうか。小学生の頃にはこのシリーズを60冊以上買ってもらって、どれも繰り返し繰り返し読んだものだ。
 自分も子どもを持つようになり本を買ってあげたいと思って手にとってみたのだが、リニューアルされてしまいコレジャナイ感に打ちのめされたりした。

3・ウッドノート
 これだけは少々解説が必要だろうか。週刊少年チャンピオン連載されていた小山田いくのマンガで、高校のバードウォッチング部を舞台とした青春ものである。バードウォッチングを題材にしていることで、部活もの一般に描かれる少年期の葛藤や恋愛、部活動を巡る悩みだけでなく、自然や生命といったテーマにも踏み込んでいるのが特徴と言えるだろうか。
 思春期直前の時期にはまった青春ものということで、人生観、倫理観、価値観、行動規範に大きな影響を与えただけでなく、その影響は社会と自然との係わり方についての価値観や生命倫理にまで食い込んでいる。大人になってから読み返したら、気恥ずかしい思いすらしたほどだ。

4・5・火の鳥・ブッダ
 4と5は2つまとめて。どちらも生命をテーマにした手塚治虫の大作である。火の鳥は小学生、ブッダは高校生の頃に読んだが若い感性にずいぶん大きな影響を与えたと思う。爪痕を残したと言い替えても良いかもしれない。
 この2作品によって僕の中に生まれた信念をここで述べるのは、少々覚悟が足りないので、またいずれ覚悟が決まったらまとめてみたいと思う。
 核心となる部分ではないけれど、ミイラについてのコラムで少し影響について述べたことはある。

 以上、お題について述べてみたけれど気のきいたオチもつかず、正直面白い文章にならなかった。
 他人の読書遍歴に興味のある方が少しでも興味を持って読んでくれたなら幸いだ。せめてものサービスに5つに入らなかった作品について少々。

・夢幻紳士怪奇編
 この作品のお陰で高橋葉介氏のファンの緩やかなグループに出会えたのは有意義なことだった。90年代のネット文化のなかで、高橋葉介作品が好きという以外には驚くほど様々な個性を持つ人々から、自分の興味に従うだけでは絶対に得られない刺激を数多く受けたことを懐かしく思い出したりする。

・C級さらりーまん講座
 就職氷河期の最中に会社員になるのが怖くなるという、たいへんネガティヴな影響を受けた。

 ネットで亀モチーフの雑貨を扱っています。ショップもご覧頂けたら嬉しいです。
 こちらは作家さんからお預かりしている作品です。

もしサポートいただけたら、創作のモチベーションになります。 よろしくお願いいたします。