11歳シーズー 闘病備忘録②

一週間ほどで腫瘍の組織の正体が判明。

するはずだったが、獣医は「はっきりしないんですよね」

具体的な分析結果が得られなかったとかで再調査になったという。それでも、ステロイド剤が効いて、胸の水が再度溜まらなくなったこと、投薬で腫瘍が大きくなっている気配がないことから、「悪性腫瘍には違いないだろう」と断定される。

がーん。

現実味がなかった。

「抗がん剤投与は、人間ほど副作用が強くないので、犬への負担も少ない」という説明を受け、「ここで叩いておかないと」という勧めもあって、否応なしに抗がん剤投与されることに。

これは今も、あの時、断ればよかったのか。それとも、抗がん剤を投与して正解だったのか。選択を間違えたのではないかと未だに心にわだかまっている事項。

肺に溜まっていた水はリンパ液で、乳び胸という病気だった。

原因はお腹の腫瘍。

抗がん剤は、午前に病院に預けて投与してもらい、夕方迎えに行って引き取り。補液でたぽたぽになった、片方の背中をいたわりながら、20分の道のりを帰宅。

帰宅してからも、容態が急変しないか、夜中の3時まで眠れない日が続く。肺の水を抜いたことで呼吸は荒くはなくなったが、その代わり、弱弱しく感じられて、そのうち止まってしまうのではないかと心配になった。

心臓は相変わらず、不定期な脈を打つ。

添い寝しながらの落涙の日々が暫し続いた。

ただ、本犬はいたって普通にご飯を食べ、寝て、の生活。

この期間にも、妹からの「なに泣いてんのきもい」「添い寝したらうざいと思うよ」という心ない暴言は続く。


先代のシーズーも、11歳で心臓の僧帽弁が不調となり、肺に水が溜まって亡くなった。外出先の車中で様子がおかしくなり、そのまま息苦しそうな状態が続き、肺の水を一度抜いたものの回復することはなく、数日後に妹の膝で死んでいった。

既に、愛犬を見送った数は三頭。どの子も、手を尽くしたとは言えない最期を迎えて、去ってしまったように思う。

もっと、できたことがあったのではないか。

毎回、それは重く伸し掛かる想いだ。

今、闘病しているシーズーに対しても、何が正しくて、何が間違いなのか。ずっと一人で問い続けている。


家族は皆、一様に「死ぬ時は死ぬから仕方ない」「延命の必要はない」という。

恐らく私だけが、愛犬の生に、執拗にしがみついている。







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