11歳シーズー 闘病備忘録③


2009年にお迎えしたシーズーは、二代目シーズーとして長年にわたり家族のアイドルで、癒しだった。正直、先代よりもお顔の造形は勝っていて、ぬいぐるみのようだった。ただ、先代が吠えもせず、悪さもそうしなかったのに比べて、二代目は、無駄吠えやごみを漁ったり、食糞をしたりと、問題行動も多かった。私はいちいち厳しく叱ったため、私にはまったくといっていいほど心を許しておらず、懐かなかった。

弱って、皮下脂肪が落ちて、頭骨の形が薄い皮膚ごしに透けて見えるような、貧相になった頭を撫でながら、癌って本当に痩せてしまうんだなぁ実感する。胃がんになった祖母も、どんどん小さくなっていった。

どこが痛いとか、違和感があるとか、調子がイマイチだとか。犬に自己主張する術があったなら、どんなに良かっただろう。

6kg近くあった体重は、4.5~4.7kgを行き来している。

癌細胞にエネルギーを奪われてしまっているのか、何度も何度もご飯を要求するのに、摂取したカロリーが少しも身にならない(肥満体形の人間からするとうらやましくもある)。

癌の子には、炭水化物の摂取は望ましくないようで、獣医にたんぱく質中心でと指示される。なんなら猫用の缶詰をあげてもいいとも。

ただ、これは、顔の毛に魚の匂いがついてしまうと厄介だと思い、いつものカリカリ少な目+軟らかい肉や野菜の入った缶詰を加えてあげることにした。

一日三回食事を与えても体重が減っていくため、森永のハイカロリーなミルクを追加。

最初に購入したのが 森乳サンワールド ワンラック エナジー500

https://item.rakuten.co.jp/rakuten24/e173377h/

フードに混ぜても、水で溶いても、どちらも飲んでくれた。


次いで購入したのがロイヤルカナンのリキッド。

https://item.rakuten.co.jp/doubutsunotame/v018239-03/

これはまずいのか、食いつき良くない。

ぴちゃぴちゃ舐めて、「あんまり」って顔をする。

通院、抗がん剤治療、軟便を繰り返し、ある日突然、腹部膨満に。

腸の動きが悪くなって、詰まるかも、とは言われていたけど、胸からお腹までぽこぽこに膨らみ、ひと晩眠れずに、あちこちに移動しては床にお腹をぺったりくっつけてウトウトしている様子。朝方少しお腹には余裕が出てきた模様だったが、念のため通院。

エコー検査、血液検査の結果、白血球の数値が異常に。応急処置の後、「本当は抗がん剤を打ちたくないけど、やったほうがいいから」と言われ、翌日抗がん剤投入が決定。

どこまで負担をかけたら気が済むんだろう。

そしてこれは、飼い主のエゴでしかないんじゃないか。


相変わらず、家族には「延命なんてしなくていい。」「抗がん剤なんて必要ない」と言われ続ける。

萎れた顔で、本来抜けにくいはずの体毛がごっそり抜ける様子を見て、皆が「もういいんじゃない」と言う。

それでもどうか。もう少しだけ。

出来る限り、一緒に居たい。


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