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LIFE | 2023-01-31

YOLO(You Only Live Once)というスラングがありますが、今のところ一部の聖人や猫を除いて人生を繰り返し生きたという話は聞いておりませんので、やはり人生は一度きりなのではないかという説が有力です。意外と忘れがちではあるのですが、今が人生において一番若いわけで、時間を操る秘術がない限り我々は1秒毎に年をとっていきます。恐ろしいことですが、時間は止めたり、巻き戻したりできませんし、思い出を反芻している間にもめちゃくちゃ進行していくのです。

だいたいこういったことを考えるのには何かの契機があるわけですが、その一つに誕生日というものがあります。まさに今日はキノコの誕生日であり、また一つ年を取り、焦燥感と倦怠感ばかりが募っていく世代に突入しております。とはいえ、ネガティブなことばかりではなく、去年から始めた体力づくりを兼ねたクラブ通いを今年も継続していく次第ですし、何度も書いているように転職により環境を変えようかなという試みを実行している最中であります。娘1も明日には何かしらの結果が出ますし、家庭にも少し落ち着きが取り戻されるのではないかという期待もあります。一昨日湯島天満宮に合格祈願にも行ったので間違いないでしょう。まあ神頼みというのはしない方なのであくまでアディショナルな何か、精神安定的なものではありますが。

一度きりの人生なので思いきったことをしよう、というのは実に個人主義的な視点であり、一方で資本主義の歯車を止めずに動かすコマとしては安定して稼働してくれる人間の方がありがたかったりします。まあそういう点で転職回数が多いというのはまだこの日本においては異端ですし、職務経歴書を読み上げられるたびに自分の無軌道な人生というものを思い返させられるというのは定期的に味わうべき責め苦なのかもしれません。まあそうは言いつつもやはりそんな選り好みをしている企業の姿勢も若干緩和されてきているのか、そうも言っていられないくらいIT人材が枯渇しているのか、求人は山のようにあるようで、エージェントと話していても、採用側はまあまあ焦りがあります、という話ではありました。DX人材なるものが何なのかは聞いてみてもいまいちよく分かりませんでしたが、いまこそIT化を推進すべく、という20年越しの悲願みたいなものも感じました。

たまに書いているように、人生100年というのは貧乏人には地獄なわけで、資産家であったとしても異例だったりする長さなのではないかと思います。50歳で折り返し、そこから30年はまだ働く、というのはやはり健康的にもしんどそうですし、一体どうなるのかというのはまさに我々の人生を賭けての壮大な社会実験なのではないかと思われます。正直あと35年ローンを返しつつ働くという未来がよく分からないですし、20年続く企業が少ない中でどうやって長いキャリアを築いていくのでしょうか。やはり雇われるという関係ではなく、自分で何かしらしていくというのが主流になっていくのでしょうか。フリーエージェントの時代なんて言われていたこともありますが、それは一部のタレントの生き方でしょうし、マッチングするにもあまりにもニーズと供給が非対称過ぎるような気がいたします。

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