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逃避と焦燥|2024-07-24

今回は、うでパスタが書く。

六ヶ月の子犬をもらい受けた。
「もらい受けた」というのは嘘で実際には「子犬代」を支払って明確に「買った」のだが、何か犬や猫を金で買うことについて逆風めいたものも感じるし、いろいろ考えあぐねた末にブリーダーの手もとに残っていた犬を買うことにしたので、一応保護一歩手前か事実上の保護だったことにしたくて曖昧な言葉を使っている。

犬と猫とでは社会状況が大きく異なり、猫は野良猫ですらTNR(Trap = 捕まえる Neuter = 避妊手術 Return = 返す)といった取り組みでそのまま野良に返してやっていこうとされている一方、犬は野良が許されないのは当然としても、とにかく「大変だ」「大変だ」「犬を飼うのは大変だ」「こんな家で飼ってはいけない」「こんなライフスタイルでは飼ってはいけない」「おまえは分かってない」と専門家からただの愛犬家までがひどくうるさくて、つまるところ「犬界隈」は概ね、多くの人が犬を飼うこと自体をよく思っていない。
獣医からペットホテルまでがおしなべて初めて犬を飼い始めた飼い主に対しては冷笑的である。結果として、かどうかは知らないが現実として日本では猫の登録頭数が犬のそれを上回ってすでに久しく、犬の登録頭数自体は現在にいたるまで低下をつづけている。

それでも様々な理由から、私たちは二頭目として子犬を迎えたのだ。
保護犬のアドプトに一応は成功した自信があったからというのもその理由のひとつだが、当然ながら子犬に限らずあたらしい犬を家庭に迎えるのは実際に大変であって私は目下慢性的な睡眠不足に苦しんでいる。思えば最初の犬を迎えた昨年の秋にもおなじことがあって、私はたしか一ヶ月で三キロぐらい体重を落とした。

実に十七年ぶりに「働きマン」の五巻が出た。
連載中止が二〇〇八年なので、まぁ毎回こういうことを言うのもなんだがこれももう「若いひと」は知らない漫画である。

とはいえ私ぐらいまでの歳のひとのなかには、それこそ男女を問わずこの作品に思いを残す方が少なくないはずで、連載再開のないままに編まれた五巻によって一応のケリがついたことにホッとしながらしばし空を見つめた人も多かったことであろう。

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